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朝日WEBRONZA1/9に掲載

朝日新聞のWEBRONZAに掲載されました。
残業代400円、岐阜アパレルのベトナム人実習生
悲惨な状態に置かれている外国人技能実習生、問われる法務省の人権感覚

榑松佐一
2017年01月09日
(1)岐阜アパレルで大量の〝割引賃金〟

①残業代400円で月100時間、土日も休み無し

月給6万円、残業代400円の契約書
月給6万円、残業代400円の契約書
 岐阜アパレルで働くベトナム人実習生から「残業代400円、500円」という告発が続いています。愛知県労働組合総連合(愛労連)には昨年7月から11月の間に8件の訴えがあり、労基署の調査が行われました。ふつう割増違反と言えば125%払うべきところ100%しか払わないことをいいますが、ここでは「大幅割引」です。月給6万円、残業代400円の契約書を見て驚きました。しかも彼女たちの残業記録にはひと月に1日も休みが無かったのです。
 実はこの年の1月には岐阜労働局から資料が送られてきて、最低賃金法違反が多いと言われていました。しかし「まさかここまで」とは思いませんでした。改めて資料を見直すと岐阜県の縫製業には3000人以上の実習生が働いており、労基署の調査で約5割が最賃違反・割増違反でした。しかもこれ以外に証拠隠滅が24%、さらには(会社から脅されたりして)実習生が「問題ない」と証言したため、指導できなかったものもあるといいます。関係者は「岐阜の縫製業はほとんどがこうだ」と言います。

②行政は10年間毎年、文書で改善を要請

 この資料は岐阜県、名古屋入管、岐阜労働局などでつくる「第10回技能実習生等受入適正化推進会議」(2016年1月21日)で配布されたものでした。「推進会議」は2006年から毎年開催され、監理団体への改善要請、業界団体に「工賃の適正化」を要請してきました。昨年監督署から賃金不払いを是正指導された業者は、「メーカーに工賃の見直しをお願いしていた」と言っていました。安い製品が輸入されるなか、業界ぐるみで縫製業者に不当な工賃が押しつけられ、これが400円の残業代となっていました。

 要請書の文面は「発注契約においては、適正な工賃を設定していただくこと」とされ、毎回一字も変わっていません。行政が全く同じ改善要請文を出すことは異例です。しかも昨年は「監理団体ぐるみの隠蔽も疑われる事案があるなどより一層の悪質化が進んでおり、問題は未だ解決されていません」としていました。

③業界・監理団体・ブローカー

ネズミの走る台所
ネズミの走る台所
 2010年の法改正後もこのような大規模な不正が一切報道されず、社会問題にならなかったことには何らかの理由があると思われます。岐阜の縫製業は90年代初頭の外国人研修制度発足の地であり、歴史のある監理団体と行政との深い関係があります。
 またそこに巣くうブローカーの存在もあります。労基署に申告した後、実習生たちが連れて行かれた監理団体の事務所には、神戸の建設会社役員の名刺をもった黒服の男が来て「なんでワシに相談せんとローキに!」と怒鳴りました。また他の実習生は「元警官」という人の事務所に連れて行かれ、20万円の和解金で「労基署への訴えを取り下げろ、取り下げなければ帰国だ」と言われました。このように受け入れ団体とそれ以外にも二重、三重の仕組みができて不正が隠蔽されてきました。

④経産省が実態調査へ

 岐阜の縫製業だけで全国の最賃違反の約2割を占めており、一地方の問題ではありません。当初「問題があるとは聞いていない」と言っていた経産省も最後には世耕大臣が今年11月の臨時国会で「岐阜県における実態を調査してまいります」と答弁しました。12月14日の経産省告示「下請中小企業振興法・振興基準」にも「最低賃金の引き上げに伴う労務費上昇については、その影響を十分に加味して協議する」と書かれています。年末には中部経産局から「調査担当者が決まった」と連絡がありました。

(2)「実習生新法」で不正は無くなるか

 先の臨時国会で「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(「実習生新法」)が成立しました。あわせて在留資格取り消し条件の強化を含む改正入管法も成立しました。

① 新法の前進面

 「新法」は「外国人技能実習機構」を新設し、監理団体を「許可制」にしました。昨年、広島県の櫻花協同組合の役員が2000万円の着服で起訴されました。私は「非営利のはずなのに利益を上げているではないか」と指摘しましたが、法務省は「(届出が)事業協同組合なので営利団体ではない」と答えました。許可制になれば「新機構」が実態調査を行うことになると思います。

 また新法では、実習生が不正を訴えることができるよう「申告権」を新設しました。今後は労基法違反以外の不正についても訴える権利が保障されたことは重要です。

② 急増する実習生、事後規制には限度

 しかし実際の監督体制は全く足りません。「新機構」の全国13カ所の地方事務所は ・・・
(残り:約1433文字/本文:約3355文字)
http://webronza.asahi.com/national/articles/2017010300002.html

