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2009年8月

「団体の責任」を監督する方法を

 今日は静岡県の研修生からの相談でした。受入機関は神奈川県の協同組合でした。受入企業はコンクリートの製造業のようですが、県外への派遣では本当に組合が監理できているのか疑問です。

 入管法の改正に関わる政省令改正にむけた作業が始まっているようです。先日中部経産局からも問い合わせがありました。実習の「責任及び監理」を行う団体については現行の制度・体制では実質的に対応できないと思われます。全国に展開する団体への許認可や監督の方法について抜本的な改善が必要となっています。全労連でも検討が始まったようです。愛知からは下記のような提案を行っています。

<案>

1.第一次受入団体の外国人研修生受入事業を許可制とし、所轄を厚生労働省にー元化すること。

 2008年に入国管理局が「不正行為」に認定した機関は452機関で過去最多の機関数となっています。そのうち団体監理型が98.5%を占めています。また「不正行為」に認定した第一次受入れ機関29機関のうち27機関を事業協同組合が占め、2件は公益法人で農協、商工会はいずれも0件でした。

 JITCOに在籍する団体会員は1808団体、団体傘下の企業等は24,169となっています(2007年度)。受入団体の数に比して入国管理局が行う調査は極めて限られており、不正行為認定は氷山の一角に過ぎません。

 不正のなかには送りだし機関との関係のあるものが少なくありません。不正の抑制には受入企業の監督強化も必要ですが、団体への監督強化がより重要になっています。

 現在、事業協同組合が新たに外国人研修生受入事業を行ったり、業種・事業エリアを拡大するためには「中小企業等協同組合定款変更認可申請」を行うことになっています。この届けは書類審査だけであり、拡大する対象の業種・都道府県に該当する会員企業名があれば受理されます。同一住所にいくつもの組合をつくったり同一役員や社員・親族名で複数の組合を受入団体に登録している事例も少なくありません。

認可を行った行政当局は、年に一回書類を受け取るだけで、外国人研修生受け入れ事業の実態を調査することはありません。これでは団体による不正を減らすことはできません。県内に研修生を派遣している団体の一覧すら閲覧できない状態では、団体の監督はできません。

2.団体から企業への派遣は各都道府県労働局への届け出とすること

 団体の事業エリアは各県にまたがっています。また全国に研修生を派遣する公益法人、社団法人も少なくありません。この場合、団体による監理が不十分であったり、業務委託などの形で派遣会社など営利を目的とする組織の介在がしばしば見受けられます。団体が設立認可を受けた都道府県とは離れた地域に研修生を派遣する場合、認可した当局が実態の把握をすることは困難です。

 各企業には外国人を雇用する場合届け出が必要になっています。団体についてもどの団体がどの企業に何人派遣しているか、実態を該当する都道府県労働局に届けることが必要です。

以上

 

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中華料理店で

中華料理店で働く中国人からも相談がきました。

「お店の70%の仕事が一人で任されているのに、年中無休で月10万円、給料明細なし。健康保険もない、病気のときも休まず、病院も連れていってくれない。オーナーからは『これで働かないと中国に送り返す』と言われている」

彼は研修生ではなく技術職ですので、勤務先を選ぶことができますが、ビザのこととか心配なので相談にきました。技術職でビザを取るためには雇用契約を決めておかなければなりません。転職した場合には以前の店の退職照明と新しい勤務先の雇用契約書が必要になります。

明らかな労基法違反ですから、労基署に申告すれば、退職証明がなくても入管は就労資格証明を出してくれます。彼には新しい店が見つかったらすぐに入管にいくように勧めました。

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前後1時間は不払い

土曜日に3人の研修生が相談にきました。会社は西三河のSです。

雇用契約書には労働時間は8時~17時。休憩90分で隔週土曜休みの年間休日は109日。給料は月給制で年間労働時間で平均すると最賃をクリアしています。たぶん入管にはこの契約書をだしたのだと思います。

ところがタイムカードの写しと給与明細をみると全く違います。

勤務時間はだいたい7時~18時、しかし残業代は18時を過ぎた日しかついていません。また休みの多い月は月給が減額されています。有休も2年目10日、3年目11日と書いてありますがとらせたことはありません。0119

2年目の残業代は700円で割り増しどころか最賃にも及びません。

受け入れ団体は○○kyoudoukumiaiだといいますが、どこにあるのかもわかりません。派遣会社なら労働局に行けば一覧を閲覧できますが、研修制度では団体を一元的に監督する機関がありません。今回の制度改正では必ずここを整備してほしいものです。

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オーストラリアから

昨年8月に帰国したToan君から一年ぶりに電話がありました。彼はコクヤンの不正で解雇、その後失業保険の給付や再就職などいろいろ経験させてくれました。週間金曜日で鎌田さんの取材にも協力してくれました。http://rodo110.cocolog-nifty.com/viet_nam/2008/04/post_d265.html

研修生は同じ資格では再来日できません。帰国したToan君は秋にはオーストラリアに働きにいきました。ベトナムやフィリピンではGDPの1割近くが国外からの仕送りで、外貨獲得の重要な産業です。いま経済危機で日本だけでなく韓国や台湾からの帰国も急増しています。10月のツアーではこの調査もしたいと思います。

※ツアー参加者が少ないので、希望者は連絡ください!

