やはり農業・建設業に問題

今年度上期の失踪者数が3000人を超えました。
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さらに昨年9月から始まった職種別失踪者の統計をみると農業、建設業での失踪者がダントツに多くなっています。実習生の割合では農業が12%程度、建設業が15%程度ですから失踪の割合は他の二倍になっています。
これは実習制度の問題だけでなく、その産業にも原因があると思われます。
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日弁連がシンポ

Asa17103111月からの技能実習法施行をまえに日弁連がシンポジウムを開催しました。
弁護士から新制度の説明のあと、JAM労組から岐阜の縫製業での最賃300円のなど不正の事例が報告され、ビルマ(ミャンマー)人労組からも発言がありました。このブログで取り上げた事件よりさらに安くなっていました。

介護の日本語問題 

 EPAで日本語教育をされている専門家からはEPAに比べて実習生は母国での資格、教育でも、日本に入国時、2年目になる日本語レベルも教育も全く低いことなど指摘されました。「それでも人手不足で背に腹はかえられない」と受け入れる事業所が出てくると、一部の重労働だけに使われる可能性があります。

監理団体を廃止=韓国の「外国人雇用許可制度」
 日弁連からは3月に行った韓国での調査が報告されました。韓国では日本と同じ研修・実習制度を導入しましたが、失踪者が多く、実習制度を廃止して雇用許可制度にしました。失踪率、違反も大きく改善されています。
「許可制度」では送り出し機関、受入機関を廃止して両国政府が責任をもって行います。受入国は2国間協定を結んだ国(16カ国)に限られ、ブローカーも介在できません
また受入業種・企業は一定期間募集しても求人がなかった場合など条件が設けられ、人数制限もあります。受入企業に不正があった場合には企業を変わることができます。
11月から新法施行
実習機関の届け出制、滞在期間や労働者へのモニタリングなど、日本の実習制度と似た点もあります。不正や失踪者が無くならないようであれば、日本でも韓国のような許可制度に切り替えることが可能だと感じました。

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実習機構を訪問

20171029_20_53_24 11月からの実習生新法(技能実習法)の施行を前に、技能実習機構名古屋事務所を訪問しました。機構では課長と指導係長に対応いただきました。二人とも名古屋入管でお世話になった方なので、経過も含めていろいろお話を聞くことができました。

旧法での駆け込み申請
新法では実習企業の届出が必要になります。届出は管理責任者、実習指導者、生活指導者などたいへん多くの書類を提出することになっており、個人事業者ではとてもたいへんな量になっています。名古屋事務所ではこの届け出を受理しています。ところが、今のところはまだそれほどの届け出がきておらず、逆に名古屋入管のほうは通常の1.7倍になっているそうです。今月中であれば、旧法での受け入れができるからです。
すでに増員の要請
名古屋事務所は東海4県を管轄します。また富山出張所も名古屋事務所の管轄になるので全体では5万人の実習生を受け入れ。これを40人の体制で審査します。うち、現場調査に入れる資格のある方は10名だけで静岡県にまで出かけるそうです。当日もほとんどの指導官が調査にでていました。すでに増員を請求しているそうです。
労基署、入管との合同で
新法では厚労省と法務省が主務大臣となり、機構に調査権限を与えています。また監理団体への調査を労働基準監督官に行わせることになっています。実習生から機構への相談・申告内容をみて労基署、入管に伝えたり、合同での調査を行うことになっています。
今後も連携して
これまでは実習生からの訴えを整理して、労基署と入管に届けてきましたが、来月からは実習生が機構に相談できるようになります。また、実習生から委任状をもらえばだれでも代理人になって、代わりに告発することもできます。これからも連携して不正を一掃したいと思います。

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二つの動画から

来月から新しい技能実習法が施行されます。これを前に外国人実習生についての二つの動画(ベトナム語)を紹介いただきました。
一つは、これからはブローカーなどがなくなりよい実習ができるだろうというもの。
どこかで見たことのある男性が話しています。

