またしても不合格

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技能実習評価試験の整備に関する専門家会議が開催され自動車座席シート試験について2度目の審議が行われました。
2022年1月の審議会で「○検討の結果、座席シート縫製職種の試験については、委員からの指摘を踏まえて、厚生労働省と相談の上、改善を実施するとともに、当専門家会議に報告することとされた。」ものだと思われますが、議事録は公開されていません。
非会員で不合格
6月1日に座席シート基礎級の試験が行われましたが、試験結果の発表まで1カ月以上、非会員の2社で全員が不合格になりました。
さらに再試験にもひと月以上かかり、1年のビザが切れてしまい「特別活動」で待機になりました。
その結果が9月に発表され、2名が実技試験で不合格となりました。この試験について他のインドネシア人実習生に聞いてもらいました。彼らの話によると試験のミシンは、水平釜のボビンなのですが、彼らの会社のミシンは垂直釜のボビンなので、下糸をミシンに設置出来なかったようです。
ある会社の方は「ソーイング協会は、動画をアップしてあるので、その練習をさせていたなかった会社が悪いという事を言うと思います。ただし、縫製メーカーによっては、使用するミシンのメーカーや種類が違うので、本当はその会社で使い慣れたミシンにて、課題をクリアーできるか?を評価すべきです。そして、何点で落ちたのか?落ちた理由もわからないのは、本当にアンフェアです。」
この二人は1年のビザ期限で帰国になります。監理団体は「9カ月も問題なく働いてきた実習生が基礎級実技で落ちるなんてありえない」と言っていました。
先の国会では監理団体の中立性が付帯決議に書かれましたが、試験機関こそ中立性が問われます。






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自動車座席シート職種の廃止を

特定技能制度における素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業分野に特有の事情に鑑みて定める基準の一部改正(案)に対する意見

[御意見]・該当箇所 第二条の一 中分類一  繊維工業の追加に関わって

・意見内容  現行技能実習制度にある自動車座席シート職種区分を特定技能職種では廃止すること

・理由(可能であれば、根拠となる出典等を添付又は併記して下さい。)

令和6329日の製造業分野の特定技能制度で「工業製品製造業分野」の新たな業種・業務区分に繊維業が追加されました。このうち繊維業については不払い賃金等の違反が多いことから特別な追加要件()が付されています。

当方は2015年から岐阜県での縫製業で不払い賃金が多いことを指摘し、その後20172月に経済産業省が縫製業における最低賃金の引き上げに伴う下請け工賃調査を行いました。またその後も毎年適正化の指導が行われています。私もこの追加要件には同意します。

いっぽう自動車座席シートは同じ縫製業でありながら特殊な扱いとなっています。座席シート職種は2016年から日本ソーイング技術研究協会が試験機関となり独自の技能実習試験が行われるようになりました。同協会はトヨタ紡織の下請けである伊東産業の伊東和彦氏が中心となって設立しました。2007年に伊東氏が理事長をやっていた豊田技術交流事業協同組合で100人もの残業代不足が社会問題となりました。同協会はこの跡地に設立され、現在も豊田サテライト試験会場となっています。同協会事務局長中川氏の妻が専務で、監査役の柴田氏が理事長となっている監理団体アジェコもここにありました。(現在は登記変更)

ソーイング技術研究協会の技能実習試験料は会員2.5万円のところ非会員は6万円で再試験料も4.2万円かかります。毎年中部地域協議会にJITCOなどから毎年意見書が出されています。

以上の経過は愛知労働局のHPに掲載されています

『技能実習法に係る中部地区地域協議会(第7回)』 議事概要

 https://jsite.mhlw.go.jp/aichi-roudoukyoku/content/contents/001877847.pdf

以前は会員のみ過去問題を見せることがHPに出ていました。現在はどのような方法かわかりませんが、会員内に過去問題が流通しています。

座席シート職種と言っても自動車業界ではヘッドレストやアームレストしか作らない企業があります。しかし同じ車種の車は同じ布になります。元請けである伊東産業からトヨタ車の布をもらうためにはソーイング協会に加入せざるをえなません。

座席シートを作ったことのない実習生が、過去問題も見せてもらえず不合格となることが少なくありません。昨年も数社、今年61日の試験でも2人落ちた会社から相談がありました。また合格発表がひと月以上かかるため、昨年は非会員で再試験が数カ月先にされ、在留資格が切れて特定活動ビザに切り替えざるを得なくなった事件も発生しています。

一方で会員となった会社の役員は(試験日の)「便宜をはかっていただきありがとうございます」と言っていました。(上記「議事概要」参照)

このような高額な試験料、会費を取られ、さらに単価を切り下げられる下請け企業の中には残業代をごまかす会社もあります。現在相談を受けている東海市の実習生はタイムカードを定時に切ったあと22時まで働いていますが、残業代は月20時間程度しかもらっていません。

このような特殊な職種を特定技能、さらには育成就労職種として残すことは問題です。他の縫製職種と同様な分類とされるよう求めます。

 

