農業外国人特区の問題点

内閣委員会では加計学園も審議しているため農業外国人問題については、あまり質問されていませんが、下記のような問題点があります。
(1)農業外国人実習生の失踪理由は
審議では農業外国人実習生の失踪がたいへん多いことが報告されましたが、法務省からは不法就労の取り締まりを強化すると言うだけで、失踪者の理由とそれへの対策は全くふれられません。繁忙期を順に派遣するという使う側の論理だけです。
(2)管理体制は
派遣組織となる「特定機関」については派遣法や労基法遵守、技能実習で不正行為をしていないなど当たり前のことが書いてあるだけです。地方自治体と地方農政局、労働局、内閣府の地方創生推進事務局を構成員とする「適正受入協議会」が「特定機関」を巡回指導するとしています。しかし、常勤体制すらあるのか、外国人からの「苦情、相談を直接受ける」とはいうものの詳細はすべて「総理大臣が定める」ことになっていおりさっぱりわかりません。
少なくとも言語対応できない国の外国人は受け入れるべきではありません。
(3)派遣労働の問題点は
派遣労働では、使用者の責任が極めて曖昧で,言葉の通じない外国人は逃げるしかありません。日本人でもセクハラ・パワハラがあっても誰が責任をとるのか、派遣切りされた場合の保障、社会保険への加入・交通費の支給など多くの問題があります。
(4)「一定の専門性を有する外国人」 とは
技能実習生の終了者が例にあがっていますが、技能実習では以下の2職種5作業となっています。3年間変わることはありません。
耕種農業:施設園芸、畑作・野菜
畜産農業:養豚、養鶏(採卵鶏)、酪農
いっぽう、派遣先はこの職種・作業に限定されるのでしょうか。職種をまたぐようでは単純作業しかできないのではないでしょうか。
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コメント
>少なくとも言語対応できない国の外国人は受け入れるべきではありません。
少なくとも直接言語対応できない国の外国人を労働組合は受け入れるべきではありません。
投稿: | 2017年6月13日 (火) 23時46分