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コメント

日本人の残酷性、ここに極まれり、ですな。

投稿: | 2017年1月 9日 (月) 14時01分

日本史を勉強していると日本人の残虐性に驚く

日本人の残虐性は拷問と言う形で現れる。
源氏と平氏の闘いにおいては、鼻そぎ、生爪はがし、などが顕著に見られるようになる。

戦国時代に入ると、串刺し刑(肛門から口に至るまでやりで串刺しにする)の記録が多く出てくるようになり、火あぶりや水攻めも一般的に行われるようになる。
さらに、拷問はエスカレートし、牛裂きの刑(四肢を強引に引っ張る事で体を引き裂く)と言うものが登場する。同様な刑で車裂きの刑と言うものもある。
信長は有名な、のこぎり引きの刑を行うし、釜ゆでの刑の記録も残されている。
忘れてはならないのは、キリシタンへの拷問である。有名な拷問は逆さ吊るしというものだ。地面に細くて縦長の穴をあけ、その穴に受刑者を逆さに吊るすというものだが、数時間も吊るされていると、口や鼻から血が滴ってきたという。
これ以外にも水磔の刑や、木馬攻め、試し切り・・・など、数えたらきりが無いくらいの残虐な刑が沢山ある。

外国人に対しても残虐性を発揮して、例えば、秀吉なんかは朝鮮への侵略戦争で、朝鮮人の鼻や耳をそぐように命令したのは有名である。従って、当時の文献を見ると、朝鮮に沢山の鼻なし人間がいるという記述が見られる。
(韓国人が日本人は野蛮だと言うのが分かるな)


こう言った残虐なDNAを日本人はもっていると言うことを自覚しておいた方が良いだろう。近年では、その残虐性を隠ぺいし、日本人は武士道精神があり、高貴な精神の持ち主であるというバカげた話が横行しているが(ちなみに有名な「武士道」という本はキリスト教徒である新渡戸稲造の創作であり、現実の武士道とは違う。本「国家の品格」で著者が「武士道」を引用して、昔の日本人は良かった、と言っているのは笑えない冗談である)、そろそろ現実を直視した方が良いのではないか?

投稿: | 2017年1月 9日 (月) 17時20分

組合員でも無い、ベトナム人技能実習生
の労働問題を自らの地位向上に利用する
議長こそ残酷な日本人ですよ。

今の愛労連の活動を批判する意見の方が
正当に感じるのは、組合員としては当然
ですね。

投稿: | 2017年1月11日 (水) 20時40分

「人肉食」も…旧日本軍のインド人捕虜への残虐行為

【日本軍が捕虜としたインド軍将兵に対する非人道的行為】
 1942年2月15日、日本は、当時イギリス領だったシンガポールを陥落させた。このとき、英領インド軍(英印軍)の将兵4万人が日本軍の捕虜となった。そのうち約3万人は、イギリス支配に抗しインドの独立を目指すインド国民軍に入隊した。この軍の設立にあたっては、日本軍が中心となって動いた。

 しかし、入隊を拒んだ1万人は、日本軍の強制収容所での拷問を運命づけられた、と『タイムズ・オブ・インディア』は語る。収容所でのインド人捕虜の扱いは、非人道的なものだった。過重な労働、乏しい食料、絶え間ない暴行。そして捕虜が、生きたまま射撃訓練の標的とされることが、何度もあった、と記事は語る。

 船で移送される際にも、寝る場所もないほど船室にすし詰めにされ、水や食料を満足に与えられず、目的地にたどり着く前に多くの者が死んだ、と記事は語っている。

【英印軍の将校らによる、日本軍の人肉食の証言】
「しかし、日本軍が行ったあらゆる残虐行為の中で、最も戦慄を覚えさせるものは、彼らが人肉食を行ったことである」と記事は伝える。

 英印軍のある将校はこのように告発にする。「Suaidという村で、日本軍の軍医が、周期的にインド人捕虜収容所を訪れて、毎回、最も健康な者たちを選び出した。その者たちは、表向きは任務を果たすためということで連れ去られたが、彼らは決して戻ることはなかった」。さらに日本軍は、インド人捕虜ばかりでなく、ニューギニアの現地人さえも殺害し、食していたと主張する。

 他の将校はこのように告発している。「自分と一緒にウェワク(の収容所)に行った300人のうち、50人だけがそこから出ることができた。19人は食べられた。日本人の医師――ツミサ中尉は、3、4人の小部隊を作り、インド人1人を何かの用事で収容所の外に遣わすのだった。日本人たちはすぐさま彼を殺害し、彼の体の肉を食べるのだった。肝臓、臀部の筋肉、大腿部、下肢、腕が切り取られ、調理されるのだった」。

【その他にも証言、証拠があるという】
 記事では、これらの告発内容についての裏付けは伝えられていないが、この他にもさまざまな証言があるという。しかもそれらは、連合国が設置した戦争犯罪調査委員会に対する、宣誓証言として行われたと伝えている。その証言に基づき、何人かの日本人将校とその部下が裁判にかけられた。人肉食によって有罪が宣告され、絞首刑に処された将校の名前を、記事は挙げている。訴えられた日本人は、これらの告発を常に否認したそうだ。

 1992年、田中利幸氏という日本人歴史家が、インド人や他の連合国側捕虜に対する、人肉食を含む、日本軍の残虐行為の明白な証拠を発見した、と記事は伝える(氏は現在、広島市立大学広島平和研究所教授)。その証拠がどのようなものかについて、記事は触れていない。氏は、1997年に『隠された惨事――第2次世界大戦における日本人の戦争犯罪』という本を英語で発表した。その本では、日本軍は食料の貯えが次第になくなったときに人肉食という手段に訴えた、という連合国側の下した判決が反論されているという。人肉食は上級将校の監督下で行われ、権力を表象化する手段として認識されていた、との主張だそうだ。

投稿: | 2017年1月14日 (土) 13時21分

>議長こそ残酷な日本人ですよ。

書いてるお前も日本人だろ、wwww

投稿: | 2017年1月14日 (土) 13時24分

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