送り出し機関を訪問

今回のツアーではベトナム政府機関、労働総同盟の他に送り出し機関と日本語学校にも行ってきました。受け入れ機関のみなさんは何度も行かれているでしょうが、日本の労働組合ではあまりないことだと思います。

ホーチミンにあるA送り出し機関はB社の海外派遣部門が別会社になったもので、若い社長でした。まだ10年以内の会社で日本の製造業派遣が解禁になるのと合わせて送り出しを増やしてきたところです。途中帰国の場合の費用返還規定もあり、帰国後に研修生とのトラブルはこれまでなかったところです。でも「日本の受け入れ機関からはとても弱い立場にある」「保証金・担保をなくすからには失踪時に受け入れ機関から請求される罰金も禁止してほしい」と言っていました。

研修生の多くはホーチミン市内から離れた地域、農村から職を求めてくる青年が多いそうです。ホテルに会いにきた元研修生もクチからバイクで2時間かけてきました。メコン川の向こうベンチャイの研修生はホーチミンから100キロ以上離れていました。日本に来る前には2ヶ月から半年、中には1年近くも日本語学校に通います。こういう離れた地域の人たちはその間、家をでてホーチミンで暮らすそうです。それだけ費用もかけて日本に研修にきています。

C日本語学校はAの近くにありました。一クラスが30人くらいで何段階かに分かれていました。みんな日本にくることを待ち望んでいました。この日本語学校は研修生のほか、日本の大学や専門学校と協定して留学も行っていました。当然ながら日本での授業料は日本人と同じですので、ベトナムではたいへんな金額になります。

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海外移住労働と貧困問題

フィリピン・ベトナム帰国後すぐに解雇問題と政府交渉があったため、海外視察のことはあまり書けませんでした。報告書は別に作成中ですが、ここにも少しずつ書こうと思います。

(1)海外移住労働について

マニラでは移住労働者の国際支援組織(ミグランテ インターナショナル)本部と国立トンド総合病院、介護士養成所、海外雇用庁を訪問した。

フィリピンは海外労働がGDPの1割を占めるほどの国策になっている。日本の農林業・鉱業に匹敵する。日本にはあまり多くないが産油国などの中東には非常に多くの国民が働きに行っている。また看護と介護では同じく英語圏であるカナダ、アメリカ、オーストラリアに多くの医師・看護師がいくため、国内の病院では極めて医師が少ない。

政府が海外労働を国策としているのは、WTO、EPA、FTA協定など経済のグローバル化の中で外貨獲得の有力手段として他にないという理由がある。国際的「格差と貧困」がその「圧力」になっている。さらに国内の利益図式がある。フィリピンでは「海外労働依存は国内産業をダメにする」「日本はフィリピンの資源と産業廃棄物処分が目的」と厳しい批判があった。フィリピンは日本と同じく社会保障費の削減が行われたため、医師や看護師が次々やめている。

海外労働にいくのは決まって貧しい層である。農村から都市に出てきても十分な仕事に就くことはできない。マニラには20万人のスラムがあった。ベトナムにはスラムはないが、都市と農村の格差はひろがっている。東南アジアの各国も多かれ少なかれ同じ状況で、「格差と貧困」が送り出し圧力になっている。

研修にしろ実習にしろ、このような送り出し国の事情を了解したうえでなければ制度がめざす諸外国との「共生」はできない。

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相談体制の整備は急務

またしても中国人研修生の悲惨な事件が発生しました。事件の内容は報道を見るしかないのですが、とても意欲的な研修生だったようですので残念でなりません。http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/133650

悲惨な事件が報道されると「奴隷労働」「研修制度廃止」議論が再燃すると思われます。それぞれ思いがある議論だと思いますが、私は相談体制の整備を求めたいと思います。

報道では団体にも相談したようですが、その直後に事件が発生しています。先日の政府交渉でもJITCOに3000件の相談があるようですが、研修生のなかには「JITCOは何もやってくれない」という声もあります。

今回の事件では、とにかく研修生の立場にたって親身に話を聞いてくれるところがあれば、もう少し違った方向に行ったのではないかと思えてしかたがありません。

今回の省令改正案では団体による相談体制の整備が掲げられていますが、JITCOのように団体からお金をもらわない公的な相談窓口やNPOなどで「研修生の立場にたった相談先」というのも必要ではないでしょうか。

