技能実習法改正と残された課題

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6月14日の参議院本会議で技能実習法が「改正」され「外国人の育成就労の適正な実施及び育成就労外国人の保護に関する法律」になりました。当初「技能実習制度廃止」と言われていましたので「実習制度はなくなったの?」と聞かれる方も少なくありません。そこで今回の改正のポイントと実習制度はどうなったのかについて整理してみました。

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変ったのは実習生→労働者
一番大きな点は「技能実習」が「育成就労」に名称変更され、制度の目的が「国際貢献」から「労働力確保」になったことです。
条文的には本人の希望による移籍に関わる追加された程度です。
14項目に及ぶ付帯決議Photo_20240720214701
国会では当初から「移籍の自由がないことが人権侵害」という議論に終始し、実習制度の実情や具体的な問題点については全くといっていいほど議論されませんでした。その結果が附帯決議です。法律の条文はほとんど変わっていませんから、詳細は全て運用要領で定められると思われます。
附帯決議全文 ダウンロード - e99984e5b8afe6b1bae8adb0.docx

今後3年以内に施行とされていますが、すでに特定技能の受け入れ人数を2倍にすることや職種の拡大が相次いでおり、施行は早まると思われます




 

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有識者会議中間報告の議論について


技能実習・特定技能有識者会議の中間報告書議論について

2023年5月7日

外国人実習生SNS相談室 榑松佐一

昨年12月から「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」が始まりました。12月から3月までは月1回のペースでしたが、4月10日の第5回に中間報告書(たたき台)提案された後から毎週の開催となり、4月28日の第7回では中間報告が確認されました。

この間には4月19日に一般財団法人外国人材共生支援全国協会(NAGOMi)が緊急オンラインアピール「有識者会議・中間報告案を問う」を開催し、一斉地方選挙直後の4月24日には自民党特別委員会が開催され「出入国在留管理庁は専門知識を持つ外国人を受け入れている「特定技能制度」を大幅に拡大する議論を要請した。(TBS4/24)

会議資料は入管HPに掲載されるが修正箇所付きの資料は毎回膨大で読み込むのもたいへんだが、各委員の意見まではヒアリング結果と各委員の意見を反映したものと思われる。そのうえで「第4 検討の方向性」部分について第5回(4/10)に提出された中間報告(たたき台)に対し第6回(4/19)と第7回(4/28)に出された修正箇所を並べてみることにした。それぞれ上記のアピールと自民党特別委員会の意見を反映したものと思われる。

各ページの左側が第6回に提出された「案・たたき台修正」と右側が第7回の「案・修正付き」である。横線が削除、訂正が赤字部分が前回からの加筆になっている。

外国人研修生問題/有識者会議23/中間報告書案(方向性)

ダウンロード - e4b8ade99693e5a0b1e5918ae69bb8e6a18828e696b9e59091e680a7efbc89.pdf

 

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すでに実習制度が崩れてきた

機構の移籍先支援は

技能実習制度の見直し議論が行われています。転籍の自由がないことが人権侵害の大きな原因とされています。
そんななか、移籍に関わる相談が続いています。
かれらは一応OTIT(技能実習機構)に相談はしているようですが、いずれも監理団体に探してもらうように言われています。
この実習生は1年で解雇され、監理団体から帰国するよう言われました。機構に訴えて、機構は監理団体に移籍先を探させることにしました。

職種違反でも
島根県の実習生は母国で機械操作の仕事をしていたのに、昨年12月日本にきたら足場作業の仕事でした。
組合に問題を言ったら、実習先は中止になりましたが、5月に入っても次の移籍先を見つけてもらえません。
機構にも相談しましたが監理団体が探すことになっています。
彼はSNSでいろんなところに仕事を探しています。

特定技能への変更も
暴力をうけたミャンマー人実習生も機構に訴えました。
彼は監理団体を信用できないので入管に行きました。
ミャンマー人は今、特別に在留資格を変更できるようになっています。
彼は特定活動に変更して友人のところに住んでいます。
日本語能力も高いので、特定技能試験を受けると言っていました。

 

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