実習生頼みでなく抜本的な制度改正を
東北の被災地で復興が進むなか水産業で人手不足が広がっています。いっぽうオリンピックでなど急激な公共事業のラッシュで被災地の住宅建設が人手不足に陥っている(中日3/7)。そこで急きょ出てきたのが安い外国人実習生を増やすための制度改正です。
実習制度を自ら否定
法務省の「指針」では「技能実習生を安価な労働力と考えている実習実施機関や送出し機関が技能実習制度に参入することを防がなければなりません。」としています。さらに「監理団体が,技能実習生の受入れは労働力不足の解消につながるなどと広告して,実習実施機関を『募集』することは,本制度の趣旨を理解しないものであり不適正」とはっきり書いてあります。
一方、制度改正を求める国交省は「建設産業の担い手不足については・・・③建設産業の処遇改善が進んでいないことなどから、若者が入職を避けるようになっている」としてこの解消のために外国人技能実習生等の活用を図る」として「安価な労働力」「労働力不足の解消」がその目的であるとしています。
抜本的な対策、制度改正を
国は昨年4月から公共工事の設計労務単価(人件費)を15%引き上げましたが、現場の労賃はほとんど上がっていません。かつての半額にまで下がったままです。除染作業でも同様のことが起きています。他にも重機のレンタル料や資材の高騰もありますが、人手不足の大きな原因は10年以上にわたる建設不況で職人そのものが不足していることです。外国人実習生の拡大はますます低賃金化を拡大しかねません。
外国人実習制度は今でも不正などの問題が多い制度です。これを下請け構造の複雑な建設業で拡大すれば、ますます問題が多くなります。これは朝日社説(1/29)が指摘するように「安直すぎ」ます。ピンハネを許さない抜本的な制度改正が必要です。
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