研修中の土曜日はタダでいいのか
相談にくる研修生のなかで毎月2~3回土曜日に仕事をしており、1日8時間を超えた分については400~600円が払われましたが、土曜日の分は1円も払われていないということがよくあります。これは送り出し機関との契約書が「1日8時間、週6日、休日は会社カレンダー」となっているためです。会社にとっては安い研修手当だけで土曜日はタダで使い放題です。
昨日きたコクヤンの研修生は1年目に年間290日の出勤でした。隔週土曜日出勤で、研修手当は65,000円でした。1日が8時間で2320時間、7.5時間勤務としても2175時間。52週平均でも40時間を超えています。
研修生が週40時間をこえて週6日、土曜日に働いた場合はどういう扱いになるのでしょうか。法務省は「所定時間外、休日等に作業を行わせるなど、研修計画に記載されていない作業をさせていた場合」を「不正」の類型としています。この場合受入機関に対する処分がありますが、研修生への手当または賃金の支払いについては触れていません。
いっぽう、労働局の回答は「研修には労働法は適用されない」と残業代の支払いを指導することはありません。法務省と厚労省の谷間で不払い労働が「やり得」になっています。
しかし、労働局も研修生が休日に他の事業所で働いていた場合には賃金の不払いがあれば違反だと言っています。研修「生」が資格外活動を行った場合、不法就労であっても労働法は適用されるからです。「研修」には適用されなくても研修「生」には適用されるのです。
法務省は計画時間外の研修は認めていない訳ですから、残業は「資格外活動」です。企業に対し2倍くらいのペナルティを課さないと不正はなくなりません。
21日の朝日新聞にコクヤンの不正が大きく載りました。27日には法務省に対し対策を要請します。このとき研修中の不払いの問題についても実態を伝えてきます。
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