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教文を広島入管へ告発

150824 愛労連は24日、外国人技能実習制度で派遣された職場を失踪したベトナム人のグエン・チー・タンさん(24)の技能職種に虚偽届けがあり、失踪には正当な理由があるとして、広島入管に福山市の派遣会社「教文」を厳正に調査するよう求める文書を提出しました。

 タンさんは、溶接技能を習得しようと昨年8月に入国。ところが監理団体からコンサルタント業務を受けた福山市の「教文」が職種を鉄筋施工とする虚偽届けをおこない、タンさんは鳥取、島根、宮城の各県の建設会社に派遣されました。

 「教文」と派遣先のN社はベトナムでタンさんの溶接実技試験に立ち会っており、自社に溶接があることを説明しています。ところが実際に派遣されたのは建設作業員で日当は5600円程度、雨がふって仕事がないと無給にされました。教文もN社も「最初から人手不足の建設作業員として使うつもりだったと思われる。東北では建設作業員の日当が1万円から1万4千円もするのでピンハネができるから」と思われます。

制度と体制に問題
 広島入管は全国で3番目に外国人実習生が多いにもかかわらず、わずかな職員でていねいに話をきいてくれました。「強制的に帰国させることはない」と話していました。いっぽう、入管の体制や現行の制度・改正案には重大な欠陥があります。
新法でもブローカーは野放し
 国は国会に技能実習の新法案を提出しています。現在の制度では派遣会社など営利企業は受入や「あっせん」が禁止されています。しかし、監理や入国実務の委託を受けることができます。この事件では派遣会社「教文」が送り出し機関も受入団体も両方支配しており、委託を受ける形にして受入全てを行っています。ところが現在の制度では受入団体への罰則はあっても、受託した派遣会社への強制捜査はできないといいます。新法案にも派遣会社などのブローカー行為に対する罰則がなく、今と変わりません。
罰則強化より体制拡充を
 また入管法改正案では逃げた実習生の在留資格を「直ちに取り消すことができる(正当な理由がある場合をのぞく)としています。法務省は逃げてからすぐに入管にこなかったことを問題にしているようですが、外国人の多くは強制送還を恐れて入管には行きたがりません。不正があってもがまんしているのが実態です。タンさんは職種が違うことを何度も監理団体に相談しましたが無視されました。大使館にもメールしましたが相手にされませんでした。この動きを察知した会社と団体が帰国させようとしたため、建設会社の寮を抜け出しました。この事件のように団体が不正に関与した場合、実習生が「正当な理由」を証明するのにはたいへんな困難があります。
 言葉のわからないベトナム人が広島から気仙沼に派遣されて助けを求めるのは至難のわざです。住むところもその間の生活費も何とかしながら5ヶ月かかってベトナム人支援をしている愛労連を紹介され、入管に出頭しました。
 実習生を拡大したり罰則を強化する前に、全国どこでも相談ができる体制と制度が必要です。
マスコミ6社が取材
 タンさんは文書提出後、愛労連榑松議長や広島県労連の川后和幸議長、門田勇人事務局長、同労働相談センターの内谷富雄所長とともに県庁内で記者会見をしました。タンさんは「日本に残って仕事がしたい」と訴えました。
〔写真〕会見する(左から)内谷所長、タンさん、榑松議長、川后議長、門田事務局長=24日、広島県庁

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