トヨタサステナビリティ推進室に要請~伊東産業強制帰国問題

トヨタ自動車株式会社サステナビリティ推進室御中

2024年3月28日
外国人実習生SNS相談室
榑松佐一

要請書

 貴職におかれましては人権デューデリジェンス方針のもと外国人労働・強制労働に関する積極的な取組みに敬意を表します。また責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム(「JP-MIRAI」)への積極的な参加も嬉しく思います。私もJP-MIRAIの活動でご一緒させていただいております。
 私は2007年にトヨタ紡織の取引先でつくる豊田技術交流事業協同組合で100人もの研修生が最賃違反で帰国指導を受けるという事件以来、研修生・実習生からの相談を受けてました(拙著「トヨタの足元で」風媒社刊)2010年の入管法改正施行の後、愛知の自動車関係では不正は極まれでたいへん良くなってきました。貴社の指導の賜物と思います。
 近年は経営者側からの相談で自動車座席シート職種の2号技能実習試験の受験料がひとり6万円と高くて払えないという相談がきています。技能実習中部地域協議会にはJITCO名古屋事務所から毎年意見書が出されています。ここは豊田紡織のティア2である伊東産業が「ソーイング技術研究協会」という試験機関を設立し、1万円台だった受験料を会員2.5万円、非会員6万円と値上げしました。以前は会員にだけ過去問題を見せていましたので厚労省に指摘してやめさせました。
 このソーイング協会で会員になることを拒否してきた会社の5人実習生全員が基礎級試験を不合格とされ、再試験を4カ月先まで受けさせてもらえず、在留期限が切れてしまうという事件がおきました。一方で、ソーイング協会の総会に出席することを表明した監理団体は試験日の便宜をはかってもらいお礼のメールを出していました。合格率99%の2号試験で5人全員が不合格となることも不自然ですが、同じ豊田市内の会場での試験が、ビザが切れるまで会場が手配できないなどありえません。
 5月にも伊東産業で昨年不良品を出したベトナム人実習生が30個×5千円=15万円の罰金を請求されました。実習生は5月末に技能実習機構に申告しましたが、監理団体アジェコから「次の会社が見つかるまでの生活費をどうするのか」と電話がかかってきました。結局彼女は「お金がない」と言って翌日アジェコの手配した飛行機で帰国しました。

再び「トヨタの足元で」

 詳しくは別紙の「伊東産業を巡る二つの事件」に書きましたが、伊東産業の伊東和彦氏がソーイング協会の筆頭理事になり、同所に設立した監理団体アジェコの中川氏、柴山理事長が役員となっています。伊東産業の取引各社はアジェコとソーイング協会双方から会員になることを求められ、高い会費に困っています。
 技能実習法第25条には「役員の構成が監理事業の適切な運営の確保に支障を及ぼすおそれがないものとすること」とされています。伊東産業とアジェコはソーイング協会を通して事実上一体であり、アジェコが伊東産業を適切に監理することはできません。
 トヨタグループがビジネスと人権の周知徹底に努力されていることはJP-MIRAIの報告会で見ております。私も昨年のJP-MIRAI会員フォーラム2023意見交換会でこの件を紹介させていただきました。JICAの技能実習制度講演でも紹介しました。また国連人権部会のヒヤリングでもトヨタ関連ということで聞かれ資料を請求されました。
 実習法改正案にむけた有識者会議では監理団体と受け入れ企業との関係が指摘されました。新法で座席シート職種が今後どうなるかわかりませんが、トヨタの足元でこのような状況が続くことは残念なことです。

貴職におかれましても、事情を調査し早急な解決に協力いただきますようお願い致します。
以上
<資料>伊東産業をめぐる二つの事件
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名古屋入管との定期意見交換会

3月12日第11回東海在日外国人支援ネットと名古屋入管との意見交換会が行われました。
実習制度についてこの間の機構名古屋事務所での申告拒否問題についてとても明快な回答がありました。


