入管はブローカー「教文」も容認か
福山市のブローカー「教文」を入管に告発してから半年がたちました。この間、書類の偽造や雇用契約書と違う修行場所など数々の情報を提供しましたし、9月には「教文」本社内に設立され、元役員が参与をつとめる櫻花協同組合で不正金で逮捕者もでています。ところが未だにたった一つの不正も認定せず、「教文」関係の組合は未だに実習生受入を行っています。このまま年を越すつもりでしょうか!
前回の制度改正で「名ばかり監理団体」や営利を目的とする団体(ブローカー)によるあっせんが禁止されました。ところが省令のパブコメが終わったところで法務省は重要な部分に「常勤職員」と書かれていたところから「常勤」の二文字を削除しました。不正処分の対象は常勤職員ですので、派遣会社などのブローカーが非常勤役員となって不正を行うことが可能になっています。詳しくは「gaido1007.docx」をダウンロード
ITC事件で言い換え
これが問題になったのが2012年の(株)ITC事件です。
ここでは派遣会社ITCのT社長がS組合の専務を名乗って監理をしていました。その受け入れ先で賃金不払いなど数々の不正が明らかになったのですが、入国から監理、強制帰国まで全て(株)ITCの名前で行われている証拠を提出しました。
ところが法務省はこう言い繕いました。
(入管局長)「委員ご指摘のとおり、監理団体が外部の機関に講習や監査などの業務をいわば丸投げしているような場合は監理する体制を有してないとして不正行為に該当することとなりますが、外部の機関を指揮命令しながら業務の一部を分担させていた場合は必ずしも不正行為に該当するものではありません」
派遣会社の社長が受入組合の専務になって派遣会社に直接指揮命令してるのですからこういうしかありません。
「教文」事件はさらに大がかりです。逃げてきたベトナム人T君の事件では
・母国の書類にある受入組合と入管に提出した受入組合が違う
・書類上の受入組合WILL UINONは「初めての受入ですべて「教文」にやってもらった」(T代表)
・「びんご真心協同組合」を名乗って監理していた「土江」氏は「びんご」の職員ではなく「教文」が使っているブローカー
WILL UNIONによる「直接指揮命令」は全くありません。それでも未だにWILLにも「びんご真心」にも「教文」にも処分はありません。
こうなると「教文」というブローカーの存在は法務省が容認しているとしか考えられません。
技能実習の新法でもこの問題は全くふれられていません。入管は実習生の失踪増加を理由に罰則強化の入管法改正を提出しましたが、ブローカーを容認する実習制度では失踪者がなくなるわけがありません。
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