紹介手数料と悪徳紹介会社
特定技能外国人の紹介手数料問題
今回育成就労で転籍の自由が拡大されます。実習制度でも2024年11月から「やむをえない事由がある場合」の転籍要件が明記されました。しかし私の相談では必ずしも順調に転籍できているとは思えません。
受け入れ機関に不正があった場合、監理団体が転籍先を確保することになっていますが、転籍先を見つけてもらえないことがしばしばありました。またその場合技能実習機構の転籍支援を受けることができますが、そこでは一定期間に見つからない場合には帰国するという同意書にサインさせられることもありました。今回の育成就労についても監理団体からは「お客さん」との関係で否定的な意見がしばしば聞かれます。
佐賀大学の早川智津子さんはジュリスト6月号のなかで機構とハローワークによる支援は「不透明」だと指定しています(別資料)。育成就労では「本来介入させないはずの民間の職業紹介事業者を業務請負で委託している場合がある」と指摘します。
特定技能でも職業紹介法で本人からの手数料は禁止されています。「しかし、特定技能登録支援機関のなかには、厚生労働大臣の許可を受けないまま、実態として職業紹介事業を行っているものも相当数あるのではないか」「国内外の職業紹介を引き受ける職業紹介事業者もある」(〃早川)と指摘されています。
国内にいる外国人の転職手段をみるとハローワークの利用は1割にも満たず、知人友人ルート、インターネットの利用が多くなっています。「職業安定法が、原則として国外に適用できないなか」取り締まることがむつかしくなっています。
国による実態調査を求めます
高騰する紹介料と悪質紹介会社
このようななか、医療・看護・介護の紹介手数料が大幅に上がっています。日本医師会の調査によれば介護事業所では全収入の20%が紹介料に使われています。派遣会社が闇カルテルで派遣料を引き上げていることも明らかになっています。(「有料職業紹介事業に関するワーキンググループ報告書」から)![]()
知り合いの監理団体によればインドネシアの紹介会社が日本にいる特定技能者を辞めさせて、別の医療機関に紹介して金儲けをしているそうです。
先の調査でもインドネシアでは2023年にKP2MI(移住労働者保護省)が独立し、世界への移住労働を所管します。KP2MIの下にBP2MI(移住労働者保護局)がおかれ、P3MI(民間職業紹介会社)を認可することになりました。特定技能(SSW)はここが所管します。技人国も保護省の管轄になります。しかし、この制度は始まったばかりで大半は個人手続き(MANDIRI)で出国しています。そのため、政府の許可を得ない紹介会社がこういうところに手を出していると思われます。
国には外国の紹介会社の調査を求めたいと思います。
ジュリスト6月号から
ダウンロード - e382b8e383a5e383aae382b9e38388.pdf
介護労働者送り出し国調査報告
2027年からの育成就労制度への変更をまえに外国人労働者受け入れ制度の議論が速いスピードで行われています。
専門家から「審議会は日本側からしか見ていない」という意見を受けて、五か国調査に行ってきました。
3国は私も会員になっているJP-MIRAIのスタディツアーで、2国は名古屋のメンバーで行きました。
そのうち、介護労働者の送り出しについて報告書をまとめました。
関心のあるみなさん、ぜひご覧ください
ダウンロード - efbc95e382abe59bbde5a0b1e5918ae69bb8efbc88e5889de7a8bfefbc89.pdf
データでみる「あなたのすぐ側にいるガイコクジン」
データでみる
あなたのすぐ側にいるガイコクジン
外国人実習生SNS相談室 榑松佐一
先の選挙では日本人ファーストが叫ばれ、なかには外国人バッシングもありました。
日本にはすでにたいへん多くの外国人労働者が働いています。自動車下請け企業からみなさんが毎日利用しているスーパーの食品工場、介護職場も外国人労働者なくしてはできません。
地域によっては住民の一割以上が外国人というところもあります。
しかしほとんどのみなさんは、それらの外国人と話したり、友達になったことがないと思います。
実は外国人バッシングをしている人たちの多くも同じだと思います。
労働者で一番多いのはベトナム人ですが、なかには中国が嫌いという理由で、どこの国かもわからず「ガイコクジンは出ていけ」と言っている人もいます。
