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多文化共生パブコメを提出

出入国在留管理庁政策課外国人施策推進室
「パブリックコメント(ロードマップの策定)」

愛労連外国人実習生SNS相談室 榑松佐一

外国人との共生社会の実現に向けたロードマップ()について

 

私はこの15年間外国人技能実習生からの相談に応じています。昨年も92126人の実習生から相談があり、代理人として技能実習機構に30件の申告を行いました。その経験からロードマップ()に下記の意見を提出します。

 

  1. 日本語教育等の取組みについて

外国人が日本の専門学校や大学に入学する場合には日本語能力N2を求められるが日本語学校にN2が無くても入学でき、N2が取れなくても専門学校に入ることができる。そのため、日本語学校のなかには系列の専門学校とセットでの入学を求め、在学中の在留資格変更を妨害することがある。

宮城県の大手日本語学校の留学生はコロナ禍でアルバイトが減り、日本語学校の授業料が払えなくなったので中退して技人国へ在留資格変更を申請しようとしたが、学校は「勝手に就労等へのビザに変更しない」「違反した場合には300万円の賠償金を支払う」という誓約書を書かせていた。この誓約書について入管庁からは「本件誓約書の内容について、罰則を定めるとすれば、告示基準に則り学則に記載する必要があります。その上で、その罰は違反行為の移封程度に応じて合理的なものである必要があると考えられ、少なくとも公序良俗に反するような高額の賠償金を支払う旨の誓約をさせることは、民事上も違法となる可能性があり、したがって、末梢の基準について定めた日本語教育機関の告示基準に抵触するおそれもあると考えられます」と文書をいただいた。しかし、地方入管では「実際に賠償金を請求されていない」と指導はされなかった。留学生にとっては誓約書があるだけで十分恐怖であり、このような誓約書を書かせないよう日本語学校の認定制度をきちんと整備してほしい。

 

2.外国人に対する情報発信 外国人向けの相談体制の強化

(3)具体的な取り組み イ相談体制の強化 (一元的相談窓等への支援)」について

 

〇日本では外国人の労働相談でも労基法、職安法、派遣法、セクハラなど相談内容ごとにいろんな行政機関に行かなければならない。外国人は言葉の問題があるので、各機関も様々な言語の通訳手配が必要になる。一元的に相談を受けて、問題を整理した上で該当する各行政組織に相談する方が、相談を受ける側もスムーズに対応できるので、一元的窓口の設置は意義がある。

 

SNSの活用について

〇外国人の多くは電話番号を持たず、母国と無料通話ができるSNSを使っている。現在、行政組織の大半はSNSでのメールも電話も使えない。厚労省では労働相談も職業相談も年金相談も対面か電話と郵便のみとなっている。

私は外国人実習生のSNS相談室をおこなっている。SNSではメールも電話もビデオ通話も使えるし、双方向で通訳を含めた同時に会話も可能である。写真で本人確認をしたり動画で証拠を確認したり、HPにある制度の説明や母国語での説明を見せることもできる。

現在は6ヶ国語の通訳を国内外に確保してSNSで通訳してもらっている。いちいち来てもらわなくても、その時間に都合のつく人に通訳してもらえるし、後で翻訳を依頼することもできる。相談内容に応じて、各分野の専門家にも協力してもらうこともできる。また電話と違いメッセージ記録が残るので、陳述書を書いてもらったり、後で読み直しも可能になる

行政組織はHPでの情報発信が行われ、SNSも始まっているがSNSは一方通行のものが大半で、質問や相談はできない。これではSNSを使う意義は半減してしまう。

技能実習制度での不正の申告では名古屋の技能実習機構、入管は名古屋にしか事務所がなく実習生本人が出頭したり、東海4県の現場に行って調査するのは時間も手間もかかる。相談にSNSを使い、申告人からの聞き取り、写真や動画で証拠を確認することで大幅に負担を減らすことができる。

