実習生による申告が「不正行為を是正」

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「実習制度は奴隷制度」と叫ばれています。技能実習機構への相談は年間1万件にも及びます。しかし、実際に不正を調査することになる「申告」(告発)はわずか100件程度しかありません。
技能実習法には「申告権」が書かれており、「申告」したことへの不利益扱いは禁止されています。
(出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣に対する申告)

法第49条 実習実施者若しくは監理団体又はこれらの役員若しくは職員(次項において「実習実施者等」という。)がこの法律又はこれに基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては、技能実習生は、その事実を出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣に申告することができる。
2 実習実施者等は、前項の申告をしたことを理由として、技能実習生に対して技能実習の中止その他不利益な取扱いをしてはならない。

実習生による申告が「不正行為を是正」
○ 技能実習生本人が、技能実習法令に違反する行為に遭遇した際に、自ら実習実施者、監理団体等の不法行為を申告することができれば、迅速かつ的確な主務大臣の権限行使によって、不法行為を是正することが可能となり、技能実習生の保護が図られることとなります。
○ このため、実習実施者若しくは監理団体又はこれらの役職員が技能実習法令の規定に違反する事実がある場合においては、技能実習生は、その事実を出入国在留管理庁長官及び厚生労働大臣に申告することができることとしています。

母国語での「申告」も可能です

不利益扱いの禁止
○ この申告については、機構が実施する母国語による相談窓口(電話、メール)を通じて行うこともできます。入国後講習において、法的保護に必要な情報について講習する際に、技能実習生に対して確実に周知することが必要です。なお、申告の制度については、入国時に技能実習生に配付する技能実習生手帳にも記載しています。
○ 実習実施者若しくは監理団体又はこれらの役職員が、技能実習生が申告をしたことを理由として技能実習の中止その他不利益な取扱いをすることは禁止されています。これに違反した場合には、罰則(6月以下の懲役又は30万円以下の罰金)の対象となります(法第111条第7号)。

代理人による申告も可能
申告は、技能実習生本人だけでなく、技能実習生から委任を受けた代理人によっても可能です。代理人が申告を行う場合にあっては、技能実習生の意思による申告であることを明らかにするため、委任状を併せて提出することが必要となります

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意見書をだしましょう

各地域で技能実習制度についての意見募集が始まっています。いつから始まったのかわからないうちに〆切になっていることが多いので各県労働局に問い合わせください。関東は6月10日〆切です。
中部地域も今月中にあると思われます。いつでも出せるように書き始めています。
出した意見は固有名詞を除いて労働局のHPに掲載されます。
関東地域の意見募集は下記から
「技能実習法に係る関東地区地域協議会(第5回)」の開催について|千葉労働局 (mhlw.go.jp)

昨年の中部地域協議会に出した意見書は労働局のHPに掲載されています。
「技能実習法に係る中部地区地域協議会(第4回)の開催について|愛知労働局」 (mhlw.go.jp)
愛労連の意見書(10ページ)も見ることができます。
2022

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「外国人労働者と法-入管法政策と労働法政策」(早川智津子、信山出版社)を読んで

「外国人労働者と法-入管法政策と労働法政策」(早川智津子、信山出版社)を読んで

 

2017年11月施行の技能実習法と20194月施行の特定技能が今年見直しの時期となっています。吉川法相が昨年の就任直後から見直しについて言及し、自民党の学習会が始まっています。外国人支援団体からの聞き取りも行われています。

4月には上智大学グローバル・コンサーン研究所主催で「検証・日本の移民政策」シンポジウムが開催され、この間の外国人労働者受入れ拡大について当時の自民党責任者から「自民党の外国人労働者政策――回顧と展望」を聞くことができました。「これ以上の保護法制はいらない」という率直な見解も聞くことができました。私も東海社会学会でお話させていただく機会をいただくなど外国人問題への関心の広がりを実感しています。

外国人労働者問題について人権団体からの出版や報道が増えるいっぽう、法律研究者からの出版物はあまり見かけません。そこへ早川智津子佐賀大教授の「外国人労働者と法-入管法政策と労働法政策」(信山出版社20203月)を紹介いただきました。筆者は冒頭で「問題の所在」として1990年前後からの外国人労働者受入れ拡大と近年(2016年頃)になっての受け入れ拡大の経過を説明しています。最近になって外国人問題に関心を持つ若い方が増えており、とても分かりやすいと思います。

