トヨタ紡織座席シート元請けによる不正を告発しました。特定技能職種資格に関わる重大事件です。実習生を帰国させてしまわないよう緊急に申し入れました。
厚生労働大臣殿、法務大臣殿、技能実習部 認定課様
2024年10月10日
申告代理人
外国人実習生SNS相談室 榑松佐一
申告書
日頃外国人実習制度の適切な運営にご尽力いただきありがとうございます。
今回自動車座席シート職種技能実習試験について重大な問題がありましたので、実習生に代わって申告します。
実習生氏名 A 2023年12月15日生 女 B 1999年7月25日生 女
実習企業 K(岐阜県C市)
実習生は今年6月1日に座席シート基礎級の試験で不合格となり、再試験は二か月後の8月に行われ、その結果が9月に発表され、2名が実技試験で不合格となりました。在留資格が10月19日までですのでまもなくビザがきれてしまいます。
技能実習基礎級試験は技能実習を始めて6月後から受験でき、全体でも99%近くの合格率となっていますが、座席シートでは非会員企業の受験生が一次試験を全員不合格となることが毎年起きてきました。今年6月の試験でも数社の非会員企業で全員が不合格となり、この二人もそのなかです。監理団体は「これまで9カ月なんの問題もなく働いてきたのに基礎級試験の実技で落ちるなんてありえない」と言っています。試験機関からは何点で落ちたのか、どうして落ちたのか理由を教えてもらえません。むしろ試験機関のほうになんらかの問題があるとしか考えられません。
座席シート職種試験については中部地域協議会にJITCOから毎年のように意見が出されてきました。また「技能実習評価試験の整備に関する専門家会議」で二回も審議され、そこでも様々な問題が指摘されてきました。特に試験料がソーイング協会会員企業2.5万円に対し非会員企業6.5万円と大きく違います。さらに二次試験は4.5万円取られるため、3人不合格となると33万円も取られます。
現在残業代不払い事件で半田労基署が調査に入っている座席シート縫製A社はタイムカードを押した後もその日の納品量をこなすため毎夜10時まで働いています。法定時間を超えた分は現金払いです。仕事の遅い新人は残業代が払われません。ここは社長と妻、息子の3名の会社ですが、賛助年会費30万円を取られています。零細企業は試験を落とされないために会費を払わなければなりません。トヨタ紡織のような大企業が3口90万円を払うのと零細企業の30万円とは全く違います。
試験問題を巡っては会員企業の実習生のなかで過去問題が流通していることが指摘されています。以前は会員だけ過去問題を閲覧できるとホームページに書かれていました。
先の国会で立憲の鈴木庸介議員が技能実習試験について「問題の作成に関わっている人たち。問題を作る人たち、そして試験官をする人たち、この人たちの中に、技能実習の受け入れをしている人とかはいないという理解でよろしいんですか」と質問したのに対し、国は「試験の監督及び採点についてはいないという形でございます」と「試験の監督についてはいないということなんですね。では、それ以外はいる」ことを否定しませんでした。
先の国会では監理団体の独立性・中立性が議論になりましたが、試験機関にはさらに公正さが求められます。ソーイング研究協会は発足時から下記の役員がほとんど変わらないばかりか、伊東産業と監理団体アジェコの同じ役員がずっと付いています。試験機関の公正さについて、国として監査すべきです。

以下委任状、在留カード、陳述書