建設外国人労働者問題のパブコメ
【定めようとする命令等の題名】
「外国人建設就労者受入事業に関するガイドライン」
案の公示日 : 2014年09月11日
意見・情報受付締切日: 2014年09月24日
愛労連は急きょ下記の意見を提出しました。(要点)
「(5)暴力団員等の関与がないこと」について →建設業界においては不正な派遣、紹介、あっせんが横行していることからして①~③の要件に下記を加える必要がある。 ④暴力団員等が関与する組織に派遣・紹介・あっせんなどの委託をしないもの 「(7)適切に指導及び監督を行うことができる体制、監査を含む監理のための人員の確保」 →受け入れ企業の作業現場が県域を越える場合には、1県につき常勤職員を1名確保すること。 (9)監理に要する費用の徴収 →名古屋での事例では母国でのあっせんを派遣会社に委託したり、派遣会社の社員を団体の非常勤職員としてあっせん業務をさせている場合がある。無料職業紹介の趣旨から派遣会社など営利を目的とする組織へのあっせん委託は禁止すべきである。 (1)受入建設企業となろうとする者の要件 →①から③はあたりまえすぎてとても「優良な受入建設企業」の認定要件としては低すぎる。とくに③の「過去5年間に労働基準関係法令違反により罰金以上の刑に処せられたことがない」ではなく、「優良」というからには労働基準監督署から「指導票」もしくは「是正勧告書」、「命令書」を受けていないこととすべきです。建設現場では労災、とくに転落事故が多発しており外国人技能実習制度でも建設での労災が多発しており、「罰金以上」では緩すぎます。 (4)報酬予定額 「同等の技能を有する日本人が従事する場合の報酬と同等額以上であること →毎月の報酬に加えて一ヶ月をこえて支払われるボーナス、手当、退職金等についても均等待遇を明示すべきである。 第8章 建設特定活動 1 建設特定活動の実施(特定監理団体) 「(1)受入建設企業に対する監査、指導及び監督」について →建設業界には重層的下請け構造がある。下請け企業や派遣会社に「監理」を業務委託することや、下請け企業や派遣会社の社員を団体の「非常勤職員」として監理をさせることが想定される。先の省令についてのパブコメで国交省は「特定監理団体は、外国人の受入れ又は就労に係る不正行為を行った場合に特定監理団体としての認定を取り消される等、他者への委託の有無に関わらず、本告示に定められた業務を適正に行うことが求められます。」と回答したが、委託や非常勤職員としての受入を認めていては、建設業で横行するピンハネは避けられない。監理の業務委託と営利企業からの出向非常勤職員による監理は禁止すべきである。 (3)「定期的な就労状況の確認等」について 「特定監理団体は、3月につき1回以上行われる受入建設企業への監査のほかに、適正監理計画に沿った建設特定活動が実施されているか、定期的に外国人建設就労者の就労状況を確認することに努める必要があります。」 →努力義務ではなくて「確認すること」とすべきである。 (4)「相談体制の構築」について →外国人技能実習制度においては監理団体が承知のうえでの不正や団体に相談して強制帰国される事件が少なくない。また、JITCOは事前に連絡をしたうえで企業を訪問するため、証拠を隠されたり、相談したことをもって強制帰国されそうになった事例もある。そのため国交省が直接責任をもって、母国語で相談を受け付ける体制が必要である。 3 建設特定活動の実施が不可能となった場合の措置 →不正の多くは団体も承知して行われ、強制帰国も行われている。帰国させられてしまってからでは不正の告発はきわめて困難になる。従って国交省への報告は該当者の帰国前とすべきである。また不正を告発した場合に送り出し機関に影響力をもつ監理団体が帰国後に報復することもあるので団体を変更しての受入が可能となるようにすべきである。 第11章 不正行為 3 告示別表第2に掲げる不正行為 →不正行為を行った特定監理団体、受入企業には認定を取り消される等の罰則があるが、⑧の「名義を借りた機関」と「営利を目的とするあっせん機関」に対してはどのような罰則があるのか。 第13章 制度推進事業実施機関 →「制度推進事業実施機関」がどのような構成と権限を持つものかは不明であるが、少なくともJITCOの「巡回指導」のように事前に連絡のうえで訪問するようでは不正を発見することはできない。「制度推進事業実施機関」に立入検査権限を持たせる必要がある。 全文は
また④アの「労働関係法令の遵守」においても、労災事故は現場での管理がもっとも重要になります。先の省令へのパブコメで「労働災害、とりわけ転落事故防止のための母国語での注意を徹底すること」について国交省の回答は「本緊急措置は、技能実習修了者を対象としていることから、一定の日本語能力を有しているものと考えておりますが、受入企業が雇用者を決定するにあたり、受入企業側のニーズとしても、面接等を通じて、日本語能力を含め、受入企業における円滑な活動や安全環境の確保が可能かといった観点も踏まえて、判断がなされるものと考えます。また、安全衛生に係る事項についても、今後定めることとなるガイドラインにおいて規定することを予定しております」とされています。労災事故は予期せぬ事態で発生するものが大半であり、指導員には母国語での注意指導ができる体制が不可欠です。
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