もう一つは移住連がつくった、いろんな事件を取り扱ったもの。数か国語があります。
このような目にあったときに、相談できるようにしておくことは絶対に必要です。
どちらが、どれくらいの割合かはわかりませんが、これまで多かった事件がすぐに減るとは思えません。とくに農業、建設業と縫製業は産業のほうに問題があります。
今後、コンビニ、介護が増えますが、どちらも日本人の人手が不足しています。実習生がどこまで対応できるのか不明な点があります。

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監理団体にも労働基準監督官が

これまで、監理団体は各行政機関が認めた「非営利組織」であれば技能実習生を受け入れることができましたが、新法からは技能実習法に基づく許可が必要になりました。
技能実習機構は各地方に事務所を持っています。実習計画の申請は地方事務所が受理・調査を行います。監理団体は機構の本部が申請を受理し許可証を発行します。監理団体への調査は労働基準監督官が行うことになっています。
(監理団体の許可)
監理団体は主務大臣の許可を受けなければなりません。
主務大臣は監理団体からの申請書類を調査します。この調査の全部又は一部は機構が行い主務大臣に報告します(第23条、24条関係)。
許可証は監理事業を行う事業所毎に発効しこの事務は機構が行います。(第29条関係)
(報告徴収等)
主務大臣は監理団体及びその役職員等に対し、報告、帳簿書類の提出・提示、出頭を求め、又は当該主務大臣の職員に関係者に対して質問、立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件を検査させます。(第35条関係)
(職権の行使)
主務大臣は、報告徴収等に関する事務について、第35条第1項に規定する当該主務大臣の職員の職権を労働基準監督官に行わせることができる。(第105条関係)
関連条文

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実習企業は届出が必要

 同じ場所に二つ、三つの会社名で実習生を受け入れていることがしばしばありました。そのため、解雇されて失業保険の給付申請にいくと名前が見つからないことがあります。岐阜県山県市の矢口縫製で解雇された実習生はハローワークの担当者が探してくれましたが、「ファッションみえ」の会社名で登録されていました。先日解雇された実習生は移籍前の会社名が見つからず、加入実績が確認されませんでした。
新法では実習企業の届出が必要
 これまでは監理団体が実習計画を提出するだけで、実習企業としての届出は必要ありませんでした。新法では実習企業は機構の地方事務所・支所の認定課に届出が必要となります。届出には実習指導や相談などの体制の基準が定められています。「制度の趣旨を理解せず、労働力の需給の調整の手段として実習生を受け入れる事業者は実習生に対する労働関係法令違反や人権侵害行為等の問題を生じさせる可能性があるため」です。(要領p55)
①実習責任者Un
 実習責任者は常勤の役員若しくは職員である者、自分以外の実習指導員、生活指導員等を
監督する立場にある者、過去3年以内に講習を受けた者(※経過措置あり)でなければなりません。従って新人職員を名ばかりの責任者にすることはできません。(要領p69)
②実習指導員と生活指導員は常勤職員
 実習指導員はその事業所に所属する常勤の役員または職員で、実習技能に5年以上の経験が必要です。生活指導員も常勤の職員に限定され、それ以外の者は生活指導員の補助に限られます。
③通訳
 実習企業は母国語に対応できる常勤又は非常勤の職員を自ら確保している必要があります(派遣労働者も可)。メールや電話での相談の体制を委託により整備することでは認められません。また監理団体の相談員と重複する者を選任することでは認められません。(要領p97)
④実習場所の変更届け出
 建設業では工事現場が就業場所となり、必ずしも一か所とは限りません。これまでの相談例では鳥取県の建設業者が東北の工事現場に「下請け」として参入し実習生を働かせていながら、広島県の監理団体は毎月必要な訪問指導を行っていませんでした。
 新法では必須業務・関連業務及び周辺業務として具体的な業務ごとに記載した事業所を実習計画書に記載する必要があります。これを変更する場合は届出が必要となります。(規則17)
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家賃、水光熱費の基準が厳格に