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パブコメを提出

0911042 4日対政府交渉を行いました。この交渉は日本共産党の仁比議員が呼びかけたもので全労連と移住者ユニオン、福島大学の坂本先生の他、研修生の支援を行っている長崎、熊本、徳島、茨城各県労連からも参加がありました。

政府側からは法務省の入国管理調整官のほか、厚労・外務・農水・経産の各省、JITCOの専務など10名ほどが出席されました。

各県労連からはほんとうにひどい実態が次々と訴えられました。とりわけ縫製・農業への研修生派遣は産業政策とも関わる問題で各省の政策が問われました。農水の担当からは「雇用型農業を行っている北海道、茨城、愛知への派遣が多く「きちんとやっていればできる制度」だと言われました。

経産省は事業協同組合に問題が多いことを承知しているが、省に調査の権限がないことが述べられました。

私からは「あっせん機関」の問題と団体が監理を派遣会社などに委託している問題を指摘し、あっせん機関の要件を省令で定めるよう求めました。法務省からは「派遣会社は営利を目的としておりあっせん機関にはならない」と答弁がありました。この件については国際労研などの証拠を提出し、調査の上、後日報告を聞くことにしました。またベトナム訪問でも話題になった失踪時の罰金を禁止することについても意見を述べました。

これらの交渉もふまえて、本日省令案についてのパブリックコメントを提出しました。「pabucome-ai.doc」をダウンロード

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派遣会社の参入を認めるのか???

みなさんからたくさんのコメントをいただきましたが、おかげさまでD社の実習生について話し合いがまとまりました。

組合から「二人とも引き続き働けることになりました。今工場を出たところです。二人とも、とても喜んでおり、私もうれしいです」と報告がありました。だいぶこじれていたようですが、以前から組合が会社に話をしていてくれていたそうで、これが円満解決に結びついたようです。組合の努力に感謝です。

さて、入管法改正の法務省令改正論議がつまってきました。4日は関係5省(法務・厚労・外務・経産・農水)とJITCOを呼んであるそうです。質問事項をあらかじめ出すよう求められましたのでこんな点を質問しました。

(1)この3年間に摘発した団体の不正は何件で、どのようなものか

(2)改正入管法の「団体の責任と監理」に関わって

①団体の不正を監督するのはどの部署になるのか

入管の体制はどのように確保するのか

②県域を越えて全国に派遣する団体の活動をどのように監督するのか

  ③利害関係のある団体には不正の告発はできないのではないか。

(3)団体の許認可について

①以下のような団体があるが適切と言えるか

○監理の大半を派遣会社など外部に委託している団体は適正と言えるのか

○営利を目的とする派遣会社などが複数の組合を設立し、名義は団体だが監理はすべて派遣会社が行っている例。

○研修生を受け入れることのできる法人の売買が行われている例

○事業の大部分を外国人研修生受け入れ事業が占めている「専ら組合」の例。

②外国人研修生受け入れ事業を許可した行政組織は団体の事業についてどのようなチェックを行っているのか。

(4)その他

   法務省令で言う「あっせん機関」とは監理を委託された派遣会社等も含むのか

   失踪者がでた場合、受け入れ機関が送り出し機関に罰金を払う契約は不正にならないか

派遣会社の参入を容認?

団体については省令案で「要件」が定められているのに「技能実習の実施についてあっせんを行う機関」については「営利を目的とするものではない」としか省令案での定めがありません。にも関わらず指針案には「あっせん機関の適格性」として「職業安定法等に定める職業紹介事業の許可等が必要」と書いてあります。派遣会社があっせん機関として入ることを勧めているのでしょうか?

改正案についてはhttp://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1050&BID=300130033&cmbKENSU=10&rdoSEARCH1=0&txtKeyword=&rdoSEARCH2=0&rdoSEARCH3=0&rdoSEARCH4=0&cmbYERST=2009&txtMonST=10&txtDayST=1&cmbYERED=2009&txtMonED=10&txtDayED=10&chkFUSHO=0000000020&hdnParentsCLS=Pcm1050&hdnBsSort=0&hdnKsSort=&hdnDispST=1&OBJCD=&GROUP=