私は長く外国人研修生・実習生からの相談を受けてきました。
言葉や習慣は違っても一人ひとり同じ人間です。
でもなかなか知り合いになる機会は少なく、勇気も必要です。
そのためにまず「あなたのすぐ側にいるガイコク人」について知ってもらえるものを作りました。
ぜひ皆さん、あなたの側にいる外国の方に、やさしくゆっくり話しかけてみてください
ダウンロード - e38387e383bce382bfe381a7e381bfe3828b.pdf
国に質問します
質問書
2025年9月13日
外国人実習生SNS相談室 榑松佐一
(1) 技能実習試験機関について
① 技能実習制度における移行対象職種・作業の追加等に係る事務取扱要領(令和2年4月)には「試験実施機関の要件」として「(8)技能実習制度に係る監理団体又は実習実施者ではないこと」となっている。しかし自動車座席シート試験機関であるソーイング技術研究協会はトヨタ紡織のティア2である伊東産業の伊東和彦氏が同社の敷地内に監理団体アジェコ専務の夫中川雅彦氏を事務局長、筆頭理事伊藤和彦氏、監査はアジェコ理事長の柴田東一郎氏で設立した。国はどういう監査を行ってきたのか。
② 専門家会議で指摘された会員と非会員の受験料について今年4月から全員6万円に引き上げられた。これについては中部地域協議会に意見が続いており、9月から4.7万円に下げられたが依然として高額である。
③ 育成就労になると3号専門級はなくなるが、専門級試験を受けずに特定技能試験に合格したら、特定技能への資格変更は可能か。
④ ソーイングの会員になった会社が試験日日程に便宜を図ってもらい、会員にならなかった会社は便宜を払ってもらえなかった。非会員は基礎級試験で5人が不合格になり、再試験の日程も在留期限ぎりぎりを指定されたため全員一泊で受験した。前回の要請で「便宜を払ってもらえなかった理由として非会員だからと言っていないので問題ない」としたことはかわらないか。
(2) 建設業の失踪問題について
依然として失踪者の建設業割合が高いが建設業での失踪理由の調査は行ったのか。
国土交通省が月給制導入による安定的な賃金の支払い、建設キャリアアップシステムの登録義務化、建設業許可を要件化、受入人数枠の設定などを打ち出したが、効果はでていない。現場からは協会会費ばかり取られて、具体的な問題の聞き取りや対策がないと言われている。
(3) やむを得ない場合の転籍について
昨年度の相談件数と申告件数は何件か
そのうちやむを得ない事由で転籍が認められたものは何件あるか
(4) 特定技能・技人国の多国籍化について
近年、特定技能と技人国の人数が急増すると同時に、多国籍化が著しい。政府はウズベキスタンなどの新しい国からの受け入れを発表している。この場合、
①送り出し国との2国間協定はすべて結ばれているのか。
受け入れ企業が、送り出し国政府が確認した契約書と違う契約書を入管に提出しても問題ないか
②日本国内の受け入れ態勢は検討されているか。
労基署、ハローワークの通訳は確保されているか
多国籍化に対応する子どもの日本語教育や自治体任せになっていないか。
(5) 職業紹介について
入管庁によれば特定技能で1年後も同じ会社にいるものは74%、帰国が16%となっている。帰国したなかにも一時転籍したものが含まれると思われる。いっぽう「外国人労働者の入職経路別構成比」(厚労省)によれば、知人・友人、インターネットが5割をこえている。
相談では高額な紹介料を払ったり、入管手続きに高額な手数料を請求されたり元の会社から必要な書類をもらえないなどの例が後をたたない。今後育成就労での転籍が可能となるが、監理団体からは自分のお客さんから出ていく外国人の支援には消極的な声が多い。
ハローワークの外国人雇用サービスセンターでは特定技能の求人が始まったが、今後全国のハローワークで在留資格別の求職・求人受付はできないか
(6) 外国人の派遣労働について
先日愛知県豊田市の人材派遣会社ネクセルの社長が逮捕された。この事件は昨年12月に当方にも相談があったが、トヨタの下請け29社に157人を派遣し賃金不払いで社長が逮捕された。
① 技人国の派遣労働者は何人いるのか
② 技人国派遣労働者を雇用した場合、派遣先は外国人雇用の届け出を行っているか
③ 在留資格の期間中に派遣先を変更した場合に、入管への届け出は必要か
