実習企業は届出が必要
同じ場所に二つ、三つの会社名で実習生を受け入れていることがしばしばありました。そのため、解雇されて失業保険の給付申請にいくと名前が見つからないことがあります。岐阜県山県市の矢口縫製で解雇された実習生はハローワークの担当者が探してくれましたが、「ファッションみえ」の会社名で登録されていました。先日解雇された実習生は移籍前の会社名が見つからず、加入実績が確認されませんでした。
新法では実習企業の届出が必要
これまでは監理団体が実習計画を提出するだけで、実習企業としての届出は必要ありませんでした。新法では実習企業は機構の地方事務所・支所の認定課に届出が必要となります。届出には実習指導や相談などの体制の基準が定められています。「制度の趣旨を理解せず、労働力の需給の調整の手段として実習生を受け入れる事業者は実習生に対する労働関係法令違反や人権侵害行為等の問題を生じさせる可能性があるため」です。(要領p55)
実習責任者は常勤の役員若しくは職員である者、自分以外の実習指導員、生活指導員等を
監督する立場にある者、過去3年以内に講習を受けた者(※経過措置あり)でなければなりません。従って新人職員を名ばかりの責任者にすることはできません。(要領p69)
②実習指導員と生活指導員は常勤職員
実習指導員はその事業所に所属する常勤の役員または職員で、実習技能に5年以上の経験が必要です。生活指導員も常勤の職員に限定され、それ以外の者は生活指導員の補助に限られます。
③通訳
実習企業は母国語に対応できる常勤又は非常勤の職員を自ら確保している必要があります(派遣労働者も可)。メールや電話での相談の体制を委託により整備することでは認められません。また監理団体の相談員と重複する者を選任することでは認められません。(要領p97)
④実習場所の変更届け出
建設業では工事現場が就業場所となり、必ずしも一か所とは限りません。これまでの相談例では鳥取県の建設業者が東北の工事現場に「下請け」として参入し実習生を働かせていながら、広島県の監理団体は毎月必要な訪問指導を行っていませんでした。
新法では必須業務・関連業務及び周辺業務として具体的な業務ごとに記載した事業所を実習計画書に記載する必要があります。これを変更する場合は届出が必要となります。(規則17)
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コメント
労働力の需給の調整の手段として実習生を受け入れていない会社なんて、ほぼないのではありませんか?
労働力の需給の調整の手段として実習生を受け入れているのか、いないのかの判断基準はあるのですか?
投稿: 質問 | 2017年10月18日 (水) 23時30分