入管は強制帰国ありきをあらためよ
外国人実習生の失踪が3倍の6,000人に急増しているという発表(朝日12/20)。その前の年は1000人台だったから5倍近くなっている。
入管はスマホなどで仕事が探しやすくなったのが原因だとして、もっぱら実習生の責任にしている。しかしこの制度で実習生や受入企業を食いものにするブローカーや悪質な受入団体への不正処分は消極的だ。このブログで告発してきたように家賃4万円を取る城北電装にも半年もたって「調査したが不適正はなかった」と言う。「奴隷労働」と批判されるのは当然だ。逃げ出す実習生がいてもおかしくない。
ベトナム人実習生は雇用契約書の就業場所を島根県としておきながら書類を偽造し、入管用は就業場所を「受注場所」と書くだけ。これで宮城県気仙沼の建設作業員としてピンハネしていた。しかし厚労省は「雇用契約書の変更が必要」といい、国交省は「県名は必要、少なくとも地方」と回答した。
受入組合の名前も母国での書類と違うし、入管に届けた受入組合WILL UNIONは食事で一度あっただけ。高橋社長は「この時は初めての受入だったのですべて教文にやってもらった」と説明している。その教文が使用している「びんご真心」の人と言われた担当者「土江」氏もびんごの人ではなかった。すべてブローカー教文に丸投げされていた。
教文の中にはさまざまな組合と送り出し機関「TRACOODI」の日本事務所も教文内にある。先日1億円もの不正があると報道され逮捕者がでた「櫻花協同組合」も教文本社に事務所があった。教文の役員であった櫻太吉(その名のとおり)氏は創業者で、今でも「櫻花」と「びんご真心」の参与である。しかし入管は櫻花の不正について調査していないようだ。
不正を告発してまもなく半年がたつのに、まだ一つも不正処分はなく教文関係の組合には受入が続いている。逃げた原因が教文の不正であるにも関わらず、逆に助けを求めに愛労連にたどり着き入管に出頭したのに5ヶ月もかかった事を問題にしている。
失踪者の急増に逆ギレした入管は、不正をなくすのではなく、逃げたらすぐに在留資格を取り消す罰則強化の入管法改正案を出した。これでは失踪はなくならない。「奴隷労働」として制度の廃止を求めるのもやむを得ない。まじめにやっている受入企業は大迷惑だ。
家賃の件は入管がダメでも愛労連としてはあきらめない。Mさんは「私の家賃は取り戻せなくても実習生がよくなれば」と労働組合に加入してくれた。今週は団交でとっちめる。
年明けからの国会審議にはこれまでの証拠を提出する。入管への抗議もさらに呼びかける。
マスコミの取材も続いている。
教文関係の証拠があったらぜひ協力をお願いしたい。
EMAIL post@airoren.gr.jp fax 052-871-5618
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