④ 派遣先を派遣会社の事務所として登録し、事務所を変更する場合(実質の派遣先変更)に届け出は不要か
ソーイング協会を監査せよ
外国人労働者受け入れにかかわって特別な規定を付けられている繊維産業。協会会費に加えて繊維連盟から監査費用11,000を請求されます。
さらに育成就労でも上乗せ基準
育成就労でも繊維製品に入ることになった自動車座席シートでは1年目の基礎級試験でひとり6万円。ソーイング協会に加入しない会社ではやったこともない作業を実技試験にだされ不合格にされ再試験に4万円取られました。
先月の技能実習中部地域協議会にJITCOから意見書がだされています。
今後特定技能にいくためには3号試験の合格が必要になるそうです。
経営者からは3年で帰国する人には3号試験6万円を払いたくないと声がでています。
監査するならまず、試験機関ソーイング協会を監査すべきです
技能実習中部地域協議会への意見書
技能実習中部地域協議会の意見募集がありました。
締め切りは6月2日です。
毎年意見陳述を行ってきましたが、今年はJP-MIRAIスタディツアーでインドネシアに行っている期間になります。
web参加も可能ですが当日はインドネシアJICAとの懇談時間ですので今年は初演だけにしました。
技能実習法に係る中部地区地域協議会様
2025年5月26日
愛知県労働組合総連合
外国人実習生相談室 榑松佐一
技能実習制度についての意見
技能実習制度については2027年より新たな「育成就労」制度となることが決まっています。すでに育成就労制度についての省令案がだされパブコメも行われましたが、経過措置も長くのこります。また技能実習機構が引き続き両制度に関わることから、一層の拡充を期待して意見を述べます。
(1)技能実習試験機関について
技能実習試験機関には下記のような問題がありますので、試験機関のありかた、受験料、監査制度等について各省共通の規則を定めるべきだと思います。
私はこの間、技能実習自動車座席シート試験機関であるソーイング技術研究協会(以下ソーイング協会)の問題点を指摘してきました。ソーイング協会はトヨタ紡織のティア2である伊東産業の伊東和彦氏が自社の本社前敷地に、国会議員亀井静香氏の元秘書中川雅彦氏を事務局長にして設立したものです。ここには07年に私が不正を告発して不許可となったトヨタ技術交流事業協同組合(代表伊東氏)がありました。同所には監理団体アジェコが設立され、専務は中川氏の妻です。ソーイング協会の筆頭理事は伊東氏、監査はアジェコ理事長の柴田東一郎氏でした。技能実習制度における移行対象職種・作業の追加等に係る事務取扱要領(令和2年4月)には「試験実施機関の要件」として「(8)技能実習制度に係る監理団体又は実習実施者ではないこと」に違反していますが国は昨年までこの状態を放置してきました。
元理事安達賢太郎氏と中川雅彦氏は亀井静香氏の政治資金団体「名香会」の責任者で、厚生労働省 職業能力開発局海外協力課や経済産業省製造産業局審議官らが出席した「自動車シート縫製」職種追加に関する連絡会議でも中川氏が閉会あいさつをするなど厚労省・経産省と太いパイプがあります。
ソーイング協会は高額な協賛金を納める会員には過去問題を見せていました。当初は協会のホームページに書かれていましたが、入管への告発後に消えました。また会員企業の実習生のなかで過去問題が流通していること、会員企業と非会員企業で合格率が違うこと、合格率98%の基礎級試験で座席シートでは非会員で5人全員不合格となったという相談が複数の企業からありました。当方に送られてきた内部メールには会員になることを了解した企業から中川氏に「今回の検定試験の受験に弊社の再試験3名のためにご配慮をいただきありがとうございます。○○様からご連絡を頂き、中川様からのお話ということをお聞きして感激しました。…7月8日の○縫製での再試験の受験についてのご配慮本当にありがとうございました」とありました。
会員企業が再試験の日程で便宜をはかってもらい、非会員の実習生は2カ月以上先になり結果発表前に在留資格が切れたこともありました。これについて厚労省は議員レクの場で「合格率は調査していない」と説明。「便宜をはかることは問題ない」、「便宜をはからなかった会社が非会員だからとは言っていない」と答えました。