著書は大まかな経過を第一部「外国人労働政策の視点」として入管法政策、労働法政策に整理したうえで第二部「日本法の状況」では、入管法によりどのような在留資格で外国人労働者が増えてきたのかを概観し、「消極的な保護」と「積極的な保護」のもとで外国人労働者がどのような状況にあるのかを説明しています。そこで筆者は入管法と労働法制との関連が重要であるとしています。先のシンポで自民党担当者が「単純労働者の受け入れはしない」としながら様々な名目で基準を引き下げてきた仕組みがとてもよくわかりました。

外国人技能実習制度については別章で現状と課題を法律的に整理しています。外国人研修制度から技能実習法施行までの経過を述べたうえで、現行の外国人実習制度は「入管法と労働法のハイブリッド法制である」としています。技能実習生には労働法に加えて技能実習法での禁止規定、罰則規定、申告権などの保護規定があるとしたうえで、賃金・待遇、雇用管理、解雇の制限などテーマごとに「実体法的請求権の根拠規定とも解しうるか」「保護の実効性を確保するか」を示しています。

「移籍の自由がないことが人権侵害」と技能実習制度廃止論の焦点になっています。著者は実習生には「技能移転という制度趣旨からみると・・・就労することにつき特別の合理的利益を認めることができる」と就労保障があり、技能実習3号への移行について「受け入れ企業が合理的な理由なく更新を拒絶することはできない」としています。また「技能実習第3号への移行に際し『本人に実習先を選択させる機会を与える』している」「「3号移行に当たって他社への転籍の足止めを目的とする教育費用返還請求は、管理費等の事後的徴収として制度趣旨に反することが多いであろう」など他の外国人労働者にはない法的保護を説明しています。そのいっぽうで高額手数料の背景でもある「労働市場分野」、とりわけ職業紹介法の国外への不適用などの不足点をあげています。

筆者はこのように技能実習法の評価と問題点を指摘したうえで、その他の外国人労働者に対しても積極的保護など労働法制の課題を提起しています。特定技能の制度についても問題点を端的に述べており、技能実習法と特定技能の見直しにむけて法律研究者の意見は大変参考になりました。

私は新著「コロナ禍に惑う外国人実習生たち」(仮題)のなかで「技能実習制度の見直しについて(私案)」を書きました。人権団体からはさまざまな意見があると思います。国の制度見直し議論にむけて各分野からの積極的な議論が重要だと考えています。そのために本書は大変参考になると思いますので、紹介させていただきました。

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アジア共栄の寮生追い出し

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13日、アジア共栄のNさんが寮を追い出されました。彼は新たな移籍先を探してもらえず、その間特定活動・帰国困難で28時間のアルバイトをしています。生活費はもらえず、月30000円の寮費を半分ほど払いましたが、追い出されました。
技能実習機構名古屋事務所に指導を求めましたが断られました。
この模様を赤旗日曜版12月26日版が詳しく報道してくれました。

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アスベスト作業には戻りたくない

アスベスト作業には戻りたくないというアジア共栄の実習生。
職種は塗装、作業は建築塗装でそのなかに剥離作業があります。
2006年に禁止されるまでに建てられた建築物ではアスベストが使われているものが少なくありません。
しかし、日本に来る前にアスベストの説明はありませんでした。
知り合いの監理団体は解体などアスベスト作業は日本人が嫌うので、実習生を使うところが多くなっていると話しました。この会社もHPでアスベスト除去を宣伝しています。除染と同じく、高額な料金をとる一方で実習生を使ったいるのでしょう。
国交省の資料のなかにアスベストを含む場合の注意と書いてありますが、さらにそこからリンクしていかなければなりません。実習生は日本語での説明なので全くわからなかったと言っています

 

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3号手数料問題、ベトナムとの二国間覚書にも明記

3号に移行するにあたりベトナム政府が禁止している手数料をとっている問題について二国間覚書では下記のように書かれています。

【日本国法務省、外務省及び厚生労働省とベトナム労働・傷病兵・社会問題省
との間の技能実習制度に関する協力覚書】(仮訳)

5.それぞれの省の責務
 一 日本の省の責務
(13)ベトナムの省に、ベトナムの認定送出機関及び日本の監理団体による違反行為について通報し、これらの違法行為に対して適切な措置を行うこと。

