桝添厚労相は実態に無知
「桝添厚労相が派遣村を批判した」という情報が、中日新聞に出ていた。(中日8/19)
「年越し派遣村」に関し、「(当時)4000人分の求人票を持っていったが誰も応募しない。自民党が他の無責任な野党と違うのは、大事な税金を、働く能力があるのに怠けている連中に払う気はないところだ」と述べた。
派遣ユニオンの関根書記長は「誰も応募しなかったというのは全くのでたらめ。たくさんの人が応募したが、断られたのがほとんどだ。」と言う。
派遣村に対しては「なぜすぐに住むところも無くなるんだ」「貯金もないのか」「生活態度が問題」「自分で好きな働き方を選んだ」という意見が少なくない。その先には「ホームレスは自堕落な人間」という短絡的な見方がある。桝添厚労相の発言はこれと同レベル、いや助長するものだ。
しかし実際派遣村にきた派遣労働者が「自分もホームレスをみて、『働く気がないやつ』と思っていたが、派遣切りにあってそうでないことがわかった」と言っていた。「なぜ貯金がないのか」「なぜ住むところがないのか」派遣村にきてみれば、その仕組みはすぐにわかる。こなくても少し調べれば「自ら選んだ働き方」で済まないことはすぐにわかる。
最初から二人に一人分しか正社員のイスが用意されていないイス取りゲームであることには故意に目をつむり、自ら選んだ非正規のイスだという。仮に自ら選んだ労働者が何割いたからといて、派遣切りで相談にきた人がそうだと言えるのか。
自宅があり、「自ら選んで」派遣労働者になった人は貯金もできるし派遣寮に入る必要はない。クビを切られ、雇い止めにあい、貯金が底をつき、最初の給料日まで生活できないから「日雇い」派遣につくのだ。敷金・礼金と保証人がないからホームレスになる。ホームレスも最初は労働者だ。
桝添厚労相もこのことを知らない訳ではなかろう。しかし知っていても野党批判のため、このような「あおる」発言をしたのだろう。ここでも自公政治の終焉を実感する。そして、派遣切りに手を貸した大企業労組に支援をうける議員にも同じ事が言える。
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