これについて昨年の衆院法務委員会で鈴木庸介議員が「試験の監督についてはいないということなんですね。では、それ以外はいるということですよね」「例えば、その問題を作っている団体、こうしたところが企業とかに便宜をはかったりとか、その便宜のあり方として問題の内容を示唆するといったことというのは100%起こっていないということを確認をしたい」と指摘しました。
また実習生の受験料が会員は2.5万円に対し、非会員は6万円と高額でした。技能実習中部地域協議会にはJITCOからも毎年意見書が出されてきました。この問題については昨年「技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議(第57回)」でも議論されました。今春から会員と非会員の受験料の差は無くなりましたが、結果的に全員6万円に値上げされました。入国後6カ月以上で受ける基礎級試験料としてはあまりに高いという声が今も届いています。
技能実習試験機関の公正さを確保する規則が必要です。またソーイング協会が育成就労と特定技能の試験機関にならないよう貴職から意見を出してください。
(2)やむをえない事由がある場合の実習生の移籍について
現行法でも以前からやむを得ない事由がある場合には移籍が認められてきました。さらに昨年11月1日「技能実習制度運用要領」の一部改正のなかでより具体的に明示されました。
しかしこれまで、技能実習終了者が特定技能に移行する際に元の実習機関・監理団体が経歴書や実習終了証を手渡さないという相談が多数寄せられてきました。すでに在留資格が特定活動に変ったものについては機構で相談を受け付けないため、入管に訴えて対応いただきました。これについては技能実習終了者であっても上記書類の請求があった場合受け入れ機関は必ず応じるよう義務付けるべきです。また入国後講習で「出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法」と同時にこの移籍手続きを説明するようにすべきです。
昨年5月8日の衆院法務委員会で政府参考人は「立証責任の課題でございますけれども、やむを得ない事情がある場合の対応の必要性や緊急性を踏まえまして、例えば外国人からの資料などに基づく一定の疎明があった場合には、機構においてやむを得ない事情がある場合と認定し、転籍を認める場合もあることを明確にする」と答弁されました。しかし機構の事務所は全国にあるわけでなく、夜間、土日は休業ですので技能実習生が資料を持って説明に行くことは困難です。そのため「やむを得ない事情」があっても機構に行かず、失踪しているのが現状です。答弁では「やむを得ない事情による転籍が実効性のあるものとなるよう、具体の検討を進めてまいりたいと考えてございます」と言っています。育成就労外国人の多くが、日本語が不十分で携帯電話番号を持たないことからSNSでの申し出を可とし、録音や動画を資料として受け付けられるようにする必要があると思います。
(3)技能実習生の保護について
この間、不良品を出した実習生が罰金や帰国を求められたという相談がありました。技能実習制度は、「我が国で開発され培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、その開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的」としています。この趣旨から実習生が日本人と同等の業務ができず、ミスで受け入れ機関に損害を与えた場合であっても解雇や日本人と同等の処分を受けることはありません。再度受け入れ機関への徹底をすべきだとおもいます。
講習では出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法を教えることとなっています。技能実習生には申告権があり、また「申告は、技能実習生本人だけでなく、技能実習生から委任を受けた代理人によっても可能です」(運用要領留意事項)となっています。講習でこの方法を教えるべきです。
(4)技能実習生の失踪について
実習生の失踪が減りません。「技能実習生の失踪者の状況」(入管庁)では技能実習生の失踪者の状況とりわけ建設業種は失踪率が全体の2倍以上となっており、産業に問題があることは間違いありません。また農業も実習生の入国割合に比べて失踪率が高くなっています。「業所管省庁における失踪防止対策」は全く効果が上がっていません。入管庁との情報共有に止まらず、国交省として失踪原因の調査と対策が求められます。
