復興に安い外国人建設労働者
先日気仙沼から逃げてきたベトナム人実習生の調査で人手不足で安い外国人実習生を入れている手口がわかりました。
鳥取から宮城県気仙沼へ
実習生は昨年広島で入国。受入団体は「協同組合will unon」です。講習は「まごころ協同組合」(福山市)で一ヶ月間日本語を練習して、翌月鳥取県米子市のN社へ。ベトナムにはN社の社長が面接にきました。
N社では2,3日鉄筋作業の練習をしただけで、翌週には島根県江津市で橋の工事で清掃作業を一ヶ月半、その次は宮城県気仙沼の工事現場で鉄筋を包んだり運ぶ仕事をさせられました。
仙台市近郊の宿舎を朝5時に出て気仙沼の現場へ、8時~17時までの仕事で帰ると7時。賃金は7時間半のみで残業はなし。(契約書に休憩90分となっている。)雨が降ると給料はなし。
職種が違う!
実習生はベトナムではエアコン製造の会社で溶接をしてきました。職種は溶接と聞いてきました。N社のHPにも溶接があります。就業場所も米子の会社だと聞いてきました。聞いていた話と全く違うし、一日5千円程度の給料では貯金も仕送りもできません。友人から愛労連を紹介されて逃げてきました。
本人は「溶接ときいた。溶接しかしたことがない」と言っています。ところが契約書には「鉄筋施工」と書いてあります。また経歴にも「建設有限会社 職種鉄筋施工」と日本語で書いてあります。他の部分はベトナム語が書いてありますが、職種のところだけは日本語しかかいてありません。口頭の説明では「溶接」と言われ、働いていた会社も「建設有限会社」ではありませんでした。就業場所も契約書には本社の住所ですが、入管に出した実習計画書には「受注現場」と書いてあり、全国どこででも、寮から離れたところでも働かせることができるようになっています。もともと工場労働者ですから契約書に「雨で仕事がない日は休み」などとは書いてありません。
本人がわかるはずもありません。
復興作業に安い外国人建設労働者
オリンピック関連で建設労働者の不足が深刻化するなかで、建設業に外国人労働者を使うことが多くなっています。工事の下請けに作業員を確保するのが狙いで、このようなだましの手口をつかったのだと思われます。東北のどこまででも一日5~6千円で作業員を派遣することができるのでぼろもうけです。
実習生は「ほんとうの受入組合は違う」とも言っています。入管には実態の調査と、実習生が経歴通りの職種で働けるよう対応を求めています。
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