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日弁連の提言について

明日、開催される日弁連の外国人実習制度に関するシンポジウムから案内をいただきましたので行こうと思います。また6月1日から開催されているILO総会でも日本案件として29号条約(強制労働)で研修生問題が事前リストに入っており、来週にも討議が想定されています。

日弁連の提言は、制度改正後も相変わらず多い労基法違反に加え、引き続きパスポート・通帳取り上げ、強制帰国など人権問題が続くなかでは提言事態は「適切」だと思います。

その上で、百数十件の相談をうけ、各受け入れ企業の実態を知っている愛労連としては何か足りないものを感じていました。

実際に働かせているのは二次の受け入れ企業ですし、これまでの制度上は裁判で団体の責任を問うことは難しかったため、人権上も金銭上も受け入れ企業の責任を追及する案件がほとんどでした。

受け入れ企業の責任は当然ですし、有色外国人に対する差別は許すことはできませんが、これが産業・業界として起きてきたことから見ると制度としての問題、産業構造のなかでの下請け問題を抜きに論じることは片手落ちだと思います。(批判は承知のうえですが)、制度としてあるものを、業界全体として悪いこととわかっていながら行っていた受け入れ企業もあります。制度上の最低限は守り、さらに寮の手配や家庭的なつながりも大切にしてきた会社も少なくありません。パスポート・通帳の管理も組合言いなりでやってきた会社もあります。ましてや二重契約、強制帰国などは二次の受け入れ企業が勝手にできるわけがありません。

団体の中にも細々と、受け入れ企業の立場にたってやってきたところもありますが、一方でもっぱら研修生受け入れ事業で荒稼ぎしている団体や公益法人や営利目的の派遣会社が偽装で組合をつくっているがあります。この制度には団体が本来の業務として認可されている官庁からの監督・規制で大きな欠陥があります。今回の改正でもほとんど手がついていません。

また、この制度は労基法で禁止されている中間搾取(何人も、法律に基づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない・労働基準法6条)

の例外と同じ性格のものです。偽装請負・偽装派遣が起きた時期に急増したことからも、実態として同じものだということは明らかです。そのため愛ローレンはもっぱら業として研修制度で稼いでいる大手の団体、とりわけ公益法人と団体を告発してきました。

日弁連の提言は、「人権」を基本にしているため、産業構造や労働問題としての側面にはあまりふれていません。団体の問題についてはほとんど触れていませんし、裁判事例も多くありません。

研修・実習制度を廃止しても、形を変えて派遣・請負・職業紹介などの外国人を対象にする「中間搾取」が合法化されるだけでは解決につながりません。実際にも額面上は18万円の賃金で契約する「エンジニア」が研修生・実習生と同じ業者の部屋に押し込まれ、高額の寮費を取られており、告発したら強制帰国の契約を結んでいる場合もあります。建前上は本人の同意ですから、入管に駆け込むことすらできません。

見方によっては実習生の方が、より細かい制度で規制されているという見方もできます。問題は団体の監督機関がないことだと思います。

ILO総会には全労連も参加します。あまり時間がないのですが、みなさんからのご意見も頂きたいと思います。

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