法務省が報復捜査
3月16日の「審査期間延長」について、即日日弁連に人権救済を申し立てた。法務省の在留課長あてに通知したら、連休明けの22日朝、突然タン君のところに入管がきて、働いていたことの証拠を持って帰った。本省の指示だそうである。これで審査期間延長が帰国理由をつくるためだと明らかになった。
名古屋入管に、法務省の長尾補佐官が当初から「失踪してから出頭するまで働いていただろう。だから帰国させる」と言っていたことを伝え「出頭してから9ヶ月もたって今頃そんなことを調査するのか」ときくと「いやその時のことはもう済んでいる。今回はその後のビザ(特定活動)で働いてはいけないことになっているので、その調査である」と説明された。
長尾補佐官からは受入機関の書類偽装についても「それは帰国して民事裁判をおこせ」と言われた。入管法違反を告発しているのに、入管が取り合わず「とにかく帰国」しかいわなかった。
受入機関の不正処分は伝えず
入管法で在留資格の取り消しは「正当な理由がある場合を除く」とされ、技能実習でも労災など正当な理由がある場合には在留期間の延長が認められる。昨年8月に受入機関の不正告発と在留資格の延長を求めた際には、「不正は調査中」であるとの理由で在留資格の延長を認めなかった。不正が明らかになった時点で在留資格の延長手続きに入るべきだ。
また実習制度では受入機関の不正により実習が継続できなくなった場合には実習機関の責任で新たな受入先を探すことになっている。
法務省の不作為を棚に上げ帰国理由づくり
ところが今回、処分を行ったことも、いつ処分したかも全く言わないで入管は受入機関に責任をとらせず放置した。実習生にもこの処分を伝えず、処分後も自分で実習先を探させた。やっと新たな受入機関が見つかり書類を提出したら、今度は審査期間を延長してまで働いていた証拠を探し、本日の家宅捜索になった。
逃げるしかない
法務省の発表で今年1月1日の技能実習で入国後に不法残留する外国人は26.2%増の5,904人に増えている。このなかには受入機関の不正で逃げる実習生も少なくない。問題はこれに入管が応える体制がないところにある。平日、日中だけしか受け付けず、必死で飛び込んでもベトナム語、タガログ語では相手にされず「今度来て下さい」と言われるのが大半である。この実習生のように証拠も翻訳もつけて書面で申告してもこの扱いである。
不正をなくすのではなく失踪者を帰国させることしか考えない法務省では技能実習の不正はなくならない。
実習生新法の議論の前に「失踪者は帰国させろ」の法務省の姿勢を改めさせることが不可欠である
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