今年度から訪問介護にも外国人が解禁されましたが、パワハラなどによる失踪も危惧されます。介護も建設・農業とおなじく賃金が低く、日本人の離職率が高い点が共通しています。外国人労働者の拡大が賃金を下げることになれば、日本人の求人はさらに減りかねません。これら職種には受入れ機関の基準を厳しくすることなど産業全体の人数も含めた雇用許可制を設けるべきです。
以上
育成就労省案へのパブコメ提出
5月27日中の〆切でしたので、ギリギリに提出できました。
「出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令案概要」等に係る意見募集について
パブリックコメント
入管法等改正に伴う関係政令の整備に関する政令案等について
出入国在留管理庁参事官室様
榑松佐一
私は2007年以来、外国人研修生・実習生の相談を受けてきました。技能実習法の審議でも参考人として意見を述べました。その立場から今回のパブコメを提出します。
(1)第2の1 育成就労評価試験について
育成就労評価試験機関については育成就労産業分野ごとに「分野別運用方針で定める」となっています。技能実習試験機関には下記のような問題がありますので、試験機関のありかた、受験料、監査制度等について各省共通の規則を定めるべきだと思います。
私はこの間、技能実習自動車座席シート試験機関であるソーイング技術研究協会(以下ソーイング協会)の問題点を指摘してきました。ソーイング協会はトヨタ紡織のティア2である伊東産業の伊東和彦氏が自社の本社前敷地に、国会議員亀井静香氏の元秘書中川雅彦氏を事務局長にして設立したものです。ここには07年に私が不正を告発して不許可となったトヨタ技術交流事業協同組合(代表伊東氏)がありました。同所には監理団体アジェコが設立され、専務は中川氏の妻です。ソーイング協会の筆頭理事は伊東氏、監査はアジェコ理事長の柴田東一郎氏でした。技能実習制度における移行対象職種・作業の追加等に係る事務取扱要領(令和2年4月)には「試験実施機関の要件」として「(8)技能実習制度に係る監理団体又は実習実施者ではないこと」に違反していますが国はこの状態を放置してきました。
元理事安達賢太郎氏と中川雅彦氏は亀井静香氏の政治資金団体「名香会」の責任者で、厚生労働省 職業能力開発局海外協力課や経済産業省製造産業局審議官らが出席した「自動車シート縫製」職種追加に関する連絡会議でも中川氏が閉会あいさつをするなど厚労省・経産省と太いパイプがあります。
ソーイング協会は高額な協賛金を納める会員には過去問題を見せていました。当初は協会のホームページに書かれていましたが、入管への告発後に消えました。また会員企業の実習生のなかで過去問題が流通していること、会員企業と非会員企業で合格率が違うこと、合格率98%の基礎級試験で座席シートでは非会員で5人全員不合格となったという相談が複数の企業からありました。当方に送られてきた内部メールには会員になることを了解した企業から中川氏に「今回の検定試験の受験に弊社の再試験3名のためにご配慮をいただきありがとうございます。○○様からご連絡を頂き、中川様からのお話ということをお聞きして感激しました。…7月8日の○縫製での再試験の受験についてのご配慮本当にありがとうございました」とありました。
会員企業が再試験の日程で便宜をはかってもらい、非会員の実習生は2カ月以上先になり結果発表前に在留資格が切れたこともありました。これについて厚労省は議員レクの場で「合格率は調査していない」と説明。「便宜をはかることは問題ない」、「便宜をはからなかった会社が非会員だからとは言っていない」と答えました。
これについて昨年の衆院法務委員会で鈴木庸介議員が「試験の監督についてはいないということなんですね。では、それ以外はいるということですよね」「例えば、その問題を作っている団体、こうしたところが企業とかに便宜をはかったりとか、その便宜のあり方として問題の内容を示唆するといったことというのは100%起こっていないということを確認をしたい」と指摘しました。
また実習生の受験料が会員は2.5万円に対し、非会員は6万円と高額でした。技能実習中部地域協議会にはJITCOから毎年意見書が出されてきました。この問題については「技能実習評価試験の整備等に関する専門家会議(第57回)」でも議論されました。今春から会員と非会員の受験料の差は無くなりましたが、結果的に全員6万円に値上げされました。入国後6カ月以上で受ける基礎級試験料としてはあまりに高いという声が今も届いています。
