現代のタコ部屋
派遣村から回ってきた相談です。
派遣元が多額の給与天引きをするので4月から派遣先と直接アルバイト契約をし、給料が5月15日にる予定であった。本人はその給料をためて現在居住している派遣会社の寮から転居予定だった。
しかし、給料日に明細を見ると、派遣先が元派遣元企業の要求に応じて、派遣元の寮費という名目で「9万1000円」を天引きしており、受領できたのは約8万円のみ(前月までの寮費は5万6000円だった)。
派遣元に「根拠を示せ」というと「水道光熱費」と回答し、「明細を出せ」というと「事務がいないから無理」と回答。派遣先にも苦情を申し入れても取り合わない。
さらに、派遣元の最後の給料である3月分給与は明細上の支給額は「-3万7194円」と計上されていたところ、派遣元は上記9万1000円を搾取した上にこのマイナス3万数千円は前借りだから返せと夜中に取り立てにきた。取立がしつこく、1万円だけ支払ってしまった。
昨日の豊橋派遣村でJMIUと話したら「ああ、岡崎のNね。しっとるよ」と、地域では有名な悪質業者。
この派遣会社は、地方からでてきた労働者に、出てくるための旅費や給料日までの生活費として金を貸し、毎月の給料から天引き。最初の給料日はマイナス20万円だったという。借金には利息がつき、さらにいろんなものを引かれるため、夜勤までやって働いても残額は減らない。まさしく現代版タコ部屋である。
相談者は泣き寝入りをせず、告発の準備をすることにしました。
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コメント
信じられない話です。本当にタコ部屋労働ですね。
法治国家日本でこんなことがあるなんて。
投稿: | 2009年11月15日 (日) 16時21分
コメントありがとうございます。
この方は派遣村に相談し、みんなで対策を検討しました。
まず、労基署に告発し会社が派遣会社に払った金をすべて払わせました。
次に、借金の前借り金の返済状況を確認。通帳をみると、最初から毎回1万、2万借りると1000円、500円=5%の金利が引いてありました。これが月末の給料日に全額返済。4週間で5%のこともあれば三日で5%のことも。超過金利を全部計算したら元金もすべて返済済みでした。このことを弁護士が文書で通告したら取り立ても寮費もいっさい請求が来なくなりました。
本人はこのお金で寮を脱出しました。
投稿: 愛ローレン | 2009年11月15日 (日) 18時27分