3.12第11回名古屋入管との意見交換会要望と回答

  1. 技能実習生の保護について
    近年技能の未熟もしくは日本語能力の不足を理由とする解雇や自主退職を求められる事案が増加しています。これは「技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護を図」るという実習法の趣旨に反すると思いますがどうでしょうか?
    社内検品を通過して納品された製品に不良個所があり、5千円×30個=15万円とほぼ月給全額を返すか帰国するか求められた実習生がいます。業務上のミスについて、実習生にのみ月給相当もしくは事実上の解雇(帰国)を求めることは技能実習計画の認定基準である9条9号の同等報酬要件に反すると思いますが、これは不正にならないのでしょうか。

>単に技能水準や日本語能力が不足しているという理由のみで技能実習生を解雇することは不適切であり、また他に合理的な理由があったとしてもその解雇手続きは労働関連法令則って適正に行われる必要があります。そのような場合でも監理団体において技能実習生の意思を確認し、技能実習の継続を希望している場合は適切な転籍先確保に努める必要があります。また、業務上のミスについて就業規則等に基づき処分等することはあり得ますが、技能実習生だけを他の労働者と異なる差別的な取り扱いをしている場合には適正な受入れ経営環境とは言えません。
 なお、不正行為に対する是正指導は外国人技能実習機構において行われるものとなります。技能実習生を受け入れるにあたって、このようなトラブル等を未然に防ぐため実習実施者において面接等を実施するなどしてその技能水準や日本語能力、及び人物像等について十分に把握したうえで受け入れを行う必要があり、監理団体においても雇用関係成立のあっせんの際にはこの点に十分注意すべきです。

  • 不正を申告した結果、実習先を変更することになっても監理団体が移籍先を確保せず、生活費がなくなって一時帰国を求められることがあります。この場合往復の旅費は監理団体の負担にならないでしょうか。

  • >やむをえない事情により技能実習の継続が困難となり、技能実習生が本邦での技能実習の継続を希望している場合には監理団体において転籍先を確保する必要があり、監理団体がその責任を履行しない場合は外国人技能実習機構において実習先変更の支援を行っています。また監理団体及び実習実施者は当該技能実習生が引き続き技能実習を行うことができるよう他の実習実施者や監理団体等との連絡調整その他の必要な措置を講じなければなりませんが、必要な措置とは個々の技能実習生のおかれた状況に応じて必要な支援を行うものであり、様々な支援をおこなうことが想定されますが、例えばお尋ねのケースでは少なくとも技能実習生が往復の旅費を負担することが困難な場合、監理団体が実習実施者に支援いただく必要があります。なお、監理団体は必要な措置を講ずるためにかかった費用を監理費として実習実施者から徴収することは可能ですが、この場合技能実習生本人に直接または間接に負担させることは認められません。

  • 2年目に異動先で、業務で使用する薬品により皮膚症をおこした実習生が監理団体から「元の作業現場に戻ると、技能実習計画の作業とは大きく異なるため、技術を国に持ち帰るという趣旨から外れてしまいます。つまりA㈱での機械加工職種作業では無くなるため、継続が不可能となります。また、今の作業を続けても、怪我や病気が繰り返され危険行為となります。」「A㈱は退職となります」「転籍先を探しますが・・・不合格の場合は帰国になる可能性があること、承知おきください」と言われました。職種違反は監理団体の責任にならないのでしょうか。

>一般的に実習実施者が技能実習生を認定計画と異なる作業に従事させていた場合に計画外作業の○○等から監理団体が適切に実習監理を行っていたか否かを確認の上、法令違反について判断するものとなります。やむを得ない事情により技能実習の継続が困難となり、技能実習生が本邦での技能実習の継続を希望している場合には、監理団体において転籍先を確保する必要があり、監理団体がその責任を履行しない場合には外国人技能実習機構において実習先変更の支援を行っています。なお監理団体は技能実習計画作成の指導にあたって実習実施者の業務内容や事業所の設備・施設等について確認する必要があり、また訪問指導や監査の際にも認定計画に従って技能実習が適切に実施されているかを確認することが求められます。

  • 近年、技能実習機構中部事務所に申告しても労働問題は労働基準監督署に相談するよう言われ、申告を受理してもらえないことがあります。また賃金不払いと解雇は法テラスを紹介されました。
    実習機関に労働基準法関係法令があっても、技能実習法では申告できなくなったのでしょうか。