育成就労でも試験機関の公正さを確保する規則が必要です。
(2)第2の5 育成就労実施者の変更の希望の申出について
今回の育成就労では1年もしくは1年以上の期間で本人の希望による移籍が可能となりました。「育成就労実施者の変更は次に掲げる事項を記載した申出書を育成就労実施者か監理支援機関または入管庁及び厚労省に提出して申し出る」となっており、申出書には下記が必要です。
(1)変更の希望の申出をする育成就労外国人の氏名、国籍及び生年月日
(2)変更の希望に係る育成就労実施者の氏名又は名称
(3)育成就労実施者の変更を希望する理由
しかしこれまで、技能実習終了者が特定技能に移行する際に元の実習機関・監理団体が経歴書や実習終了証を手渡さないという相談が多数寄せられてきました。育成就労外国人が上記申出書を書くことも考えられますが、実際にはできない外国人が少なくないと思われます。そこで育成就労者から上記書類の請求があった場合受け入れ機関は必ず応じるよう義務付けるべきです。
さらに法第9条の2第4号ただし書の主務省令で定めるやむを得ない事情があった場合、育成就労者から監理支援機関または入管、厚労省に申し出があった場合には監理支援機関がこの書類を提出するように定めるべきです。
また入国後講習で「出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法」と同時にこの移籍手続きを説明するようにすべきです。
今回の省令案で示された「やむを得ない事情」はいずれも令和6年11月1日「技能実習制度運用要領」の一部改正のなかで明示されたものです。昨年5月8日の衆院法務委員会で政府参考人は「立証責任の課題でございますけれども、やむを得ない事情がある場合の対応の必要性や緊急性を踏まえまして、例えば外国人からの資料などに基づく一定の疎明があった場合には、機構においてやむを得ない事情がある場合と認定し、転籍を認める場合もあることを明確にする」と答弁されました。しかし機構の事務所は全国にあるわけでなく、夜間、土日は休業ですので育成就労者が資料を持って説明に行くことは困難です。そのため「やむを得ない事情」があっても機構に行かず、失踪しているのが現状です。答弁では「やむを得ない事情による転籍が実効性のあるものとなるよう、具体の検討を進めてまいりたいと考えてございます」と言っています。育成就労外国人の多くが、日本語が不十分で携帯電話番号を持たないことからSNSでの申し出を可とし、録音や動画を資料として受け付けられるようにする必要があると思います。
(3)育成就労外国人の保護について
この間、不良品を出した実習生が罰金や帰国を求められたという相談がありました。技能実習制度は、「我が国で開発され培われた技能、技術又は知識の開発途上地域等への移転を図り、その開発途上地域等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的」としています。機構に申告・情報提供した結果、実習生が日本人と同等の業務ができず、ミスで受け入れ機関に損害を与えた場合であっても解雇や日本人と同等の処分を受けることはありませんでした。
育成就労も「育成就労産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能の適正な修得を図」ることを目的としており、未熟練労働者を前提としている以上日本人職員と同じ懲戒規定を適用すべきではありません。
また「キ入国後講習(エ)」で出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法を教えることとなっています。法第四十九条で「この法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては、育成就労外国人は、その事実を出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣に申告することができる」となっており、講習でこの申告方法を教えるべきです。
また、技能実習では「申告は、技能実習生本人だけでなく、技能実習生から委任を受けた代理人によっても可能です」(運用要領留意事項)
