法務省と厚労省に意見書
愛労連は今国会に提出さている入管法改正案と技能実習制度についての新法について意見書を提出しました。
「出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案」に対する意見書
(1)罰則の強化および在留資格取り消し事由の拡充への反対 現行の入管法73条の2には不法就労活動をあっせんした者に対する罰則が規定されている。しかし実際に不法就労助長罪で罰せられた日本人は極めて少ない。いま必要なことは「改正」による罰則強化ではなく73条2に定める不法就労助長にたいする実効ある取り締まりの強化である。仮に在留資格取得・変更に問題があるとしても、今日、外国人に対して「罰則の強化」は必要ない。 直ちに資格を取り消されれば国内滞在そのものが不法残留となる。不正の告発はますます困難となり、不法な労働をがまんするか失踪せざるを得なくなる。この点から「在留資格取り消し事由の拡充」はすべきでない。 (2)あらたな在留資格「介護」の新設に対する疑問 「改正案」で新設する介護資格は「介護の指導」とは名ばかりで、実際には言葉も不便な外国人実習生を「監理」するために、外国人介護福祉士を通訳も兼ねた指導者として安上がりに使うのではないかという疑問がある。 「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」案に対する意見書 (1)法律に明記したことは極めて重要である
(2)疑問点 以上、監理団体と受入企業に対する規定では多くの改善点があるいっぽう、これまでの経験からは下記のような疑問点がある。 ①「名義貸しの禁止」について ②「非常勤役職員」による監理 派遣先が都道府県をまたいで広域となる場合には事業を行う都道府県ごとに常勤の監理責任者を義務づけるのか非常勤職員でもかまわないのか。 (3)「第三章外国人技能実習機構」について ①機構の体制と権限は ②さらなる業務の委託と委託先に問題はないか (4)国の体制拡充が必要 受入企業(実習実施実施者)への監督は「機構」(十三条関係)、第一次受入機関(監理団体)への監督は労働基準監督官、漁業は船員労務官(三十五条関係)となっている。 言葉の問題も含めて、労基署が対応できるよう体制の拡充や外国人実習生が申告するための手引きや受付体制が必要になる。
(5)果たして「新法」は必要なのか
このように「新法」では数百人の体制で「機構」をつくり、数多くの監理団体を監督することになる。その費用は決して少なくないし、受入人数に制限のない制度のため、今後もさらに拡大することも考えられる。このような大がかりな監督体制と監理団体が必要となるのは、単純労働の受入を否定し「技能移転」の建前を残していることが大きな理由である。
しかし実際には「人手不足解消」をうたった実習企業の募集の広告がネットにあふれており、その目的で導入する受入企業が大半である。失踪する実習生は「技能取得」が目的ではなく「出稼ぎ」が目的であるからである。国への手数料や監理団体費用の負担を強いられる受入企業のなかには、その負担分を取り戻すために実習生の賃金を抑えたり、不当な家賃を徴収することも少なくないし、これが失踪の原因になることもある。
このまま「建前」と「実態」の矛盾を放置したまま、新法を制定し「機構」を拡大していくことが、本当に必要なことなのか、審議のなかで問うことが求められる。
私は「技能移転による国際協力」は単独受入型のみとし、団体監理型を廃止すべきであると考える。その上で国と業界が努力しても国内労働力の確保が困難な業種に限って単純労働者の受入を認めることが必要だと考える。その際受入業種、受入人数は国が制限し、募集はハローワークを通じて一元的に行うなど、国が責任をもって受け入れることが必要だと考える。
①理念と目的を法律に明記
②労働法令違反者は事前の計画で排除
③監理団体を許可制にしたこと。
④国による立ち入り調査権を明記
⑤技能実習生に「申告権」が認められる
本国におけるあっせん、日常監理、不払い賃金等の精算、帰国後に費用の請求などを派遣会社に委託することはできるのか
日常的に実習生の「窓口」となる「相談」は機構が行うことになるため、実習生が実際に利用できる範囲に設置されるのか、言葉の問題も含めて機構の体制と権限の整備が必要になる。
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