トヨタの〝お家芸〟は下請単価引き下げ
トヨタが利益を「V字回復」させた。「09年3月期は前期比で2兆7千億円の減益で営業赤字に転落したが、減益分の約6割をわずか1年で回収した」(中日5/12)。その内訳は固定費の削減が4700億円、原価改善が5200億円だ。中日には「収益改善努力は、生産・開発現場だけでなく、事務用品や光熱費まで及んだ。社員らはペン一本にも気を使い、本社のエアータオルは今も止まっている」と書いているが、下請単価の引き下げについては一行も触れていない。いったいペンとエアータオルでいくら節約できたというのか。
同日の朝日は「『下請にコスト削減を丸投げしている』(部品会社)との批判もあったが、設計からの見直しグループで協力してコスト削減を目指す」とトヨタの発表を伝えている。
しかし愛労連のアンケートで明らかなように、トヨタは生産台数が半減した昨年もむちゃくちゃな下請単価引き下げを行った。このうえ、4月からは下請単価の引き下げが行われている。ある社長は「とても引き下げに応じることができる状況ではないが、エコ減税がなくなる10月からの仕事を確保するためには仕方がない」という。また仕事を多く受けたある会社では「受注1000万円以上の会社は特別協力金を求められた」という。
「トヨタは〝お家芸〟のコスト削減で苦境をはねのけた」(中日〃)というがトヨタの〝お家芸〟は下請単価の引き下げだ。
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