「オーストラリアではいま桜が咲いているので日本のことを思い出した。お元気ですか」「ずっと日本語を使ってないから、忘れてしまいそう」と話してくれました。ケイタイのメールも使えることがわかりました。YAHOOメールで資料も送ることができました。私のメールに返事が来ました。いろんなことがありましたが、彼は十分「研修」の成果をあげています。

blog o mita kedo.watasiwa petonamu kaeritai kedo jikan ga nai kara kaerenai desu .gomen ne .jikan ga attara nihon e ikimasu ne. mata ne .nani ga attara mail o site kudasai ne  OGENKI DE

From: 榑松(愛労連) <kurematsu@airoren.gr.jp>
To: Toan <   @yahoo.com>
Sent: Friday, August 21, 2009 8:07:47 PM
Subject: For
 Toan
10gatu ni HCM e ikimasu
Blog
 o mite kudasai
FIMEXCO no kensyusei no koto ga kaite arimasu
http://rodo110.cocolog-nifty.com/viet_nam/2009/08/post-fe0c.html


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フランスの研究者が来局

Photo 今日はフランスのストラスブール大学から研究者が調査にきました。彼の目的はトヨタの各工場とトヨタの部品メーカーの工場(協豊会と2次、3次と4次の下請け会社)で働いている東南アジア実習生と研修生についての研究でした。

京都大学に在籍するようです。

ー2000年代初から今まで、東南アジアからの研修生の数

彼の関心は

ーどこの会社、どんな仕事として、東南アジアの実習生の方が多いか

ー派遣社員、出稼従業員などに比べると、何が違いうか?彼らとの関係は?

 住む場所、日常生活など、状態は?

ー工場内、どんな職務があるかか(仕事の内容、危険性など)?

ー日本人の同僚とどういうふうな関係か?

ディスカッションの中では、帰国後に研修が生かされているか、どうしたら良いかなど話し合いました。私からは企業によっては機械の操作などかなりしっかりと研修させる企業もまれにはあるが、研修は名ばかりのところが多いこと。また研修生の来日理由や動機も経済的なものが多いことを説明しました。研修生のほとんどが家族への送金をしており、なかには9人家族を支えている研修生もいました。また実際に金属・機械関係では帰国しても母国には同じような設備がないこともあります。

研修生は同じ資格では日本に来ることはできません。帰国した研修生の中で一人だけですが技術者として再来日し、いまは横浜にいます。小牧のトアン君はオーストラリアに出稼ぎに行っています。

プジョーとトヨタの比較、トヨタフランス工場でのストライキなど興味ある話もきけました。これまでにもトヨタの研究や外国人研修制度については、かなり詳しく調査をしているよでした。日本語も上手です。

P.S. これを書いていたら、突然オーストラリアのトアン君から電話がかかってきました。ケイタイにYahooのメルアドを送ってもらいましたので、これから返事を書きます。びっくりしました。

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未払い賃金支払い求め提訴

本日、福島の県南繊維協同組合・東栄衣料を裁判所に提訴しました。この模様は地元のNHKでも放映されました。http://www.nhk.or.jp/fukushima/lnews/02.html

090820 動画も見れます。福島中央テレビ(→写真)http://www.fct.co.jp/news/#200908204181753

福島大の坂本先生や福島県労連などが支援組織をつくり、厚労省交渉も実現。倒産に伴う立て替え払いも2週間という短期間で支払われたそうです。

中島村にある縫製会社がベトナム人実習生の賃金の一部を支払っていないとされる問題で実習生側が未払いの賃金や慰謝料などの支払いを求める訴えを20日裁判所に起こしました。

訴えを起こしたのは中島村にある縫製会社「東栄衣料」が国の技能実習制度を使って受け入れていたベトナム人8人です。

訴えによりますと8人は東栄衣料の中島村と浅川町にある工場で3年間働きましたが、強制的に長時間労働させられたのに残業代が支払われず、体調を崩す者もいたとして会社側に対して未払いの賃金と慰謝料などとしてあわせて5300万円余りを支払うよう求めています。

20日県庁で記者会見した実習生のひとりは「3年間、お金もほとんどもらえずに、休みもなしで働きました。日本語を勉強する時間もなく、とてもたいへんでした」と話していました。

東栄衣料は先月、経営破たんし、経営者の家族はNHKの取材に対して「未払いの賃金の支払いが行えなくなった」と答えていますが、その後、経営者側とは連絡が取れなくなっています。(NHK福島8/20)

