壊すな!名古屋城天守
名古屋城を「戦後復興のシンボル」に
名古屋城シンポが23日開催され、建築関係者を含む市民70名が参加し、専門家の説明を聞きました。
全体の様子
前半 後半 「天守閣への思い 名古屋城天守閣建替えに反対します」上映 空襲で焼失した名古屋城を再建するために不足する資金2億円を市民が寄付で集めました。外観は焼失前とそっくり、当時の最新技術を導入して二度と燃えない鉄筋コンクリートで再建し、内部には焼失前がわかる展示と市内を一望できる展望室が設けられました。
専門家の報告
一級建築士の高橋さんは①国宝名古屋城の伝統木造復元、②観光で儲けるハイテク木造、③現天守の耐震改修・博物館刷新の3案を示し河村市長の「寸分違わぬ国宝名古屋城」は建築基準法により観光客が入れないことを説明。建築基準法の「適用除外」を受けるにしても燃える6階建てに観光客を入れるためには焼失前の天守にはなかった耐震・耐火の壁と床を張り巡らし、火災時にフラッシュバックするまでに500人もの観光客が逃げられる避難路やEVの設置が必要なことを説明。
石垣部会の赤羽さんは名古屋城石垣の歴史的価値を説明したのち、現在の石垣の危機的状況とその保存、修復にむけてどのような検討がされているか説明。そのうえで「歴史の証拠としての本質的価値の保全が最優先であり、天守台石垣の保存と、堀・土塁・石垣の復元を優先すべきと訴えました。
会場からも活発な質疑
一ヶ月もないお知らせ期間でしたが、会場には70名の市民が参加。記者も5人が取材にきました。
参加者のなかには建築関係者も多く、「現天守も構造計算は当時の最新知識で作られたもの」「木造は接合点構造となり、木造のほうが強いというのは本当か」「ハイテク木造は外材をたくさん使用することになる」などの意見が相次ぎ、「これで文化庁が国宝名古屋城の復元と認めるか」と指摘されました。
初めての市民シンポ
シンポに先立ち24日名古屋市議会で「名古屋城の石垣及び天守の保存を求める請願」の審査が行われました。しかし、議会は「すでに議論済み」と賛成多数で審議を打ち切りました。
しかし会場からは「タウンミーティングでは聞けなかったこと、初めて聞くことばかり」「市民の寄付で再建されたことも知らなかった」「EVがはずかしいなどというのは小学生並みの発想」などの声が相次ぎました。
市のアンケートでは「寸分たがわぬ国宝名古屋城」とされており、詳しい説明は全くされていません。新聞でも報道されないため、参加した市民は「初めてのこと」ばかりです。このシンポは市民に実態を知らせていくスタートとなりました。
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