2007年1月27日 (土)

ボーダフォン不当判決に怒り

24日、名古屋地裁でボーダフォン(現ソフトバンク)過労自殺裁判で家族の訴えを棄却する不当な判決がありました。

この事件は旧ケンウッドから東海デジタルホンに出向し、その後の携帯電話会社の変遷のなかで過重な労働でうつ病になった小出さんが、その後通勤に2時間もかかる現場に配転され、うつ病が悪化し、自殺したものです。

小出さんは障害者で、長距離通勤が耐え難い事や2人でやっていた仕事を一人でやることになることなどから、配転を拒否していましたが、会社は強引に命令。わずか一週間後の自殺でした。

自殺する前日には娘さんに「殺してくれ」と叫んだそうです。(名古屋タイムス)。奥さんと子ども二人の家族三人で始めた裁判を愛労連や過労死家族の会が支援しています。週間金曜日や今月の東洋経済にも紹介されています。

しかし裁判長は配転でうつ病が悪化した事を認めながら「会社は自殺することを予見できなかった」として家族の訴えを棄却しました。

これは現在、うつ病に対する企業の対応義務をまったく知らないというしかない判決です。いまやうつ病はどこでも大きな問題となっており、事業者の対処についても責任がはっきりしています。それを「知らなかった」ですませる裁判官。全く世間知らずとしかいいようがありません。

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2006年12月24日 (日)

破産・倒産の時は一刻も早く相談を

あべさんの効果か労働相談の数が激増しています。昨年一年間で500件台だったものが今年11月は1ヶ月で100件。12月は20日までで120件を超えました。その2割がHPからのものです。

さて年の瀬になると破産・倒産の相談が増えてきます。破産・倒産がわかった時は一刻も早く相談することが必要です。賃金や退職金などは一般の債権よりは優先されますが、破産が受理されてからでは回収率はかなり下がってしまいます。そのため、破産管財人より先に確保してしまうことが必要です。先日も破産しそうな会社から3人の方が相談にきました。相談センターではただちに賃金や退職金の確保のため「差し押さえ」の手続きに入りました。

建設業の場合には末端のダンプや大工などの職人さんは「下請け」の形態をとっていますが、この場合も「労賃」と見なされれば優先的に確保することができます。労働相談センターにはあべ所長のほか専門知識をもった担当者がいて労働者の利益を最優先に対応しています。

「さしじん」家具や半田の「鍛冶新鉄工」の倒産ではあべさんが解決のため奔走しました。

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2006年10月18日 (水)

「自動車関係」につられないで

今朝のNHKで都市と地方の求人の格差が紹介されていました。番組では北海道の釧路管内で高校を回る派遣会社がでていました。自動車関係で200人と言っていましたからたぶん愛知でしょう。愛知で配布されているフリーペーパーには寮付きの広告がたくさんでています。西三河、トヨタ系がたくさんあります。まさに地方からの採用をねらったもの。

寮もあるし、夜勤と残業があるので月収もそこそこ、期間も希望すれば長くいれるのがこの請負の特徴でもあります。きつい仕事でも、これだけ収入があればと思えるくらいの内容になっています。いわゆる「ワーキングプア」の感じはうけません。ここが落とし穴になっています。

一番は労働者使い捨てだということです。多くの青年はきつい仕事だけどこなしています。でも安全教育などありませんから体を痛めます。労災に加入していない業者が多く、補償もされません。TSKのK君は最初、労災による欠勤がもとで解雇を言われました。

また疲れがたまって休めば賃金はカット。病気も同じです。ところが寮費や布団のレンタル代、中には通勤費と称してマイクロバスの運賃を天引きするところもあります。これらは月額になっているため休んでもしっかりひかれます。月の途中でやめたら給料がマイナスだったという相談も受けた事があります。

「請負業」とか「アウトソーシング」とか書いてあるところの多くが「偽装請負」となっています。愛知労働局の調査ではこれら事業所の84%が違法状態でした。こういうところで青年の使い捨てが起きています。

北海道から子どもをおくる父兄や学校の先生にはぜひ注意をお願いしたい。不安なことがあったらすぐに労働相談110へ。

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2006年9月20日 (水)

トヨタ告発者報復報道

TSK(トヨタ車体精工)の告発者排除について、本日(19日)15時から、愛労連で記者会見を行いました。内容については、先行取材していた朝日(19日朝刊)に全容が報道されています。「トヨタ系労災隠し告発者、採用から除外 直接雇用転換時