育成就労外国人も同様とすべきです。
以上
建設業での失踪者について国交省の無策
技能実習制度から育成就労への変更にあたり、移籍の自由がないことが失踪の原因という議論が多かった。しかし、そこでは失踪者の半数を占める建設業の問題については全くと言っていいほど不十分だった。
2015年に東北から実習生が逃げてきたことをはじめ、建設業での相談が続出した。これについて本村さんが2016年に国会で質問している国交省に質問
「失踪者は三〇・六四%が建設業にかかわる方々でございます。異常に失踪者が多いというのは明らかでございます。」
○石井国務大臣 外国人技能実習生の受け入れに係る制度の所管は法務省及び厚生労働省でございますので、国土交通省として、この点について見解を申し上げる立場にはございません。
このためその後も建設業での失踪が続出している(図は入管庁の資料から技能実習生の失踪の状況)
建設業失踪者対策として国は下記を掲げているが効果は全くない
〇 月給制の導入による安定的な賃金の支払い
〇 建設キャリアアップシステムの登録義務化
〇 建設業許可を要件化受入人数枠の設定
〇 入管庁との間で失踪技能実習生に係る情報の共有・連携
これから8年経っても建設業・農業失踪者が減らないことについて2024年6月に二比総平さんが質問してくれた[技能実習法案]外国人労働者の使い捨ては許されない
二比総平さんは「法案でも、主務官庁、つまり法務、厚労には共有するってなっているんですけれども、農水や国交やそのほか経済産業などいろいろありますけど、共有するということにはなっていない。
そうすると、これまで技能実習で起こってきたように、何で失踪するのかの原因が分からない、まず前提としてそういう事態が起こっていること自体を現場が分からない。そうしたら、再発防止も図れないということになりませんか。大臣、共有すべきじゃありませんか。」
しかしそこでも国交省の答弁は変わっていない
国交省の説明
○政府参考人(蒔苗浩司君) お答え申し上げます。
建設分野におきましては、入管庁や業界団体等と連携して、事業協議会も活用し、技能実習生の失踪者数や失踪原因等の情報を共有するとともに、失踪防止対策に係る企業の取組等の普及啓発に努めています。
また、本年四月には、入管庁より失踪防止対策に係る三種類のリーフレットを周知するよう依頼があったことを踏まえて、建設業関係団体等に速やかに周知を行ったところでございます。
育成就労制度における対応につきましては、今後、制度所管官庁である入管庁等とも連携しながら検討してまいります。
農水省はこんなに失踪しているのに「把握している案件はわずか」
○政府参考人(勝野美江君 )失踪理由につきましては、明確に特定することが困難な面もありますけれども、実習実施者の不適切な取扱いのほか、技能実習生側の事情によるものもあるというふうに聞いております。
なかなか、現時点で把握している案件というのが少数にとどまっておりますので、この失踪に係る情報の把握、失踪防止に向けた取組について、更にどのような対応が可能か検討してまいりたいというふうに考えております。
実際は大手介護施設のため 外国人訪問介護解禁
より以前の記事一覧
- 自動車座席シート職種の廃止を 2024.08.01
- 技能実習法改正と残された課題 2024.07.20
- 実習制度の見直しについて 2024.02.17
- 制度見直し最終報告への意見 2023.11.21
- 移籍先を探さない監理団体 2023.05.25
- 有識者会議中間報告の議論について 2023.05.07
- すでに実習制度が崩れてきた 2023.05.07
- 入管庁が自民党に意見を求めて中間報告をまとめ 2023.04.20
- 名古屋入管局長と懇談 2023.03.21
- 出版報告会のお知らせ 2022.12.20
- 責任ある外国人労働者受入れプラットフォーム(JP-MIRAI)で優秀賞 2022.12.11
- 「人身取引対策行動計画2022(仮称)」(案) への意見 2022.11.13
- 特定技能の費用は? 2022.09.24
- 元実習生の帰国旅費は? 2022.08.24
- 特定技能に変わった元実習生の帰国費用 2022.08.24
- 外国人技能実習制度見直しについて(骨子案) 2022.08.20
- 特定技能の問題点 2021.12.29




