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外国人実習生新法案審議

衆院法務委員会で技能実習生の新しい保護法が審議されています。

新法の大きな特徴は企業や受入機関に不正があった場合に訴える権利(申告権)が与えられることです。これまでも労働基準法違反については実習生も労基署に申告できましたが、新法では労基法以外にも実習制度の不正も訴えることができます。
第四十六条 (暴行、脅迫、監禁、不当な拘束、意思に反して技能実習強制)
第四十七条 (違約金、又は損害賠償額を予定する契約、強制貯金および貯金の管理)
第四十八条 (旅券と在留カードを預かること、外出その他私生活の自由を不当に制限)
これらについて申告できます。
第四十九条 (技能実習生からの申告権と不利益扱いの禁止)
また、受入機関を許可制に新たに設置される「機構」の審査を受けることになります。企業が実習生を受け入れる計画書もこの機構で認定を受けます。
受入機関やブローカーの不正については労基署に
愛知県は全国で二番目に外国人労働者が多く 12,242 か所に94,698 人が働いています。実習生は全国一多く、受入機関が200以上あります。受け入れている事業所も5000カ所近くあると思われます。
愛知にも機構の地方組織が作られ、受入企業に対する調査を行います。
相談は機構に窓口が設けられますが、不正の申告は受入企業(実習実施実施者)は「機構」(十三条関係)、第一次受入機関(監理団体)への監督は労働基準監督官、漁業は船員労務官(三十五条関係)となっています。
実習生保護法は労基法と同じく母国語での「申告」ができます。これまでは「申告権」がなく、愛労連が窓口となって名古屋入管の協力も得ながら受入機関と交渉してきました。これからは受入機関の不正については県下の労働基準監督署を紹介することになります。
大幅増員と母国語対応を
新法ができると在留期間が3年から5年に延長され、職種も増えるので人数は倍増します。ただでも人手が足らない労働基準監督官の増員が必要です。
また近年はベトナム人、ネパール、ミャンマーなど多国籍化しており、申告を受理できるよう様々な母国語対応も必要です。

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コメント

 今の法律では、実習生は労働者なのに労働基準監督署に申告できないんですか?

http://shiga-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/hourei_seido_tetsuzuki/roudoukijun_keiyaku/gaikokujin.html
↑を見ると
>2 技能実習生からの申告状況
> 平成18年以降において、労働基準監督機関に対して外国人技能実習生から労働基準関係法令違反の是正を求めてなされた申告件数は次のとおりである。

と書いてありますよ。実習生も労働基準監督署に申告できると思っていましたが、滋賀労働局だけが実習生の申告を受け付けているのでしょうか?

投稿: | 2016年4月19日 (火) 20時53分

どこの労基署でもシンコクと言えば受け付けることになっていますよ。昨年は名古屋北で受けてもらいました。先月も岡崎で受付けてくれました、
いい監督官がいます。

投稿: 愛ローレン | 2016年4月19日 (火) 21時46分

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