>技能実習法令違反に関する事実については技能実習生が外国人技能実習機構へ申告することが可能です。申告の対象とならないような場合でも同機構において技能実習生等からの相談として受け付け、必要な対応を行っているものと承知しております。なお、個別の事案の内容に応じ相談先としてより適切と思われる行政機関等を案内することはあり得ます。

 

  1. 技能実習試験機関について
    • 技能実習評価試験座席シート縫製職種の受験料は試験機関であるソーイング技術研究協会の会員25,000円、非会員60,000円(再試験45,000円)と非会員はとても高くなっています。また試験会場が遠隔地だと旅費・宿泊費もかかります。
       JITCOから技能実習法に係る中部地区地域協議会には受験地が他県の遠隔地になるなど、困難を来している受験料が材料費も含め高いことに不満を持っているという意見が毎年出されています。当方にも座席シート実習生受け入れ企業からソーイング協会会員と非会員で受験料が大幅に違うことについて相談が来ており、意見書を提出しています。
       協議会に出された意見についてはどのように取り扱われているのでしょうか。

      >技能実習法にかかる地域協議会において提出していただいた意見等は必要に応じて、事務局を通じて主務省庁へ共有されるものと承知しています。なお、技能実習制度は法務省と厚生労働省が共管する制度ですが、技能実習評価試験の試験機関等に問題がある場合の対応は厚生労働省や当該職種を所管する省庁において行っているものと承知しております。
  • 試験機関の中立性について
    入管の資料では基礎級の合格率は99%です。しかしB社では3人全員不合格となりました。このB社は試験機関の総会に出席した後、「検定試験日程の実習生に対する配慮」にお礼を述べています。
     いっぽう協会に加入しないC社は受験生5人全員が不合格となり、再試験を在留期限3日前にしか受けさせてもらえませんでした。さらに試験結果がでるまで20日かかり、その結果在留資格更新まで1カ月間実習ができませんでした。
     この試験機関は「中には協会の活動や存在を知ってはいるものの便利な機関として唯試験を実施する機関と捉えて試験のみの接点で受験料を払えばいいのではないかとのお考えのお客様意識が強い企業もございます」と言っています。試験機関としての中立性に問題はないでしょうか

>技能実習評価試験の試験機関等に問題がある場合の対応は先ほど申し上げたとおり厚生労働省や当該職種を所管する省庁において行うものと承知しており、当局からの回答は困難となります。

<質疑>

強制帰国させた場合の一時帰国の往復旅費負担

>運用要領にないが検討必要

申告拒否の二件について名古屋事務所への指導は
在留期間が残っていのに帰国を求める誓約書を取った問題
申告書に手書きの委任状をつけサインをつけたのに代理人委任状認めない

>指導する関係ではないが、指導ではないが、行政相談であれば確認はできる。指導は主務省庁になる

 



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実習制度の見直しについて

外国人労働者受入れについて日本政府が方針を確認しました
外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議(第17回)令和6年2月9日(金)

技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議最終報告書を踏まえた政府の対応について(案)(本文)
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gaikokujinzai/kaigi/dai17/siryou2-2.pdf

まだ具体的なことがわかりませんが、今国会に提出されるということなので、ここまでのところでコメントさせていただきます。

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全文は下記から

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トヨタ座席シートの伊東産業で

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JP-MIRAI(責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム)で報告させていただきました。特定企業が監理団体を牛耳っている場合「本当に転籍できるのか」中日11/25が書いてくれたのはこの実習生の事です。
トヨタ座席シート伊東産業にある技能実習試験機関ソーイング研究会、監理団体アジェコと一体です。
機構も厚労省も手が出ません。有識者会議への意見書にも書きましたが新制度で本当に「やむを得ない」理由がある場合には転籍できるのか問われています。

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またしても申告不受理

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実習生は9月21日に機構名古屋事務所に行って危険な薬剤で皮膚炎をおこし退職させられたことを訴えましたが、機構は何もしないので私が代理人となって申告しました。
○ 代理人による申告について
申告は、技能実習生本人だけでなく、技能実習生から委任を受けた代理人によっても可能です。代理人が申告を行う場合にあっては、技能実習生の意思による申告であることを明らかにするため、委任状を併せて提出することが必要となります