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労働基準監督署から指導、全国で1890社

Photo 「厚生労働省によりますと、外国人実習生を違法に働かせているとして、去年、労働基準監督署から指導を受けた企業は、全国で1890社に上りました。これはおととしに続いて2年連続で過去最悪の水準で、平成16年の3.7倍に達しています。」(NHKニュース816 136http://www3.nhk.or.jp/news/k10014928671000.html

「nhk090816.doc」をダウンロード

厚労省の資料はhttp://www.mhlw.go.jp/za/0807/d11/d11.html

愛労連への昨年の相談は60件です。そのほとんどは話し合い解決ですので、労基署への告発は数件しかありません。全国で、こんなにも労基署の指導がされているとは、ちょっと驚きです。ほんとにすごい数です。

この指導には1年目の不払い残業など、研修生については入っていませんので、入管の摘発を加えるともう少し増えると思います。また、団体については労基法での指導がされないため、ここには入りません。

入管法法改正により、実習についても団体の責任が明記されました。実習期間の労基法違反について団体の責任が問われるように政省令の改正が必要です。

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二か月も賃金未払い

お盆休みになって二組の相談がありました。

一組は以前先輩が相談にきたF工業。帰国直前です。「給与明細にわからないところがある」と言っていましたが、残業も深夜割増もきちんと計算されていました。有給休暇をとっていないようでしたので、帰国前に消化できるよう組合に連絡しました。

もう一組は小牧のS製作所。年明けから仕事が減り、残業は全くなくなっていました。ところが5月末を最後に全く給料が払われなくなりました。しごとはというと、6月も7月も月から金の週5日、毎日働いています。8月も昨日まで平日は毎日仕事でした。

社長は「金がない」と言って、いつ払うかも言いいません。他の会社に行くにも、いまの状況ではそう簡単に見つかりそうにありません。ここでは2年半の実習生3人と、まだ8ヶ月の研修生3人が働いています。

どうしょうもなさそうなので、本日、労基署に賃金不払いの違反で申告をおこないました。

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中国人研修生も登場

2 愛知県の紡績工場で働いていた女工さん達のたたかいを描いた映画「明日へ紡ぎ続けて」が完成しました。秋には県内各地で上映会が開催されます。50年前の少女達がストライキに立ち上がる姿と現代の反貧困、外国人研修生の問題を重ね合わせて、たたかいの糸を紡ぎ続けている映画です。

2月に愛知で開催された反貧困ネットの「派遣切り抗議集会」のデモも模様や、熊本で裁判闘争を続ける中国人研修生、下請単価引き上げを要求するトヨタ総行動など現代のたたかいがたくさん紹介されています。

県下での上映予定をお知らせします。入場チケットは愛労連にもあります。Yotei_2 (下記日程をクリック)

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2年で約100件

Photo_2 一昨年5月のトヨタ関連での事件から始まった外国人研修生の相談は今年7月までに103件となりました。愛労連の定期大会を期に、ここまでの相談事例を整理しました。

今年に入ってからの相談件数は7ヶ月で33件ですが、少しずつ減っています。内容的には昨年秋からコクヤン関連の不正処分が続き、そこに年末からの自動車不況で早期帰国が重なってきています。不正処分で企業移動が必要になっても、ほとんど行き先が見つからないのが実情です。年明けからでは不正はなくても早期帰国となった相談が1/3をしめています。

「改正指針」が徹底されてくるなかで強制貯金やパスポート取り上げといった相談は最近ではほとんど無くなってきています。

帰国間際の相談が多いため、1年目の残業代や土曜日に無給で働かされたという相談は相変わらずです。

減産で休業や早期帰国の相談、いわゆる「研修生切り」が多いのですが、一ヶ月前の解雇予告だけで済ませる企業が少なくありません。

技能実習生は「有期雇用労働者」と同じ扱いになりますので「使用者は、有期労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができないこと(契約法第17条第1項)。」が適用されます。やむを得ないというのは「整理解雇の4用件」を満たす必要があり、実習生を優先して解雇することは出来ません。このあたりを知らない経営者や組合が多いと感じます。

また急に早期帰国を通告するため有給休暇の消化ができない場合もあります。この場合「取得できなかった有休を買い取ることは違法ではない」と説明しています。

愛知の場合、ほとんどの組合がスムーズな話し合い解決をしてくれていますので助かりますが、中には脅されて泣きながら取り下げた中国人もいました。

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各県でも研修生支援

Photo 7/31-8/1と全労連の臨時大会が開催されましたが、今年の大会では外国人研修生支援の取り組みが広がっていました。昨年は熊本の実習生が代議員として参加しましたが、今年はさらに山口、岡山、福島などの各県でも裁判や労働審判が行われていました。

愛労連では裁判でなく、みなさん話し合いに応じてくれていますのでなんとかなっていますが、県内でもなかなか話し合いが難航して裁判という事件もあるようです。

今日は中小企業家同友会との懇談を行いましたが、ここでも研修生・実習生の話題がでました。

入管法改正に伴う政省令の改正が検討されています。この制度がきちんと運営され、営利を目的とする組織の介在ができないような仕組みを一日も早く確立してほしいと思います。

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