ベトナムの省の約束
(8)ベトナムの認定送出機関の運営について指導、管理及び監督を行い、別添1に記載する基準に違反したベトナム認定送出機関に対して適切な処罰を与えること。

〈別添 1〉 ベトナムの送出機関の認定基準(ベトナム人技能実習生を日本に送り出す企業)
(3)技能実習生又は技能実習生になろうとする者(以下「技能実習生等」という。)から徴収する手数料その他の費用について、算出基準を明確に定めて公表し、当該手数料その他の費用の詳細について技能実習生等に十分に理解させるために説明すること。

※ベトナム政府の公文書NBCAĐN-QLLDNN2456号の規定では、送り出し機関および監理団体に変化がない場合には、送り出し機関は実習生から役務の手数料を追加徴収することはできません。 
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自己都合帰国旅費も受け入れ機関の責任

実習生が妊娠や病気など自己都合で帰国する場合にクミアイが飛行機代をだしてくれないという相談がありました。
これについても技能実習運用要領で受け入れ機関が全額支払うことになっています。

運用要領p87
帰国事由が技能実習生の自己都合による場合について
企業単独型実習実施者又は監理団体が負担すべき帰国旅費については、帰国事由を限定していません。帰国事由が技能実習生の自己都合による場合であっても、帰国旅費の負担が企業単独型実習実施者又は監理団体によってされていない場合には、本号に適合
しないこととなります。
これは、技能実習生と企業単独型実習実施者又は監理団体との間で「自己都合」に関して解釈に争いが生じ、結果として、技能実習生の帰国に支障を来すことを防ぐためです。
210801 第4章 (otit.go.jp)




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帰国飛行機代は全て受け入れ機関が負担と明記

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帰国飛行機代が高騰し従来の4倍の12万円ほどが多くなっています。
そのため、飛行機代を全額出してくれないという相談が続いています。2億円脱税のアジア共栄も12万円のうち実習生には65,000円しか払わないと言っていました。ベトナムでは母国についてからも隔離ホテル代など10万円以上の自己負担があり、たいへんです。

帰国にかかる旅費と生活費は全て受け入れ機関が保障することになっています。
<技能実習運用要領p87>
○ 技能等を移転するという技能実習制度の趣旨に鑑みて、技能実習生の帰国に支障を来さないようにするために、企業単独型実習実施者又は監理団体が帰国旅費の全額を負担し、「必要な措置」として、技能実習生が帰国するまでの間、生活面等で困ることがないよう、技能実習生が置かれた状況に応じて、その支援を行うこととしているものです。
○ 上記については、帰国予定の技能実習生の在留資格が、帰国が困難である等の事情により他の在留資格に変更された場合であっても同様です。
○ 監理団体は、「必要な措置」を講じるに当たって生じる費用及び帰国旅費については、「その他諸経費」として、監理費(実費に限る。)を実習実施者から徴収することができますが、いかなる理由でも、技能実習生に負担させることは認められません。

 

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JICA「多文化共生研修」

Jica211029
外国人実習生SNS相談室を発足しました。
本日は相談室長としてJICA国際協力推進員の「多文化共生研修」で技能実習制度についてお話させていただきました。
研修参加者の中には海外での活動経験のある方も多く、技能実習制度の説明だけではなく各地域で実習生と地域のみなさんとの橋渡しをしてもらえると助かります。実習制度にはまだまだ改善すべき点はありますし、廃止も含めて抜本的な変更を求める声もあります。しかし実習生だけでなくすでに様々な外国人労働者を受け入れている状況で今すぐやるべきことは「ガイコクジン」ではなく〇〇人として互いに人として認めあうことだと思います。
今日の講演資料は以下から読めます。

ダウンロード - 211029_1_e6a691e69dbe28e9858de5b883e794a829.pdf
SNS相談室設置要綱は下記

ダウンロード - e5a496e59bbde4babae5ae9fe7bf92e7949fefbcb3efbcaeefbcb3e79bb8e8ab87e5aea4211027.docx

 



 

 

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不正を訴えたら移籍できない

このページで訴えている実習生も「面接で不合格」など移籍先が見つかりません。「申告したことを理由とする不利益扱いではないか」と言っても「重大な人権侵害ではない」と機構も強い指導をしません。監理団体にとってはお客様に迷惑をかけた悪い実習生ということでしょうか?
国際的にも強制労働の禁止の声が広がっており、日本の技能実習制度の廃止という声が強まっています。
Chu2110261

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