建設業では受入機関にも問題(1)
建設関係の技能実習生からの相談事例から
ここ数年建設業技能実習生が増加しており、愛労連にも昨年から建設業からの
失踪者が増えています。その中には必ずしも違法とまでは言えないものの監理
団体による説明や指導に問題を感じるものも少なくありません。
昨年建設業外国人労働者の就業の特定活動が認められたこともあり、建設業で
の外国人実習生を募集する受入機関も増えています。労災や失踪者を出さない
ためにもきちんとした対応が求められます。
(1)極端に少ない手取り
1 月は土木工事が少ないことがあり、固定的な控除を差し引くと手取りが極端に
少なくなることがあります。
(2)休日、労働時間がよくわからない
「一週間に一日の休みもない」、「日曜日に働いたのに割り増しがない」という相
談があります。土木では「雨が降ったら休み」というのは珍しくありません。
雇用契約書をみると「年間変形制」となっており、前日までに休みを指定すれば
「振替休日」とすることは違法ではありません。しかし、監理団体がこれを理解
させているとは思えませんでした。また、休日は「会社カレンダーによる」とし
ておきながらカレンダーが渡されていないところもありました。
実際には一ヶ月28 日働かせても全く割り増しのない会社もありました。下記
の基本給を28 日×8 時間で割るとぴったり最低賃金の800 円になります。割り
増しはありません。
午前と午後に一斉休憩をとるところが多いのですが、これが無給になっていま
す。実際には15 分程度で30 分の無給休憩は多くありません。
ある会社では「ペンキが乾くまでの時間がある」と言っていましたが、乾くま
での間に現場を離脱できるわけではありません。無給休憩時間は職場離脱など
労働者が自由に使っていいはずで、手待ち時間であれば手当を支払う必要があ
る。これを明記していないこともトラブルの原因となっている。昼休みも60 分
取れていませんでしたが、外ではこれを記録することもできません。
これらは監理団体実習生と受入企業に十分な説明をしていないことも原因と
なっています。
の事件では西川工業の東北営業所(宿舎)は仙台市郊外の大崎市三本木にあり、
ここから毎朝5 時に出発して8 時に気仙沼の工事現場に行っていました。道が
わからない外国人の場合は会社に出勤して、荷物を積み込んで現場に向かうこ
ともあります。外での工事は残業がないこともあってこの時間についての不満
も多く、失踪の一因となっています。これらは入国する前にきちんと説明してお
くことが必要です。
(続く)
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