今日の記者会見には朝日、毎日、読売、中日、共同の新聞各社と中京TV、東海TV、NHKがきました。

この中でNHKが23:55~のローカルニュースで会見の模様を報道しました。23:00~のラジオ放送でもやったようです。愛労連の名前はでませんでしたがトヨタ車体の企業名は放送されました。取材後も何度か確認の電話があり、企業からの聞き取りも行ったようです。企業名を出したのは私たちの提出した資料と本人の発言に記者が確信をもったからだと思います。一日の終了間際でしたが記者の追求姿勢のたまものだと思います。東海TVは、今後のために使うということで、報道はされませんでした。この両者をみてもトヨタには慎重だということを実感しました。

さて、記者会見が終わったあと、二人に話を聞いたら、「8月末で寮を追い出されたあと友人の家を転々としてきたが、今日寝るところもない」ということです。K君は8月25日に労災の認定は下りていますが休業給付が支給されるまでは一文無しです。住所がなくては仕事探しもままなりません。しかも労災で右手を治療中ですから、仕事探しにも大きな制約があります。食事をしてもらう間にあちこちに電話しましたが、急には見つからず、今日の所は労働会館の管理人室に泊まってもらう事にしました。

労災になったのはTSKの高浜工場でTSKの社員が仕事の指示をしていたときのことです。「派遣会社の問題」といいはるトヨタの対応は許せません。

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2006年9月18日 (月)

偽装請負告発した青年をトヨタ子会社が不利益扱い

偽装請負告発した青年をトヨタ子会社が不利益扱い

<記者会見のご案内>
先日愛労連に21才の青年がきました。
いま社会で大きな問題になっている派遣・請負で働く青年です。
彼はトヨタ車体の100%子会社トヨタ車体精工高浜工場で働いていましたが、労災でケガ。
これがきっかけで偽装請負が発覚しました。
8月に請負会社は破産。全員解雇と同時にトヨタ車体精工で契約社員になりました。
ところが労災を告発した彼と友人だけがこの名簿からはずされました。
彼は学校を卒業し北海道から愛知にきて働いていますが8月末の解雇と同時に寮を追い出されました。
彼はまだ労災の治療中です。治療中の解雇は違法です。
労災は請負(派遣)会社だけでなく、発注元(派遣先)企業にも責任があります。
しかしトヨタ車体精工は「当社には関係ない」とはねつけました。
告発するような労働者はいらないと言うわけです。
公益通報法では派遣の解除が禁止されています。
(偽装)請負だから「関係ない」ということが許されるでしょうか。
青年は勇気をもってこれを社会に告発することにしました。
愛労連はこの問題を愛知労働局に告発し、内閣府にも通報します。
明日、19日(火)、午後3時~愛労連会議室で記者会見を行います。
以前取材にきたTV局がトヨタ問題だとわかった後音沙汰がなくなりました。
愛知ではトヨタ問題が記事になりにくいと言われています。(A新聞の記者が驚いていました)
パロマの問題では多くのマスコミが取材にきましたが、トヨタ問題ではどれだけくるのか。
ここも関心をもってみてください。

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2006年9月12日 (火)

偽装請負・偽装派遣

愛知県には自動車関係の下請け企業が集中しています。ここで多いのが派遣・請負の求人。西三河のハローワークでは半分以上だといいます。沖縄県の求人で最大がトヨタ子会社のデンソーとアイシン、北海道、東北などからもたくさん来ています。

ここで気をつけないといけないのがブローカーの存在。寮費とか何とか費とかとられて、「あまりの重労働に何日か休んだら給料がマイナスだった」ということもあります。

ケガをしたのに労災保険に入っておらず、そこから違法な派遣が発覚したこともあります。(朝日新聞8月13日)

最近ではブラジル人や日系二世、三世に混じって「偽装日系人」も話題になっています。ここでもブローカーが暗躍します。

愛労連では先月、ブラジル人の労働組合(JMIU愛知地本、BMG分会)を結成しました。

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2005年12月23日 (金)

派遣はつらいよ

今年になって派遣や請負の相談が急増しています。

「あまりにひどいのでやめたら、給料をはらってもらえない」という電話が毎日のようにかかっています。

パターンはだいたい同じで寮にはいることを義務づけられ、高い寮費のほか食事代や経費少なくありません。月の途中でやめると、当月分をまるまる請求されます。あまりの厳しさで休んだりすると手当のカットやペナルティがあります。

某大手自動車関連企業に派遣されていた青年が1ヶ月とちょっと働いてやめたら「いろいろ引くものがあるのでマイナスだ」と言われたという電話もありました。「ごちゃごちゃいうなら追い込みかけるぞ」と言われて、会社には請求できていないようでした。

また腰が痛くなって仕事をやめたいけど、やめたら寮を追い出される。給料ももらえないし、住むところもなくなるので困るというものも。遠くからきて、帰れない方も少なくありません。

愛知県西三河地域の職安では求人の半分が派遣と請負で占められています。

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