来月から技能実習法が施行されます。詳しい内容を記した「運用要領」もできましたが、業者さんのなかには「クミアイから説明がない」方もいるようです。罰則もあり、「知らなかった」では済まないのですぐに対策をたてましょう。
寮費や実習生が負担する費用について 「主な改善点」より「171001.docx」をダウンロード
 食費、居住費、水道・光熱費などの費用は事前に技能実習生との合意が必要です。これらを賃金から控除する場合にはその内容を書面で渡さなければなりません。また備品費や親睦会費などの名目でお金を取られる場合もありますが、これらも含めてその費用は実費相当でなければなりません。(運用要領p87)
①寮費について
 寮費は実費なければなりません。高額である場合には十分な説明、立証が求められます。
旧制度では会社が所有する寮は実費がわからないとして「諸般の事情を総合的に考慮した上で、社会通念上著しく不当であるかを判断」となっていました。そのため5人部屋でひとり4万円の家賃でも「不適正ではない」とされました。新法ではすっきりした基準になっています。
○自己所有物件の場合
 建設・改築等の費用、耐用年数、技能実習生の人数等を勘案して算出。
 EX建築費2000万円で築20年の4LDK木造住宅に9人の場合。
  2,000万÷(築20年×12月)÷9=9,260円
〇借上物件の場合
 借上げ費用(管理費・共益費を含む、敷金・礼金・保証金・仲介手数料等は含まない。)を技能実習生の人数で割った額以内
②水道・光熱費
 実際に使った費用を技能実習生と同居している者(実習実施者やその家族を含む)の人数で割った額以内。
③食費
〇食材、宅配弁当等の現物支給の場合:購入に要した額以内の額
〇社員食堂:技能実習生以外の従業員から徴収する額以内の額
〇賄い付きの場合:材料費、水道・光熱費、人件費等の費用を利用者全員(技能実習生以外も含む)の人数で割った額以内

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やはり給与明細の交付を

14937072_637459329759299_18104673_2 労基署の指導後社長がトンズラして解雇された実習生達。組合の用意した宿舎に移動したが、失業給付の手続をしてもらえませんでした。解雇後まもなく一ヶ月になる先週、やっとハローワークに連れていってもらいました。ところが・・・・
雇用保険に入っていない?!
ハローワークにいったところ3名のうち1名が加入実績が不明。彼女は昨年残業代500円を訴えて、この7月から移籍してきました。ハローワークでは移籍前の会社で雇用保険の加入実績が見つからないというのです。
給与明細がない!!
彼女は現在の会社も以前の会社も給料日には現金を受け取るだけで、給与明細はありません。そのため雇用保険料がいくら引かれていたのかわかりません。また、同じ場所にいくつもの受入事業所が登録されている場合も少なくありません。ハローワークの担当者が一生懸命調査してくれています。
実習生には給与明細交付義務づけを

 事業者のなかには毎月の給料明細を渡さないところがあります。銀行振込の場合は必ず給与明細を渡すことになっていますが、現金支給の場合には労基法で義務付けられていないからです。
 しかし所得税法では明細を交付しないと1年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。(所得税法231条、同242条)。また健康保険料、年金保険料、労働保険料を差し引いた場合はその計算書を作成し、実習生に渡さなければなりません。これも各法律に定められています。
厚労省の監理官は「技能実習法に書いてない」と給与明細の交付義務付けを拒否しましたが、実習生の保護には必要です。少なくとも雇用保険か加入が義務付けられていますので、この計算書の交付はハローワークから求めることができるはずです。
給与明細が渡されない場合には「機構」に相談し、厚労省に連絡してもらいます。

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監理団体・実習企業・ブローカーの禁止事項と罰則

11月から施行される「技能実習法」の特徴の一つに様々な罰則が設けられたことがあります。実習事業者の中にはまだよく知らない方もいるようですが、監理団体から説明を受けてください。

監理団体・実習企業・ブローカーの禁止事項と罰則

旧制度では「技能実習生の入国・在留管理に関する指針」において「不正行為に当たると判断された場合の措置」が定められており、一番厳しい「措置」でも5年間の受入停止でした。新法では法46条から48条に禁止行為を定め49条で申告を理由とする不利益扱いを禁じ、刑事罰を定めています。(運営要領第6章「技能実習生の保護」第10章 「違法行為による罰則」 