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来週に本省へ意見提出

改正入管法の具体化について、8日公表された法務省令改正案についてパブリックコメント提出をよびかけました。そのまま10日からフィリピン・ベトナムに行ってしまったため、このブログで取り上げてきませんでしたが、来月4日に東京に集まるよう連絡がありました。この間、団体署名も集まってきていますので持っていこうと思います。http://rodo110.cocolog-nifty.com/viet_nam/2009/10/post-53ec.html

賛同いただける方、ぜひご協力お願いします。ベトナム政府や送り出し機関と話し合ってきたことも報告しようと思います。

帰国後はたまっていた仕事をこなしているので、研修生のことは入管と労基署、組合にまかせっぱなしです。今日も明日も出張ですが昨日は労基署から8月にお願いした不払い賃金の立て替え払い手続きが完了したとの電話をいただきました。監督官に感謝です。

次の連休中には山口の大学から訪問調査にくるそうですので、いろいろ持っている資料を提供しようと思います。研究者の協力がひろがることも制度の改正に大きな力になると思います。

ブログは間隙をぬって見るようにしていますが、深夜に帰宅してからも見るようにしています。

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技能実習生の解雇について

(話し合いが行われますので当面(株)Dとします。コメントもDでお願いします)

たくさんコメントをいただきましたが、あの記事ばかりがランクアップしてしまいますので別に議論を進めたいと思います。

下記のコメントが「実習生」さんからありました。

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著者の方はもうちょっとだけ聞く耳を持っていただき、あまり断定的に話を進めることに対し注意したほうが良い気がしてます。断定は非常に危険です。解決の口をふさいでしまう場合があります。言葉の定義とか、関係する法律にある程度幅広く知識を持って進めたほうが良いです。そうしないと最終的には助けるものも助けられなくなります。

さて、「素行が悪かったり、技能向上に対する意識がない場合」労働法規だけで考えてはいけません。

何度も言いますが技能実習生は完全な労働者ではなく、研修で得とくした技術を実践の場で労働を通じて更なる技能向上を目指すていう条件で特別に与えられる査証であり、労働者ては一線を引くべきです。

解雇理由を一生懸命議論してますが、研修・技能実習の中止用件も考えていただきたいです。

例えば、制度マニュアルの中で組合と派遣機関の間には協定書が存在します。その協定書の参考例には以下の内容があります。

6条 研修生の用件

・研修生としての使命を自覚し、研修意欲が高く、かつ、全うできる者(技能実習生にも適用)

14条 研修生・技能実習生の義務の徹底

\x{2460}指導員の指示に従い、誠実な姿勢で研修・技能実習を全うすること

15条 研修・技能実習の中止

\x{2460}6条に違反したもの

\x{2461}14条に違反したもの

\x{2462}研修・技能実習の継続が不可能、不適切な場合

上記の場合は、協議の上、該当者の研修・技能実習を中止し、帰国させることができる。

このような協定が今回の事例の関係者間で存在するかわかりませんが、このようなことが単なる労働者ではないということなのです。恐らく労働組合の方、労働基準監督暑の方、労働局の方ではまだまだ理解、熟知されてないところもあると思いますが、責任持って職務にあたられるならば色々勉強して欲しい気もします。

******

さて、問題は技能実習の中止が解雇にあたることです。その場合労働法がどのように適用されるかが問題となります。

技能実習制度は入管法に基づく政省令に詳細が定められています。ご指摘のマニュアルはこれを根拠につくられていると思います。したがって上記協定のような「技能実習の中止理由」が労働契約法に定める正当な解雇の理由に該当するかどうかが問題になります。

解雇になる場合はこの協定のような「規則」に定めてあることが「必要条件」ではありますが、これだけでは「十分条件」にはなりません。「規則」に定めた上でその手続きや経過もみた上で労働法上の「解雇」の正当な理由となるか判断する必要があると思います。

入管法の実習生いうことと労働法上の労働者ということは、どちらかが優先ではなく両方とも満たされなければなりません。

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(株)Dが労働局の助言を拒否

(話し合いが行われることになりましたので当面(株)Dとします)

愛知労働局から助言指導の報告がありました。今朝一番に社長に電話して助言をされたそうです。社長の話では解雇理由はほぼ実習生が申告した内容と一致。会社は不良品の回数が一回ではないことと「指示に逆らった」と言ったそうです。0089

