« 組合に相談すれば必ず助けてくれる? | トップページ | 派遣会社への委託は »

改正省令についての意見(1)

改正省令についての意見をまとめています。三回くらいにわけて書きたいと思います。意見があればコメントください。

今回の改正省令は「研修生・技能実習生の法的保護,その法的地位の安定化を図るために行われ」、技能実習前に実習生への保護についての講習を義務づけ、人権侵害・労働法令違反も「外国人の技能実習に係る不正行為」とするなど大きな改善が期待できる改正となっている。

とくに全実習期間を労働関係法令の適用としたことで、実習企業の労基法違反についてはかなりの程度改善されるのではないかと思われる。

しかし一方で、団体に関する基準には抜け穴が残り、団体への監督は実効性に欠けるものとなっている。これまでの事例では団体が不正に関与していた場合には実習生から不正について相談したり告発することはたいへん困難であり、不正を温存しかねない。

 3点について事例も含めて問題と感じることを指摘したい。

(1)

監理団体の体制等の整備について

団体の職員について団体要件省令では「実習計画を・・策定する能力のある者」についてのみ規定されている。この職員について省令案では当初「常勤職員」とされていたが修正された省令では「役員又は職員(当該団体の監理の下で技能実習を実施する実習実施機関の経営者又は職員を除く。次号において同じ。)」となっている。この「職員」についてパブリックコメントについての考え方(以下「考え方」)では「非常勤でもよい」と説明されている。また指針案にあった監理団体の「常勤職員の人数の目安」について「業務量に応じた常勤職員」と変更され、具体的な数字は削除されている(団体要件省令第一条七)。この理由につい「考え方」では「傘下の実習実施機関数が少なく,常勤職員を配置しなくても適正な技能実習計画を策定できることがある」と説明している。

省令では実習機関への指導についても「職員」としており、「常勤職員」でならなければならないとする記述はない。

しかしこれにより営利を目的とする会社が自社の社員を団体の非常勤役職員としておけば、実質的に技能実習制度に関わることが可能となる。しかも非常勤職員であれば法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第一号ロに掲げる活動十六(以下「活動十六」)に定める「不正」に関わっても団体が処分を受けることはない。

事例として派遣会社Kの場合、顧客企業を組合員として複数の協同組合を設立してKの役職員が団体の役員になっている。現在は複数の組合から委託される形で、K海外事業部が丸ごと監理を行っている。監理を丸ごと委託することは「名目のみ監理団体となり」不正となるが,社員を非常勤役職員として送り込んでしまえば実習計画作成も監理もできるのではないか。

「名目のみ監理団体」について、「考え方」では「今般の制度改正により団体の体制の強化が図られ,適正化が進むものと考えます」と答えているが、常勤職員の体制を規定しなければ不適正な団体を見逃すことになる。

団体要件省令第一条七号に常勤体制を追加し、そのうえで不正行為を定める「活動十六」の「表ヲ」に七号を追加すべきである。

|

« 組合に相談すれば必ず助けてくれる? | トップページ | 派遣会社への委託は »

外国人研修生」カテゴリの記事

コメント

監理団体の職員です。

うちは組合員の中で、リーダー的存在の社長の一人が運営している組合です。監理する団体を自分たちで作ってしまったのだから、もちろん自分たちに都合のよいやり方ができます。
残業は命令しなければ残業にならない→実習生が勝手にやっていることに給料を払う必要はない。それではかわいそうだから、いくらか他の名目で手当てを出す・・・・。
「携帯電話は持ちません」こんな確約書にサインさせ、日付は入国前の日付を書く。自発的に約束することだから問題ないし、国外で勝手に約束したことは問題にならない。こんな言い分が通るのでしょうか??


投稿: 暁 | 2010年9月19日 (日) 10時25分

暁さん
貴重な情報ありがとうございます。
本国での契約があっても
日本に来てから実行されれば不正行為となります。
残業は命令しなければ残業にならない>労基法違反です。
自発的に約束することだから>入管では通用しません。
携帯電話の禁止は「不適切な管理」とされています。

投稿: 愛ローレン | 2010年9月20日 (月) 16時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 改正省令についての意見(1):

« 組合に相談すれば必ず助けてくれる? | トップページ | 派遣会社への委託は »