不正企業から失踪
先週から相談に来ているT社の実習生にビザ延長の知らせがきた。今日、名古屋入管に連れて行って90日間のビザをもらうことができた。その後名古屋JITCOに行き、新たな受け入れ先を探すためて手続きを行った。受け入れ機関がやらないので入管手数料は自分たちで払った。
彼らの話では同じ受け入れ機関=国際労研の研修生3名のうち一人が逃げたという。この受け入れ機関は春に不正裁定を受けており、8月1日に実習生へのビザ変更を認められなかった。11月1日までの出国準備ビザしか発給されていない。受け入れ機関はパスポートを預かったままで、今週初めてもうすぐ帰国を告げられた。多額の保証金を借金してきている研修生は逃げるしかない。
法務省は企業や受け入れ機関が不正処分された場合、受け入れ機関に対し新たな受け入れ先を探すよう求めている。しかし、不正を受けた企業名は公表しない。研修生たちはビザが切れるまで知ることができない。今回のようにビザ更新手続きのためといってパスポートを預かってしまえば、さらにしばらくわからない。
前にも書いたが不正処分された受け入れ機関に新たな受け入れ先をさがすメリットはない。探さなくても罰則はない。そんなことをするより、ぎりぎりまで働かせて帰国させてしまう方がよっぽど簡単だ。入管手数料だって払わなくて済む入管の指針は変わったが、これをやらせるしくみがない。
これでは不正の告発が増えるだけ失踪が増えていくことになる。政府は直ちに土日夜間の母国語相談窓口を実施し、研修生たちの相談に応える体制を整備することが求められている。
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コメント
労働条件を上げたくても上げられない企業が、日本人社員を募集しても一向に来ない。
苦肉の策として研修生を入れるが、言葉もわからないベトナム人との間で問題が発生する。それでも、普通の日本人を雇えないので渋々外国の研修生を雇う。
研修生も優秀な人材はベトナムで高い給料をもらっているので、日本に来る必要がない。
日本に来るのは母国でこつこつ働くのが嫌な人たちばかりです。特にコクヤン関連は保証金が高いのに他の派遣機関で落ちた人たちが、最後に流れ込んでくるので質が高いわけがない。
質の低い研修生と日本人も雇えない企業で問題が起きない方がおかしい。
研修生制度を廃止すればすべて解決ですが、果たして何人のベトナム人が日本にくることができるのか疑問です。
投稿: asdf | 2008年10月18日 (土) 22時52分