昨日実習生がきたので機構に調査の状況を聞きましたが退職から10日たっても調査が行われず、失業給付に必要な離職票の発行も指導されませんでした。

そして、本日機構からは代理人からの申告は受理しないと電話がありました。
トヨタ座席シート伊東産業の事件に続いて2件目です。

申告の内容

実習生は2022513日から1210日まで㈱アイコーのバレル工場で働きました。その間8月と10月に皮膚かぶれを発症した。そのため12月から本社敷地内東工場でコーンリングを擦る工程で働きました。しかし今年913日「重度の刺激性接触皮膚炎」を発症しました。

労災の疑いがあるとして刈谷整形外科病院(労災指定病院)の松永佳代子医師が221029日と23913日に会社に薬品名を聞いたが会社からの回答はありませんでした。薬品名をみると危険と表示され、安全帽、防護眼鏡、防護面、呼吸用保護具、保護手袋、保護着、保護長靴などの着用が求められていますが、実習生に渡されたのはゴム手袋と先端に鉄の入った作業靴のみでした。作業場の写真を見ると眼鏡、防護着など特別なものはありません。これは労働安全衛生規則594条(皮膚障害等防止)に反すると思われます。

労災が疑われる場合には、監理団体が責任をもって労災申請をすべきです。機構からの指導を求めます。

 

実習計画では機械加工・数値制御旋盤作業の職種ですが、実習生はもっぱら研磨剤の洗浄作業と段ボール詰めを行っていました。会社のメールには「元の作業に戻ると技能実習の計画とは大きく異なる」とあり、職種違反の疑いがあります。

これらの事実が確認された場合には事業主都合による退職となります。機構から監理団体に対して離職票請求および失業給付の申請津続きをさせるようにしてください。

監理団体から新しい会社を探すが不合格の場合は帰国と言われました。925日の監理団体からのメールには「(N社面接結果について)面接の評価は悪くありませんでしたが、これまでのトラブルや懸念点、今いる実習生への影響を考えるとお力になれず申し訳ありません」「今後はスレコ(送り出し機関)

へ受け入れ先をさがしてもらいます」と書いてあります。新しい会社はどのようにして「これまでのトラブルや懸念点」の情報を知ることができたのでしょうか。実習生が望まない前職情報を就職先に漏洩することは転職妨害ともなりかねません。このような現状では監理団体による移籍は期待できませんので機構による移籍先支援を求めます。

 

実習生は925日退職となり、927日の退寮日以後いったん監理団体の施設に入るが10/5までしか空きがないため「それ以降はホテル滞在、費用は本人負担」と言われました。そのため実習生は教会の施設に済ませてもらうことにしました。

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出版報告会のお知らせ


下記報告会を開催することに致しました。お祝いメッセージをいただけると幸いです。
「コロナ禍の外国人実習生」 出版報告会
日時 2022年12月25日(日)15時より
会場 労働会館本館中会議室

2017年11月1日に外国人技能実習法が施行されて5年が経過しました。国は「施行後5年を目途に見直し」(同法附則)を行うため、有識者会議を設置し今月から議論が開始されました。
私は外国人実習生の相談活動を行っていますが昨年は92件126名の実習生からの相談をうけ、技能実習機構や関係当局に改善を求めてきました。2020年からはコロナ禍で新たな問題もおきてきました。また、特定技能に関わる相談も増えてきました。そこで技能実習法の見直しにむけてこれらの実態を整理し、意見をまとめ今回出版に至りました。この活動をJICAが事務局の「責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム」JP-MIRAIで報告し先日優秀賞を頂きました。
報告会では出版に至る経過とともに、技能実習制度見直しに係る論点や議論の状況、また愛知県内での多文化共生の取り組みなど紹介したいと思います。

