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海外移住労働と貧困問題

フィリピン・ベトナム帰国後すぐに解雇問題と政府交渉があったため、海外視察のことはあまり書けませんでした。報告書は別に作成中ですが、ここにも少しずつ書こうと思います。

(1)海外移住労働について

マニラでは移住労働者の国際支援組織(ミグランテ インターナショナル)本部と国立トンド総合病院、介護士養成所、海外雇用庁を訪問した。

フィリピンは海外労働がGDPの1割を占めるほどの国策になっている。日本の農林業・鉱業に匹敵する。日本にはあまり多くないが産油国などの中東には非常に多くの国民が働きに行っている。また看護と介護では同じく英語圏であるカナダ、アメリカ、オーストラリアに多くの医師・看護師がいくため、国内の病院では極めて医師が少ない。

政府が海外労働を国策としているのは、WTO、EPA、FTA協定など経済のグローバル化の中で外貨獲得の有力手段として他にないという理由がある。国際的「格差と貧困」がその「圧力」になっている。さらに国内の利益図式がある。フィリピンでは「海外労働依存は国内産業をダメにする」「日本はフィリピンの資源と産業廃棄物処分が目的」と厳しい批判があった。フィリピンは日本と同じく社会保障費の削減が行われたため、医師や看護師が次々やめている。

海外労働にいくのは決まって貧しい層である。農村から都市に出てきても十分な仕事に就くことはできない。マニラには20万人のスラムがあった。ベトナムにはスラムはないが、都市と農村の格差はひろがっている。東南アジアの各国も多かれ少なかれ同じ状況で、「格差と貧困」が送り出し圧力になっている。

研修にしろ実習にしろ、このような送り出し国の事情を了解したうえでなければ制度がめざす諸外国との「共生」はできない。

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