2023年8月
99%合格率の学科試験で6人全員不合格・・・徳島県
10日ほど前に、徳島の実習生から「同じ監理団体の6人が全員不合格で帰国させられる」という相談がありました。
職種を聞くと被服です。このうち5人は10月までのビザ、一人は12月です。
有識者会議の資料で基礎級の学科試験合格率は99%ですので6人全員不合格はありえないと思いました。
知り合いの監理団体からも「職能協会の試験でそんなことは聞いたことがない」と言われました。
また、一次試験に落ちたら勉強させるので、同じ月に再試験を受けさせることもないと言われました。
実習生は監理団体から口頭で聞かされただけでしたので機構高松事務所に確認してもらいました。ところが、、、
機構の確認で「職能協会はHPで試験結果を知らせており、間違いなく全員不合格を確認した」と言われました。同月に再試験を受けさせたのも「試験機関の都合」と言われたそうです。
本当に8月に2回受ける必要があったのか徳島県職能協会に基礎級の試験日程などを聞きました。協会によれば7月20月(ころ)に一次試験、再試験を8月10日に受けたそうです。在留期限は10月16日まであるので更新手続きを含めても9月中旬まで勉強して受けることができます。
協会に聞いたところ、基礎級試験はひと月に数回あるのですが監理団体が8/10でいいと言ったそうです。むしろ基礎級で全員不合格になる方を不思議がっていました。ほんとうに勉強させたのでしょうか?
ベトナムスタディツアー報告書
7月24日から29日にかけてJP-MIRAI(責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム)の一員としてスタディツアーに参加しました。
報告書をまとめました。
ダウンロード - e382b9e382bfe38387e382a3e38384e382a2e383bce5a0b1e5918ae69bb8.pdf
最後の意見書を紹介します。
実習制度見直しに関わって
7月に有識者会議の「報告書とりまとめ」にむけて意見書をだしましたが、今回の訪問を通じていくつか追加したいと思います。
1 新しい制度の目的に関わって
技能の移転による国際貢献が形骸化し、実際には労働力の確保が主目的となっている点については今回の実態をみてもおおよそ同意できます。しかしそれを単に安い労働力の確保にとどまらせることなく、長期的な協力関係強化を目的として政府、業界団体として送り出し国の産業育成に貢献できることがあるのではないかと思いました。
中部のハティンでは現在も農業・水産業が8割を占め、エビ・うなぎの養殖など行われていましたがコールドチェーンが未確立で、一次産品までで止まっていました。私は30年前に農業とエビの調査でベトナムにきましたが、その時にコーヒーを紹介されました。当時は商品化できるレベルではありませんでしたが、今では世界第二位です。これまで日本の支援はODAを使った巨大な橋の建設やハノイ,HCMの湾岸地帯の整備でしたが、今後は地方政府との協力、日越地方間の共同で地方の産業を興し、帰国した労働者が働けるようにすることがいいと思います。農業、水産業の活発な地方、また日本の食品産業にはぜひ検討いただきたいと思います。
2 手数料問題について
法69が施行されベトナム政府が直接かかわる段階では改善の方向が見えています。今後はベトナム国内での問題が大きな課題です。とくに地方出身者への支援を、地方行政と協力することで改善していくことが現実的だと思いました。ハティンでの取り組みはその参考になると思います。
ベトナムからは手続きの時間が長いという指摘がありした。技能実習法施行以後、職種が細分化し、前職に関わる基準が細かすぎて機構の書類審査に時間がかかっています。偽造書類で入国する例も聞きました。これらは監理団体がきちんと面接すべきです。必要以上の書類を無くすよう新制度で見直すべきだと思います。
3 日本語能力について
「36カ月の出稼ぎ労働のために6カ月の教育期間は現実的でない」という指摘はそのとおりだと思います。日本語能力については産業によってはマニュアルと現場教育で十分可能な作業が少なくありません。いっぽうで建設・農業は口頭による作業指示が多く、日本人職員とのトラブルも少なくありません。現在は介護だけがN4基準ですが、建設・農業は日本国内で仕事に関わって教育することが効果的だと思われます。一律な基準ではなく受け入れ産業によってもっと簡易なものにしてもいいと思います。また外国人に対する日本語教育だけでなく、受け入れる企業の職員に対する教育が必要です。
一方で、今後在留期間の延長が広がるなかでは熟練労働者の育成も必要です。これについては、国内での教育や試験を充実させていくことが必要です。現行の技能実習試験制度を大幅に見直し、2号試験を共通・簡易で低料金とし、3号試験は特定技能を見据えて産業ごとに必要な試験に変えていくことが必要だと思います。現在技能実習3年終了者は無試験で特定技能に変わることができますが、日本語能力に欠ける外国人も少なくありません。特定技能は実習生のような保護規定はなく、自己責任が求められるのでそれなりの能力を確認すべきだと思います。
伊東産業の「罰金」請求はどうなった?
トヨタ系の下請け企業伊東産業が牛耳っている座席シート試験の問題で止まっていたビザの更新ができなかった実習生がやっとビザをとれました。いっぽう、そのまえに不良品を出したと伊東産業から15万円の罰金を請求された実習生の問題は、機構からその後なんの連絡もありません。
監理団体アジェコの渡辺氏から機構に対して「本当は300個だと言っている」と機構の職員から言われました。これは名古屋事務所で本人のいる前で聞きました。アジェコは「300個のところを30個にまけてやった」と言ったつもりでしょうが、30個15万円を請求したことを認めました。これは、明らかに違法です。結局実習生は「お金がない」といって帰国しましたが、「申告」は取り下げていません。
今後も実習制度見直し議論のなかで追及していきます
やっとインドネシア人全員に在留資格
合格率99%の二級試験で試験機関に未加入の会社で5人全員が不合格となった自動車座席シート試験問題
7月18日に再試験の結果が届きました。
全員合格で技能実習機構、名古屋入管が1週間で在留資格更新手続き。
関係者に感謝です!!!
実習期間6カ月の2月11日に受験
3月初頭 全員不合格通知
3月8日 ソーイング研究協会に再試験申し込み
4月24日 再試験は6月24日と連絡
6月24日 再試験
6月27日 在留資格切れ>短期滞在に
7月18日 再試験結果>合格
7月20日 ビザ申請
7月26日 ビザ更新