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名古屋入管にブローカー問題で質問書

 

政府は「人手不足解消のため、受入拡大」(中日8/5)のため2015年中にも技能実習制度の改正を行うとしています。そのなかで「企業などに対する監督、指導を強化するため、立ち入り調査権限のある新たな機関を創設する」(〃)方針を明らかにしています。

 

愛知県には技能実習生への支援組織が情報を交流していますが、なかでも受入団体が不正に関与している場合には実習生が不正を告発するのが困難だというのが共通意見です。

 

愛労連はこれまでもいくつかの団体の不正を告発してきましたが、団体への監督機関設置とブローカーの排除が必要なことを訴えてきました。20121月には大量の証拠をつけて名古屋入管に派遣会社による不正を告発しました。しかし、名古屋入管は「事実の認定が違う」とのいうのみで、受入団体や派遣会社への処分は行われていません。このようなことでは「新機関」にも期待はできません。本日愛労連は名古屋入管に対して説明を求める文書を提出しました。

 

名古屋入国管理局長殿

201487

名古屋市熱田区沢下町9-7労働会館東館3F

愛知県労働組合総連合

議 長  榑松 佐一

2012125日及び201442日の申告について事実認定についての質問

 

 貴職に置かれましては、ひごろ外国人技能実習制度の適正な運営のご努力に敬意を表します。

 さてこの間二回申告した()ITCの不正について、先月725日に法務省に伺った際にも事実認定に違いがあるとのことでした。また62日に問い合わせたセントラル事業協同組合の現事務所についても「事務所として職員も常駐している」との説明があったと聞きました。そこで当方が申告した内容と当局の事実認定にどこが違うのかお聞きしたいと思います。端的にお答え下さい。

 

(1)派遣会社()ITC武田規男氏によるベトナムでの実習生への説明はどういう契約でおこなわれのか。

名古屋入管に出頭したベトナム人元実習生NGUYEN THI HUONG(フン)さんら6人は、本国から「武田社長につれて来られた」と言っています。

 

                           

 

(2)()ITCビルでの講習と宿泊はどういう委託契約に基づくものかNec_0657


HUONGさんらは入国後()ITCビル(中区正木)の寮(→)に宿泊し、一週間の講習でときわ食品に移されたと言っていました。

 

(3)ときわ食品での日常監理は()ITCのド・マイン・フ氏が担当していたが、これはどういう委託契約によるものか。

 HUONGさんらは、セントラル協同組合の日本人とは会ったことがなく、2011127日に名古屋入管に呼ばれた時に初めて会ったという。

 

 

4)勤務時間について監理はだれがしていたのか

()ITCが実習生に渡した「問答集」には勤務時間が8:0017:00になっているが実際には弁当のセットのため6:0013:0014:00の勤務であった。これについて()ITCの担当は知っていたが、委託元のセントラル協同組合は承知していたのか。

 

(5)セントラル協同組合の実態はあったのか

 

愛労連が201111月にセントラル協同組合に申しいれした小牧市の事務所(小牧市小牧3丁目53番地ルージュ小牧アルデール1F2号室)は介護事業所となっておりセントラルの役職員はいなかった。同所は2009年から小牧市に介護事業所として登録されていた。この事件の直後に同組合は名古屋市中区正木4-10-15杉本ビルに転居したが、電話番号は小牧市のままで、翌年116日に小牧のFAX番号で送付したが届いたのは介護事業所が受け取ったためと思われる。

 必要な監理体制、委託に係わる契約書など実態を証明するものを調べたのか。

 

(6)()ITCの武田氏はセントラル事業協同組合の役員だったのか

 2011125日に武田社長が愛労連に電話をかけてきたが、その際に武田氏は「セントラル事業協同組合の専務」を名のった。同日武田氏はときわ食品にきてHUONGさんを129日に帰国させると言いました。

 登記簿をみると当時セントラルの役員はさくら介護事業所の代表者三島豊和氏であり告発後の2012228日に辞任するまで役員は一人で武田氏の名前はない。

いっぽうで武田氏は2012122日に辞任するまで、セントラルが「日常監理を委託をしていた」という()ITCの代表取締役についていた。()ITCは同年124日に住所を岐阜県関市に移転しているが、武田氏辞任のあと同じく岐阜一般労組の顧問をしている林幸廣氏(岐阜県議)が着任している。

 なお、武田氏は()ITCと同じ場所にある協同組合JBの代表者を2012531日に退任したが、なぜか翌年2013529日に再任している。

 

(7) 帰国旅券手配も委託のうちか

 HUONGさんの帰国旅券は125日に()ITCが申し込んでいます。セントラルは入国、帰国旅券手配も()ITCに委託しているのか

 

(8)なぜ岐阜一般労働組合が回答してくるのか

126日、岐阜一般労働組合からFAXで、ときわ食品の案件については「当組合が責任をもって解決するということになる」として通告してきました。そのなかに「フン(HUONG)さんの帰国につきましては、確認したところJITCOから会社、組合に連絡があって、JITCO同席のもとで本人に確認をしたところ帰国希望であった」とされています。しかしJITCOはこのことを否定しました。

岐阜一般は武田氏が岐阜県議時代に顧問をしていた労働組合です。岩田氏の電話では武田社長から「セントラルの実習生は岐阜一般にまかせてほしい」と言われたとのことです。しかし、技能実習制度に直接関係のないものが介入するのは不適切ではないか。

 

(9)受入企業による不正の精算処理も委託できるのか

12年の125()ITC武田社長がときわ食品を訪問して実習生と話し合い、HUONGさんの帰国を決めたが、彼女らは愛労連に相談の上これを拒否して「合法的な権利を十分に受け取って帰る」との書類にセントラルの印をおさせました。

 その後ときわ食品は罰金や不払い残賃金の支払い計算書を()ITCの泉野氏に送っている。これらに不正是正こそ監理団体が行う重要な任務であるはずなのに、これも派遣会社に委託していいのか

 

(10)帰国後の清掃代請求に組合はどう対応したのか

 HUONGさんたちは未払い賃金を受け取って2011年末に帰国したが、翌年116日にベトナムから「保証金を返してもらえない」と電話が入った。ベトナムからのFAXをみると寮の退去に係わる清掃代として18万円の見積書が送られてきて、これを払わないと保証金を返さないという。

 これについては直ちに名古屋入管に連絡したところ織田統括(当時)から「請求するものがあれば国内にいるうちに精算しておくことが必要」と説明があり、その後「保証金を返してもらった」との連絡がはいった。

 受入企業であるときわ食品は送り出し機関と直接接触することはできないはずで有り、この請求にはセントラル若しくは()ITCが係わっていたはずであるが実態はどうか。

 

(11)セントラル事業協同組合の事務所は実態があるのか

 6月にも情報提供したが、依然としていつ言っても不在で、看板が立てかけてあるだけである。ガスも契約がきれたままである。この数ヶ月間毎日見てもらっているが窓のブラインドが空いたことはない。ビルの管理会社(杉本ビル)に問い合わせたら「日中はお見えにならないようです」と言っていた。

名古屋入管は「書類もあり、事務員もいる」「ガスはないが電気コンロはある」とのことだが本当に常駐しているのか。臨検までしなくても電気代を見るだけでもわかることではないか。

添付資料
「itcsiryo2.pdf」をダウンロード

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