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2007年12月 7日 (金)

カイゼンの自主活動は残業<長文>

Photoトヨタ内野過労死裁判ではトヨタのすすめる「カイゼン」が残業にあたると判断されました。

判決文からその部分を抜粋します

エ 小集団活動について

原告は,小集団活動が業務であり,これに要した時間を労働時間とすべきであると主張するが,具体的にいつどの程度の時間を要したのかは,ごく一部を除き明らかではなく,他方,被告は,一部を除きこれが業務ではなく,これに要した時間を労働時間とすべきではないと主張するが,同様に積極的にいつどの程度の時間を費やしたからこれを労働時間から控除すべきであると主張するものではない。また,仮に,これが前記認定の労働時間中に行われたとしても,前記のとおり上司である堤に管理され,その命令で業務に従事する可能性があった以上,労災認定上は,本来の業務の手待時間としてその労働時間性を肯定することが相当である。しかし,上記の点は,労働時間数の判断のほか,労働の質にもかかわる可能性もあるので,その業務性について判断するに,本件事業主における小集団活動につき,以下のような事実が認められる。

(ア)健一は,RL813組において,平成12年から本件災害当時まで,交通安全リーダー,職場委員,QCサークルリーダーの役割を同時に担っていた(甲12 4)。

(イ)本件事業主は,従業員の人事考課において,基礎技能職・初級技能職・中堅技能職につき,創意くふう等の改善提案やQCサークルや小集団活動での活動状況を,EX級につき,組メンバーを巻き込んだ活動ができることを考慮要素としている(甲111)。

(ウ)創意くふう提案及びQCサークル活動が,本件事業主の自動車生産を支えてきたことは,本件事業主の取締役名誉会長や取締役社長が認めるところであり,本件事業主が発行した会社紹介のパンフレットでも,その活動を積極的に評価して取り上げている。これらの活動は,いずれも一定の頻度で行うものとされ,上司が審査し,その内容が業務に反映されることがあり,賞金や研修助成金,一部の時間の残業代が支払われる。健一は,毎月1回,創意くふう提案を行っていたほか,業務として,創意くふう提案用紙の提出状況を調査するとともに,提案者の氏名や従業員コード等が正しく記入・マーキングされているかを確認していた(弁論の全趣旨)。また,健一は,RL813組内で創意くふう提案を提出しない者がいると,その者に対して提案事項に関する助言を行ったり,その者に代わって創意くふう提案を行うことがあった。健一は,QCサークルリーダーとして,テーマに開する話合い等を直接進行させる役割のテーマリーダーに対しアドバイスを行い,また,テーマリーダーに代わって話合いの結果や資料をまとめたり,テーマリーダーが手書きで作成した資料を自宅に持ち帰って,パソコンで作り直すなどしていた。また,サークルリーダーは,QCサークル活動状況を自己評価することとされており,評価事項としては,サークルメンバーの参加意欲,協力の度合い,発言や改善提案における積極性等があった。また,QCサークル活動の日誌の確認は業務として実施されていた。(甲3 9の2の36,52の14 ・ 1 5,53の9の2,1 2 5,1 2 6,1 3 5の2,乙2 3・11項②,弁論の全趣旨)

(エ)EX会は,本件事業主の各職場ごとの支部や職場会を有するなど,全社的な規模で組織された団体であり,会員相互の親睦のほか,知識と技術の向上を図り,社運の興隆に寄与することなども目的としている,EX会の役員になると,その運営業務のために,所定終業時刻の後や休日に,会社や自宅で作業をすることになるが(甲25・23項,30・18項),健一は,堤工場車体部第2ボデー課職場会の広報担当役員として,課長・CLとの懇談会等のチラシを作成していた。また,本件事業主の社内報で役員の紹介などがなされている。(甲52の17,52の18の1~4頁,52の19の1~3,70,71,9 7,9 9,104)

()本件事業主は,交通安全ミーティングヘの参加について,研修助成金を支払っていた。また,その結果を記載した小グループ話し合い実施シ-ト(甲52の13)及び交通提案用紙(甲39の2の37)は,上司によって回覧等されていた。健一は,交通安全リーダーとして,交通安全ミーティングの進行役を勤め,小グループ話し合い実施シートを作成し,業務としてRL813組の交通ヒヤリシートのとりまとめを行うなどしていた。さらに,健一は,当該提案を行った者に代わって,交通提案用紙(甲39の2の37)を作成することがあった。(甲27・9項,乙23・12頁)

以上の事実が認められる。

 

上記認定事実に前記争いのない事実等(5)の事実を併せると,創意くふう提案及びQCサークル活動は,本件事業主の事業活動に直接役立つ性質のものであり,また,交通安全活動もその運営上の利点があるものとして,いずれも本件事業主が育成・支援するものと認識され,これにかかわる作業は,労災認定の業務起因性を判断する際には,使用者の支配下における業務であると判断するのが相当である。EX会の活動については,これも本件事業主の事業活動に資する面があり,役員の紹介などといった一定の限度でその活動を支援していること,その組織が会社組織と複合する関係にあることなどを考慮すると,懇親会等の行事への参加自体は別として別役員として,その実施・運営に必要な準備を会社内で行う行為については上記と同様に業務であると判断するのが相当である。

  また,被告は,これらに要する時間がごく短時間であると主張し,成瀬及び堤はこれに沿う供述(証人成瀬,乙24)をするが八戒順については,堤の下での健一とは仕事の仕方が異なると考えられ,堤の供述は直ちに採用できないから,被告の上記主張は採用できない。

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