座席シートについても他の繊維産業と区別することなく同様な条件が必要と思います。

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意見陳述します

「技能実習法に係る中部地区地域協議会(第7回)」が開催されます445827437_7693833417361114_5178146657851
私も意見書を提出しました。
伊東産業・ソーイング協会を告発します
冒頭意見陳述します。
意見書⇩

ダウンロード - e7acac7e59b9ee4b8ade983a8e59cb0e59f9fe58d94e8adb0e4bc9a.pdf

令和6年6月 21 日(金) 13:30~15:30 Web 開催

協議事項等
・中部地区における技能実習制度の現状、課題等
・中部地区における令和6年度の技能実習制度適正化のための取組方針等
※ 本協議会の資料は、開催後、取組方針を除き原則公開する予定です。

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帰国強要こそ人権侵害

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NC910月18日から

https://share.icloud.com/photos/03fhV8BixIzWz9cb1oNHdSz1Q 


移籍の自由が無いから実習制度は人権侵害だと言うがそんなに単純ではない。
実習生にとって帰国強要が最も重大だ。だから逃げるしかない。

実習生にとって最大の人権侵害は帰国強要。不正を告発しても次の会社が見つかるまでの生活費が払えず帰国するしかない。
トヨタ座席シートの伊東産業は不良品の罰金15万円が払えなければ帰国と言われた。
彼女はOTIT母国語相談に書いたが法テラスで民事裁判を紹介された。
私が代理人となってOTITにいき、移籍先を探すが時間がかかると言われた。その直後伊東産業手下の監理団体アジェコから生活費はどうするんだと言われて結局彼女は翌日「お金がない」と帰国した。
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しかし、その後厚労省指導係は「仕事のミスの罰金請求は違法ではない」として、申告を受理しないと言ってきた。
まさに人権侵害に加担していた。
悪質な監理団体
有識者会議では監理団体への監視強化が出されているが、すでに「現実的でない」という意見が出ている。
上記の監理団体「アジェコ」と座席シート試験機関「ソーイング研究協会」はいずれもトヨタ自動車座席シートの元締めである伊東産業の支配下にあり、これまで何回も問題が指摘されてきたが、厚労省は全く手出しできない。機構も申告を受理しないのは同じく、トヨタには手が出ない。
2asa中日10/19
新制度ではこのような不正な監理団体を排除しなければ人権侵害はなくならない



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トヨタ座席シート伊東産業の罰金請求問題


トヨタ座席シート伊東産業の罰金請求について法律家のコメントを頂きました。
なお厚労省の氏名公表は同意を確認しています

労働者がミスをしたときに損害賠償を請求できるかは、労基法16条の損害賠償の予定に反するものではなく、ミスと損害との間に因果関係が必要です。

1個5000円という金額が、どこからくるか、16条の反するものではないか気になりますし、ミスとの間で因果関係があるのかも気になります。指導方法がよくなかったり、作り直したりできるわけで、本当に損害が出ているか、怪しいと思います。

そして給与から引かれたら、間違いなくて労基法24条の全額払いの原則に反すると思います。24協定があっても損害賠償は引けないかと。

まず、5条の一般的な責任に反しますよね。

第五条 実習実施者は、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護について技能実習を行わせる者としての責任を自覚し、第三条の基本理念にのっとり、技能実習を行わせる環境の整備に努めるとともに、国及び地方公共団体が講ずる施策に協力しなければならない。

続いて、実習生のみにミスの賠償金払わせるなら、技能実習計画の認定基準である9条9号の同等報酬要件に反すると思います。

技能実習生に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であることその他技能実習生の待遇が主務省令で定める基準に適合していること。

続いて、24協定違反の10条の結核事由である不正不当にあたるかと存じます。

第八条第一項の認定の申請の日前五年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をした者
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99%合格率の学科試験で6人全員不合格・・・徳島県

10日ほど前に、徳島の実習生から「同じ監理団体の6人が全員不合格で帰国させられる」という相談がありました。
職種を聞くと被服です。このうち5人は10月までのビザ、一人は12月です。
有識者会議の資料で基礎級の学科試験合格率は99%ですので6人全員不合格はありえないと思いました。
知り合いの監理団体からも「職能協会の試験でそんなことは聞いたことがない」と言われました。
また、一次試験に落ちたら勉強させるので、同じ月に再試験を受けさせることもないと言われました。

実習生は監理団体から口頭で聞かされただけでしたので機構高松事務所に確認してもらいました。ところが、、、

機構の確認で「職能協会はHPで試験結果を知らせており、間違いなく全員不合格を確認した」と言われました。同月に再試験を受けさせたのも「試験機関の都合」と言われたそうです。

本当に8月に2回受ける必要があったのか徳島県職能協会に基礎級の試験日程などを聞きました。協会によれば7月20月(ころ)に一次試験、再試験を8月10日に受けたそうです。在留期限は10月16日まであるので更新手続きを含めても9月中旬まで勉強して受けることができます。

協会に聞いたところ、基礎級試験はひと月に数回あるのですが監理団体が8/10でいいと言ったそうです。むしろ基礎級で全員不合格になる方を不思議がっていました。ほんとうに勉強させたのでしょうか?

 

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