(1)監理団体・実習企業又はその役職員による以下の行為は禁止されています。

①暴行・脅迫・監禁等による実習の強制

 暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束するなど、実習生の意思に反して技能実習を強制すること。この場合には1年以上10年未満の懲役又は20万円以上300万円以下の罰金という厳しい罰則が設けられました。

②保証金・損害賠償予定、強制貯金

 実習生及びその家族等に対し、技能実習に係る契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約。監理団体が送り出し機関とこの違約金を設定すること。実習契約において貯蓄の契約をさせたり、通帳・印鑑を預かること。

③在留カード・パスポートの保管

 実習生の意に反して在留カード、パスポートを保管、外出等その他私生活の自由を不当に制限することは重大な人権侵害となります。解雇や金銭的な不利益を示して勤務時間外に外部の人と連絡をとることを制限したり予告した場合も同様の人権侵害になります。

②と③の違反は6ヶ月以下又は30万円以下の罰金が課せられます。

④実習生はこれらの不正があった場合、その事実を機構に申告することができます。また、この申告をしたことを理由として、技能実習生に対して不利益な取扱いをすることは禁止されています。

(2)罰則の適用

①ブローカーにも罰則

 これまでの制度では「常勤の職員が外国人技能実習に係る不正行為」を行った場合を処分の対象としていました。このため、許可を受けられないブローカーが実習制度に介入しても罰則がありません。業務委託を受けた派遣会社の社員が不正に関わっても処分を免れていました。しかし新法の禁止事項では許可を得た監理団体、実習企業だけでなく許可を受けずに実習制度に介在するもの(いわゆるブローカー)にも適用されます。

②非常勤・派遣労働者、ブローカーの違反でも受入機関に罰則

 運営要領p286では「法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、上記の罰則(第54条第4項及び第56条第4項に係るものを除く。)の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各 本条の罰金刑を科すること」としています(両罰規定。第113条)。

 この「従業者」とは「直接間接に事業主の統制、監督を受けている者で、契約による雇人でなくても、事業主の指揮の下でその事業に従事していれば、従業者である」(「他の法令による罪に対する摘要」)とされています。ここには常勤役職員のみならず非常勤職員、派遣社員も含みます。派遣社員が不正を行ったり、ブローカーに実習生をあっせんさせていた場合でも監理団体、実習企業が処分されます。

 

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技能実習法の主な改正点

11月から「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(=技能実習法、以下「新法」)が施行されます。その詳細については「技能実習制度運用要領」に定められましたが、資料も含めると500ページにも及ぶもので、通帳やパスポートを預かった場合には懲役6か月以下または30万円以下の罰金など厳しい罰則が設けられました。実習企業はもちろん監理団体にとっても全体を理解するのには相当な時間がかかります。「運用要領」→http://www.moj.go.jp/content/001222425.pdf
そこで、実習生とそれを支援するみなさんに必要と思われるところを「主な改善点」としてまとめました。
外国人実習生支援のための
「技能実習法」の主な改正点「1710.docx」をダウンロード
(2017年11月1日施行)対応
技能実習法の主な改正点(運用要領から)
(1)外国人技能実習機構の設立
(2)技能実習計画の認定制
(3)実習企業の届出制
(4)監理団体の許可制
(5)技能実習生の保護
(6)二国間取決めに基づく送出国による送出機関の認定
実習生支援のための改正点のポイント
(1)実習生に訴える権利(申告権)ができました。
(2)報酬額は日本人と同等以上
(3)寮及び実習生の負担について
(4)移籍、再実習、帰国について
(5)監理団体について
(6)実習企業について
(7)講習について
(8)監理団体・実習企業・ブローカーの禁止事項と罰則
(9)その他
運用要領にはこの間取り組んできた家賃の問題、職種違反の問題、メールでの申告、ブローカーまでの罰則の適用などかなりの問題を記載してもらいました。そのうえで、さらに実効性を高めるため下記の改善要望をまとめました。「171001.docx」をダウンロード
外国人実習制度の問題点と課題
産業政策・経済政策として
①農業・建設業に多い失踪者
②人手不足に対する産業労働政策
③最低賃金を払えない・・・
産業政策・経済政策としての対策を
運用要領の改善と監督体制の拡充を要望

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