担当官は「普通解雇にはそれなりの条件が必要なうえ、技能実習生として雇用しているからには不良品の問題やコミュニケーションの問題でも相当な解雇理由が必要」「会社の言っている理由では技能実習生を解雇する合理的な理由に欠ける」として1時間もかけて会社を説得しましたが、会社は「弁護士にも相談した」として「裁判でもやれ」という態度だそうです。

先の「改正」で解雇が労基法から労働契約法に移ったため、労基法ではありませんが、正当な理由のない解雇が「違法」であることに変わりありません。違法を承知で解雇して「裁判でもやれ」というのは実習生の弱い立場につけこんだものです。

 P君のノートには「やちんがたかい」「ほかのかいしゃの ともだちの へや には だいどころに おゆがでます。わたしのへやの だいどころ には おゆがでない」「せきにんしゃの Iさんに おねがいのことを いったが がまんして といわれました」

「2009/9/14月曜日あさの7:45。かいしゃでIさんにわたしのあたま いっかい たたかれました。Iさんがトイレであらった手で水をかけてきました」などと書いてあります。アジア人に対する差別があるのかもしれません。

これまでも日本語のできる研修生が「生意気」「口答えをする」などの理由で何度か強制帰国にあっています。本当は外部に不正を告発する恐れがある「危険人物」と見ているようでした。労働条件だけでなく、このような問題が失踪の原因にもなってきました。

該当実習生を移動させるだけでは同じ事が繰り返されるだけです。今度の法務省令改正について本省に行く際にも事例として報告したいと思います。名古屋入管には厳しい指導を要請します。

(株)D 代表取締役社長 T

〒 481-0038
愛知県北名古屋市

下記にも紹介記事があります。http://

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Dの実習生からメール

(会社との話し合いが行われるのでDとします)

Dの実習生からメールが届きました。0130

「(愛ローレン)さん おはよございます。私 は ベトナム の Pです。私 は さいきん こまったこと が あった ので。
何回 も (愛ローレン)さん に 電話 を かけました。おじゃましました。(愛ローレン)さん が そうだん して もらったり、てつだってもらったり、どうも ありがとう ございました。日本 で 私 の 父 と 母 が いません ので、さびしい とき、 たいへん な とき だれ も おしえてくれられません。今 日本 で (愛ローレン)さん だけ 教えて てつだってくれる こと できます ので。おねがいたします。 どうも ありがとう ございます。」

不正があった場合に実習生が相談できるしくみが必要です。改正案では団体に相談窓口をもうけるようですが、組合の皆さん、はたして可能でしょうか。

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労働局に助言求める D実習生

D(話し合いが行われるということなのでDにします)のベトナム人実習生が解雇予告通知を持ってきました。ちょうど今日は名駅前の産業労働センターで愛知県が主催する「なんでも雇用労働相談会」をやっていましたので、相談にいきました。愛ローレンもつきそいました。

相談会では外国人研修生・実習生問題を解決したことのある「特別司法監督官」が親切に相談にのってくれ、いろいろアドバイスをもらいました。研修制度の改正状況についてもよく知っている方でした。

アドバイスによって、次には愛知労働局にいきました。ここでは企画室が総合労働相談を受け付けており、担当官が実習生の話を親身に聞いてくれました。解雇予告通知や就業規則と実習生のメモなどをみて解雇理由が正当なものであるか検討。解雇理由が就業規則の「勤務成績又は作業能率が著しく劣悪」とされている点について、不良品を出した回数が1回であること、作業に関わった人数、始末書の内容、研修に制服をきて行かなかったため帰された経過など詳しく聞き取ってくれました。

  Denken1 彼らは技能実習生であり「不良品を1回出した」ことが正当な解雇の理由になるのかということが一番の問題のようでした。担当官は会社に連絡してくれることになりました。

これが問題となると、今度は技能実習を受け入れる団体として適切かどうかが問題となるのではないでしょうか。その場合には研修・実習の受け入れそのものができなくなります。すでに入管の担当者にも同じ資料を渡してあります。

Denken4Denken3実習生達はこの他にも「工場長に殴られたことがある」「トイレを出てきた手の水を顔にかけられた」とも言っています。いっぽう、実習生達は「社長さんには会わせてもらえない」「社長さんはベトナムに迎えにきてくれた」と言っており社長の知らないところで進められている可能性もあります。

労働局は名古屋城の近くにありますので、帰りに名古屋城の正門までいき、能楽堂を見学しました。地下鉄にも初めて乗ったと言っていました。

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