問い合わせ先 
Facebookページ「外国人実習生SNS相談室」
メッセンジャーまたはEmail:skurematsu@nifty.com

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明確に一方的な傷害を「喧嘩両成敗」

関東の大手スーパーチェーンSでの事件
相談者はベルトで殴られ出血、救急車で運ばれました。
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会社は殴った実習生も左腕にアザがりましたが、これは殴ってくる相手の腕をつかんだのに、会社の担当者は「守るというのは相手をつかんではいけない」ので「喧嘩両成敗」としました。担当者は机をたたきながら「どちらが先に手を出したかは関係ない」「ケガの大小は関係ない」「あなたのように流血して病院にいき会社に迷惑をかけた」「懲戒か自主退職=途中帰国どちらにするか」という。
殴った実習生はすぐに自主退職を受入れ、会社は帰国させました。

相談者は目も殴られて外傷性散瞳症で後遺症が残ると診断。明らかに傷害行為だが会社の担当者は「警察に報告したら二人とも二度と日本で働けなくなる」として相談者が医療費の損害を求めることを認めませんでした。

12月9日に監理団体が来ましたが「機構に相談した。入管、警察沙汰になって犯罪を犯したことになった場合は軽度であっても基本的に罰となりビザに関わる」として特定技能でも入国できないと言いました。相談者がOTITn相談するという言うと「それならSに出社しない。寮も出てもらう。届けるので不法滞在になる」と言いました。
このような生活指導員と監理団体は技能実習制度に定める義務に反するため、技能実習機構に受け入れを辞めさせ、実習生の保護を求めました。

 

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「人身取引対策行動計画2022(仮称)」(案) への意見

アメリカから人権侵害と指摘されている外国人技能実習制度。国は特定技能も含めて「人身取引対策行動計画2022(仮称)」(案) を

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つくりわずか2週間のパブコメ募集。11月13日で締め切りです。
果たしてどれほどの意見がくるでしょうか。Line_108945429020679 
11月2日の法務省・厚労省要請を踏まえて外国人実習生SNS相談室として意見を提出しました。









私は2007年から外国人研修生の相談を受け、2015年からは実習生が使用するSNSで相談を受け付けている。昨年は一年間に92件126人の実習生から相談を受け、代理人として技能実習機構への申告も30件行った。そのなかには暴力や暴言、強制帰国など人権侵害となるものも数多くあった。

昨年からは特定技能や特定技能に移行するための特定活動外国人からの相談も増えてきた。彼らには実習制度にある保護規定がなく不法就労を助長するブローカーによる被害も増えている。人身取引対策では外国人のみならず、これら日本人不法就労助長事犯への取り締まりも重要と考え以下のように意見を提出する。

2.人身取引の防止について
(1)入国管理の徹底等を通じた人身取引の防止及び(2)在留管理の徹底を通じた人身取引の防止は主に入管の役割になるが、入管は日本人不法就労助長事犯に対する調査権限を有していない。不法就労外国人を働かせていた日本人ならびに不法就労者を紹介した日本人ブローカーを必ず警察に通報するようにすべきである。

(3)労働搾取を目的とした人身取引の防止
①外国人技能実習制度の適正化の更なる推進
機構による「技能実習SOS・緊急相談専用窓口」は電話とメールでしか受付していない。電話の受付時間も平日で19時までしか行われない。実習生の多くは電話番号を持たず、国際通話無料のSNS電話を使っている。また、平日の日中に連絡できる実習生はきわめて限定される。メール相談はテキストによるもので、証拠の写真や暴力・暴言の動画・録音を確認することはできない。SNSで通訳や相談分野の専門家をいれたチャットにより効率的な相談を行うことを求める。
②外国人技能実習生に対する法的保護等の周知徹底
実習機構はSNSページを持っているにも関わらず、情報発信のみで相談受付を行っていない。技能機構の母国語相談は1万件を超えているが、申告件数は年間100件程度にとどまっている。私は毎年100件程度の相談のうち30件ほど申告にしている。相談では「機構に相談したが監理団体に相談するように」と言われただけのものもある。母国語相談では必ず受け入れ機関の不正がないか確認し、不正が疑われる場合には申告に結びつけるように体制を整える必要がある。
実習生が不正を訴えると帰国承諾書へのサインを求められることがある。これはまさに人権侵害行為であるが実習生は帰国後にさらなる不利益扱いを受けることを恐れてサインしてしまうことが少なくない。帰国承諾書にサインしてあった場合でも「途中帰国確認表」とあわせて途中の帰国理由を聞くようにすべきである。
⑤特定技能制度の適正化
特定技能では「支援計画」に書いてあること以外は全て外国人と受入れ事業者の責任となっている。そのため「実習計画」に書いていない手続き費用などを取られていても訴えることができない。
特定技能では有料職業紹介が禁止されていない。外国人の多くは元の技能実習監理団体か登録支援機関の紹介による紹介業者、またはSNSで紹介を受けている。しかし外国人の多くは職業紹介法を知らないため、違法な職業紹介や不正な就業先を紹介されてもわからない。またSNSでの紹介は海外から行うことも少なくないため職業紹介法の適用がされない。この不正を防ぐためには特定技能外国人を募集するものは全てハローワークに登録し、「支援計画」以外の行政手続きなどに外国人が負担する費用などをすべて記載することが効果的である。ぜひ、検討いただきたい。

