組合の事務所は介護施設だった
先の告発について法務省は(株)ITCとセントラル事業協同組合をよんで事情を聞いたといいました。それによると入管手続きも不正についての精算も、帰国チケットの手配もすべてセントラルが(株)ITCに委託したものであり、組合はそれを適正に監査していたから問題はないという見解でした。しかし、これでは「指針」に掲げる
「団体が名目のみ監理団体となり, 実際の「監理」は他の機関が行うような場合は,当該技能実習は監理団体の「責任及び監理」の下に行われているとは認められず,不適正な受入れとなります。」というのは全く意味がありません。
事業協同組合の事務所は介護施設
そこでセントラル事業協同組合を調べてみると、組合の所在地とされる小牧市のマンションの部屋は介護施設になっていました。経営者はセントラルの唯一の役員であるM氏でした。M氏がセントラルの代表理事になった時期とここに介護事業所を開設したのは同じ2009年2月からです。事件は2011年ですので、すでに介護施設になっています。入管がこの現場をみれば団体の監理実態がないことは一目瞭然です。
入管は実態を知っていたはず
愛労連がITCを告発したのは実習生が帰国後、1月にベトナムから「寮の清掃費18万円を払わなければ保証金を返さないと言われた」と連絡を受けてからです。しかし、これより前の12月に不払い賃金を名古屋入管に報告した際に入管は実習生とセントラルを呼んでいます。実習生はセントラルの役員とは初対面であること、ベトナムに来たのは(株)ITCの武田社長であると言っていました。私は統括にこのことを話しましたし、入管はITCを呼び出さない理由を「ブローカーはあってはならない組織だが、罰則がないのから」と説明しました。
告発の二日前に退任
武田氏は(株)ITCと同じ住所にある協同組合JBの代表理事でもあります。(株)ITCの登記簿をみると武田社長は愛労連が正式に告発した2012年1月25日の二日前に役員を退任し、所在地も岐阜県に変更されていました。現在(株)ITCの役員には武田氏が元職であった岐阜県の県会議員やその関係者が名をつらねています。
「技能実習生の入国・在留管理に関する指針」より
(2) 監理団体の役割
団体監理型の受入れにおいては, 技能実習は「監理団体」の「責任及び監理」の下に行われます。監理団体とは,技能実習生の技能等を修得する活動の監理を行う営利を目的としない団体をいい,団体要件省令の要件を満たしたものが該当します。
入管法上,監理団体には,技能実習生を受け入れて知識を修得させるとともに,技能実習を監理(「技能実習1号ロ」については監理団体自ら策定した技能実習計画に基づいて技能実習を監理)することが求められています。
① 「監理」の在り方
技能実習制度における「監理」とは,技能実習生を受け入れる団体が,技能実習を実施する各企業等において,技能実習計画に基づいて適正に技能実習が実施されているか否かについて,その実施状況を確認し,適正な実施について企業等を指導することを言います。
そして, 団体監理型の技能実習は, 商工会, 中小企業団体等の「責任及び監理」の下で技能実習を実施することにより,中小の企業等の実習実施能力を補完して,適正な技能実習を実施するものです。
したがって, これらの団体が名目のみ監理団体となり, 実際の「監理」は他の機関が行うような場合は,当該技能実習は監理団体の「責任及び監理」の下に行われているとは認められず,不適正な受入れとなります。
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