技能実習機構業務統計によれば2020年度の相談件数13,353件に対し、申告は82件にとどまっている。私の申告件数30件に比べて極めて低い申告数である。これは、相談方法に何らの問題があるとしか考えられない。相談方法を改善して、そこから実習制度上の不正がないかチェックすることで「技能実習制度は人権侵害」とのそしりを免れることができると考える。

行政の相談は平日の日中が大半となっており平日休みのとれない外国人は相談ができない。SNSに土日や夜間に書いておいてもらい、都合のつく時間に対応することもできる。

この件について厚労省はSNSやメールは「セキュリティ上の問題があるので使用していない」と回答しているが、文科省はこどものいじめ相談でSNSを使っているし、デジタル庁も発足したので早急に対応してほしい。

 

 

(地域における関係機関の連携、外国人支援者ネットワーク構築推進)について

東海外国人支援ネットワークはこの10年間に8回、ほぼ毎年名古屋入管との意見交換会を開催してきた。今年も59日に第9回が開催される。名古屋入管は以前から市民団体との話し合いに積極的で毎回各部門責任者が出席してくれている。市民団体からは日系人、定住者、DV、難民支援、実習生支援など長く外国人を支援している10団体ほどが毎回参加し、外国人の実態を共有し、行政の取り組みを理解するうえで大変有効な機会となっている。各地方での開催を求めたい。

愛知県、東海地方は全国的にも外国人実習生が多く、入管とは実情を共有し、その解決にも協力いただいている。いっぽう技能実習法の地域協議会は委員にはなっていないため毎回意見書を提出しているが、これに対する議論も回答もない。技能実習機構も支援団体と意見交換の場を開催してほしい。

 

(外国人の相談対応等に従事する専門人材の育成等)について

この5年ほどの間に各在留資格で外国人労働者が倍増してきた。コロナ禍で緊急の特定活動も増えて問題が多様化している。緊急対策により次々と制度が変わるため、最新の情報を得ることも大変である。問題内容、在留資格によってどこに相談していいかわからないことが多い。様々な問題に一元的に対応できる外国人総合支援コーディネーターの育成は急務である。

 

 

3.ライフステージ、ライフサイクルに応じた支援

ウ「青壮年期」を中心とした外国人に対する支援(就労等の支援)について

 

〇「職場における日本人社員と外国籍社員とのコミュニケーション」はとても重要である。製造業における安全衛生、建設現場での作業指示、介護職場での申し送りなど言葉による指示が必要な場所でのトラブルが多くなっている。技法実習制度では指導員体制など外国人労働者に対する教育は行われているが、外国人を受け入れる職場の日本人に対する教育は現場まかせになっている。これが労災やパワハラの原因となっていることが少なくない。外国人労働者を受け入れる日本の社員に対するコミュニケーション教育が求められる。

 

〇安定的な就労支援

〇ライフステージに共通する取り組みについて

「外国人雇用管理指針」には「適切な宿泊の施設を確保するように努めるとともに、給食、医療、教養、文化、体育、レクリエーション等の施設の利用について、十分な機会が保障されるように努めること。」とされている。この指針はほとんど知られていない。

移籍の自由があると言われている特定技能や技術資格であっても、在留資格の更新時に就労先や居住場所が確保できていなければビザの更新ができず、帰国を迫られる。移籍をさせないために受け入れ企業や派遣会社、ブローカーが妨害をすることがしばしばある。

私への相談では外国人技術者が会社を辞めると言ったら派遣寮の退去費用を27万円を賃金控除され、2カ月間賃金ゼロにされた。労基署・労働局に報告したがこの指針に基づく助言・指導はなかった。まず、労働行政に周知すべきある。結局この事件では賃金控除だけを労基法24条違反で申告したが、会社は指導に従うとは言っていない。

国内では職業紹介法での規制があるが、母国の派遣会社からの職業紹介や無許可のブローカーが金品を請求することもある。その理由は母国語での紹介が便利だからである。厚労省において、外国語での雇用サービスを行うと同時に入管との情報交換を行い、スムーズな転籍ができるよう対応を求める。

 

以上

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