3.人身取引被害者の認知の推進
(3)外国語による窓口対応の強化
全国の法務局で面談、電話、インターネットによる相談を受け付けているが、ここにSNSでの相談を追加すべきである。
技能実習機構の母国語相談もSNSでの相談を可能にすべきである。

4.人身取引の撲滅
⑤悪質な雇用主、ブローカーの取り締まりの徹底
労働基準監督署が外国人を不法就労させていたり、日本人ブローカーの存在を確認した場合にはすべて労働局を通じて警察に通報するようにすべきである。「不法就労に関与する悪質な雇用主、偽装滞在、不法滞在に関与するブローカー等の検挙を念頭に人身取引事犯及びその他関連事犯の取り締まりに当たる」に、「入管、労働基準監督署は不法就労助長事犯を発見した場合には警察に通報する」を追加する。

5.人身被害者の保護・支援
(2)保護機能の強化
特定技能外国人が移籍しようとすると新就労先に提出する書類を元の勤務先から出してもらえない、転居に際して法外な費用を請求されることが少なくない。
特定技能者にたいしても保護規定を設け専用の申告窓口を設置する必要がある。

 

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「コロナ禍の外国人実習生」(風媒社)出版

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技能実習法施行5年の見直し時期に合わせて「コロナ禍の外国人実習生」(風媒社1,600円+税)を出版しました。
技能実習制度にはさまざまな問題がありますが、特定技能には申告権もなくブローカーの規制もほとんどできません。
すでに特定技能の相談も増えています。
11月2日に法務省・厚労省要請を行ったあと記者会見を行います。

記者会見のお知らせ
11月2日(水)16時30分~
厚労省記者クラブにて
「技能実習制度の見直しについて」
技能実習法施行5年となります。当日14時から法務省・厚労省要請を行います。この結果も含めて報告します。
技能実習生及び特定技能等外国人問題についての要望書
(1)技能実習法の見直しについて
(2)現行技能実習制度について
(3)特定技能について
(4)不法就労助長罪の情報提供について
(5)旧法時の不正について

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岐阜労働局の調査結果は?

愛媛県で8人の実習生が不払い賃金を訴えました。

コロナ事業で賃金未払い、愛媛

2022/10/08(土) 21:25
9月、実習生がNPO法人「日越ともいき支援会」(東京)に賃金未払いを相談。同法人から通報を受けた外国人技能実習機構や労働基準監督署が、行政処分も視野に調査を進めている。

「外国人実習生SNS相談室」(風媒社2017年)に岐阜アパレル問題を書きましたが、国会でも追及し2017年には経産省が工賃調査を行いました。
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業界では次々と行動指針を出していますが、実態は変わっていません。
岐阜労働局は毎年「外国人技能実習生を雇用する事業場に対する監督指導結果」を公表してきましたが、縫製業は全然改善されていません。今回の愛媛の事件も同じ状況だと思われます。例年この時期に前年度の調査結果が公表されてきましたが、今年は「公表予定は決まっていない」そうです。職種別データは少なく、全国でもとても貴重なデータです。ぜひ、厚労省として公表をお願いしたい。
Gihu2017 Gihu2018 Gihu2019 Gihu2020

 

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